※本日2本目の記事です。
新築にせよ中古にせよ「高値掴み」をしないように注意をしなければなりません。
第120回「中古マンションの価格は何故上がる?」の中で述べましたが、新築はメーカー希望小売価格のようなもので、価格は硬直的ですが、中古は市場にゆだねるというイメージで、オークションのようなものかもしれません。つまり、中古価格は指標になる過去の取引事例があって、自然に妥当なレベルに価格は落ち着いて行くのです。言い換えれば、高く売りたい個人オーナーがいても、市場がそれを許さないものです。
ところが、高値の物件に遭遇することがあります。最近は増えています。筆者に言わせると「売主が悪乗りしている」ケースです。というのも、仲介業者と相談して売り出し価格を決める際に「もっと高く売りたい」と欲張りな発言をする売主が多いと聞くからです。
査定額を見て「そんな値段じゃ売りたくないなあ。これは立地もいいし、最上階で眺望も最高の部屋だよ」などと、まるで査定をして来た業者を説得するかのように我が家の価値を認めさせようとするそうです。
業者の立場では、価格が安いほうが早く売れて自社の収益になるので、査定額で受託したいのですが、安くしたいとは言えませんし、遠慮がちに「少し高いかと思いますがと・・」と発言したとしても、受注ができなくては元も子もないので、「分かりました。それでやってみましょう」と言わざるを得ないのです。
こうして、査定額を大幅に上回る高値の売り出し物件が市場に出てしまうというわけです。筆者は、ここに注意してレポートを作成することにしています。
2年前くらいまでは、中古の売り出し価格は「お試し価格」とか「チャレンジ価格」と称して5%程度の上乗せ価格で売り出すことは普通にありましたが、最近は10%以上乗せる例も多いのです。
買い手の立場では、高く売り出されると、価格交渉によって少し下がったとしても高いものを掴まされることになります。
何故このようなことが起こるのか、答えは相場の上昇にあります。相変わらずの高値が続き、新聞報道によって、一般の人も「まだ上がっている」と知り、強気の態度を取らせるのです。
高いかどうかは、仲介業者から「取引事例」を調べてもらえば分かります。ただ、交渉でどのくらい下がるかがカギで、直ちに「高いから止める」のは勿体ない物件であることも多いので悩ましいものです。
価格交渉が可能かどうか?これを業者に打診をしましょう。そののち、検討を続けるかどうか、慎重に検討しましょう。