ブログやtwitterといった個人で扱えるメディアの隆盛とともに、いまやマンション評論家も有名無名/プロアマ問わずたくさんの方が活躍されており、雨後の筍の如く、時はまさに大マンション評論家時代!といった状況となっています。
自分の検討しているマンションについて誰かが何か言っていたら気になってしまうのは仕方ないですよね。
そこで絶賛されてればいいですが、もしコテンパンにやられていたら・・・?
そんな時にちゃんと自分をもって判断できるように、マンション評論家を判断するいくつかの軸・ポイントをお教えいたします。
(ある意味で掲示板との付き合い方を述べた「マンションコミュニティの歩き方」の続編・評論家との付き合い方編ともいえるでしょう)
1.その人の専門・強みは何か?
2.誰に向けて話しているか?誰の意向を受けているか?
3.その人のやりたいことは何か?
ひとつひとつ見ていきましょう。
1.その人の専門・強みは何か?
マンション評論家にはそれぞれ得意な分野・専門があります。ないとすればその人は残念ながら評論家たり得るレベルまで達していないと言えるでしょう。得意な分野や専門は様々です。たとえば以前実際に現場で働いていた(あるいは働いている)領域だとか、ずっと定点観測しているエリアやジャンルがあるとか、そういったものです。得意な分野についての知見は耳を傾けるべきものです。しかし、そうでない分野に関しては的外れなことを言ってしまったり、ネットで調べた情報をそのまま流してしまったりするものです。僕も自分のわからない分野や領域に関して知った風に言うことには禁欲的でありたいと思っています。(自戒を込めて)もちろん元プロ評論家の人が現場を離れてから長年の歳月が流れ、自分では得意だと思っていても、最新の知識をフィードバック・更新を怠って全然話にならないことを言ってしまっているケースもあります。アップデートって大切ですね。みなさんちゃんとWindows10アップデートしましたか?僕はまだです。(笑)
これまでの得意分野や専門でないことをしゃべっていたら、まずその中身を精査した方がいいかもしれません。この論者のこのジャンルの発言は本当に信頼に足るものなのか?と。たとえば僕が急に間取りの話や管理の話やチラシの話を始めたら、鵜呑みにせず「大丈夫なのか?」という目で見てくださいということです。ネット社会の時代ですから、いろんな分野の専門家が見てます。適当なことを言えばクレームも入りますし、反論記事も書かれます。禁欲的であることは自己防衛の側面もあるのです。
余談ですが、僕は興味関心の分野が広いので、何でも知ってる人みたいに思われて、困ってしまうこともあります。
そういう時はいつも、次のように言っています。
2.誰に向けて話しているか?誰の意向を受けているか?
もっとざっくりと「誰からお金をもらっているか?」と言った方がいいのかもしれませんが日和りました。たとえばデベロッパーから仕事を受けていたり、住居を斡旋してもらっていたりすると、今後の仕事のことを考えるとなかなか正面切って批判することは難しいという面があります。
(実際ザ・パークハウスグラン南青山高樹町の際にそのようなことがありました。詳しくは拙記事「マンション評論におけるジャーナリズム」参照)
では、デベロッパーからお金を貰っていない評論家であれば全面的に信用していいのか?いえそういう話ではありません。たしかにエンド顧客、一般大衆を相手にしている人はデベロッパーやゼネコンの不祥事の際には失うものがないので攻め込むことができます。しかし、彼らは大口顧客がいない以上、生活のために注目を集め続けなければなりません。人の心は移ろいやすいもの、あの人は今?なんてことになっては終わりですから、自然と実際以上にセンセーショナルに書き立てることになります。(これはマンションジャーナリズムに限らず、ジャーナリズム全体に見られる傾向ですね)
なので「あいつはお金を貰ってるから信用できない」「あいつはお金を貰ってないから信用できる」という単純な話ではなく、「彼はデベロッパーからたくさん仕事を受けているからデベ寄りに書いてるかもしれない」「彼は大衆相手に商売をしているから少しあおりすぎかもしれない」と、発言を鵜呑みにするのではなく、バックボーンを加味した上で適宜修正して飲み込んでいくことが大切になります。
3.その人のやりたいことは何か?
その人がやりたいことは何なのか、どうしたい人なのか、率直に言えばその人は何屋なのか?ということです。たとえば、ある人が「新築マンションはもうダメだ!今はリノベマンションの時代だ!」と発言していたとします。その人がリノベマンション屋さんだとしたら「新築マンションはダメだ!」(A)という主張は自分の商売のための「今はリノベマンションの時代だ!」(B)という結論を導き出すための枕詞に過ぎないかもしれません。AはBという主張のために言ってるだけなのですからそれを真に受けて「新築マンションはダメなのか」と気に病む必要はありません。いちいち挙げませんがこういう我田引水論法はよく見ます。過激な主張を見かけたら、この人の狙いは何か?この人は何屋なのか?自分の商売のために問題を大きく言ってないか?注意深く見るといいかもしれません。結局のところ、マンション評論家の意見を見るときに必要なリテラシーは何かというと、「何を言っているか」ではなく「誰が言っているか」に注目することです。「誰が言っているか」に注目しないとその発言の信憑性も狙いも理解することはできません。家を買うことは人生における一世一代の大きな選択なのですから、無責任な言説に惑わされず、満足いく買い物の一助になればこれほどうれしいことはありません。
今回記事内で出たマンションのマンコミュスレッド
ザ・パークハウス グラン 南青山高樹町
余談
こんな話をすると、「じゃあDJあかいさんは何が専門でどこからお金貰ってて何屋さんなんですか?」という人も出そうですね。その質問に対してはこう答えようと思っています。
結局結論は、
誰が言っているのかに注目しないといけないが、その人が誰なのか(どこからお金を貰って、他者とどういう利害関係があるか)多くの場合わからない。
だから誰が言っているかに注目することは諦めて、何を言っているのかに注目しなさい、ということでしょうか?
最後のくだりでよくわからなくなってしまいました
あかいさんが誰なのか(どこからお金をもらっているか、他者とどういう利害関係があるか)多くの人は知るすべがないので、何を言っているかに注目するしかありません。
なるほど、そういう受け取り方もあるんですね 学びがあります
情報を取捨選択するためには、受け手側にも一定のリテラシーが必要ですよね。挙げられたどのポイントも、マンション界隈だけでなく広く一般化して活用できる視点だなと感じました。