プラウドシティ東雲MR訪問記2 -モデルルームは誰のため?

スポンサードリンク

その1の続きです。先にこちらをご覧ください。https://www.sumu-log.com/archives/12578/

その1の中に、他のブロガーさんの紹介へのリンクもあります。
オーバル型が非常によく考えられていて感心したと「褒めて」いたつもりなんですが、私は空気が読めなくて相当毒舌にとられてるみたい。


はるぶーを知る twitter 上の500名ほどに訊いてみたところ、3/4がはるぶーは空気読めていないかコミュ障で”普通ではない”のだと。総会なら特別決議成立です。ビョーキなので大目に見てね。

高いか安いは、無数に掲示板の中に書き込みがありますから私が書くものでもありません。買いだと思うなら買うでよろしいのではと。掲示板はほぼ全てが「高い!」という声であふれているもので、それを信じて書き込みの半分くらいが安いかも?ってのに参入しても、私自身がそうであったように倍率のついた抽選で落ちるだけです。

私が語りたいのはこの戸数でもモデルルームは1戸分だけとするまでコストカットを目指してもすごいお値段になってしまうという”現在の状況”についてであって、ここはひとつのその局面を表す事例に過ぎません。

Disclaimer 終了。

平面図は個性的・立面図は平凡

ここの新機軸は、無論思い切って1階と中庭に全ての共用施設を集めたコンセプト(保育園を除くと2階から上には一切共用施設はありません)の他は、

2つの居室の間の面積や収納の広さの関係などを変えられる可動式収納UGOCLOと
https://www.haseko.co.jp/tri/archives/interior/ugoclo.html (長谷工側)

キッチンなどからの排水管の通常での勾配確保の制限をクリアしてパイプスペース(PS)までの距離を大きくとれるサイホン排水システム(ミライフル)でしょう。
https://www.proud-web.jp/proud/will/mi-liful/ (野村のページ)

どちらもなかなかな工夫ですから、ウゴクロ側も実際のモデルルームで見てみたかったですね。【別展示で体験はできます】

真上から平面図でみるとオーバル形をしていて革新的ともいえるこちら、立面図でみてみると、長谷工の郊外などにあるマンションの羊羹輪切り方式の設計でごく平凡というかありふれています。ガーデンコートの2-14階の1階14戸の平均的なスパン(部屋の東西方向の平均的な間口)は6.27mに過ぎません。スパンは6m台前半になるとちょっと厳しい。

最上階など高層階を除くと1つの階が使っている高さ(階高)は3mぎりぎりというのもごく普通の長谷工の設定です。これで床を二重化したら天井が厳しいのではというのも予想されるところ。(約1/400を正確だと信じて立面図で測った11階までの高さはぎりぎりで1階あたり3mを切っているような・・・)

スパンが足りない場合”田の字”型の間取りにして内開きのドアをつけると子供部屋に使うかでベッドと机をいれるとドアを開けるとそれにぶつかるようになりますから、引き戸を利用するケースはあり、このマンションも殆どの住戸で居室は引き戸です。

全戸平均での面積は71.3㎡。ガーデンコートの平均的な間取りのスパンで割り算すると部屋の南北方向の奥行は12m弱ほどになります。構造的に途中になにもいれずに梁でささえられる長さの上限に近い。真四角に作っていても、外廊下側の柱は部屋に食い込むことの多い長谷工のこと(食い込んでいる柱も専有面積に含む)、オーバル型にあわせだんだんに柱の位置をずらしていくと、構造の専有部への影響が大きいのでは?と危惧される。

外から見て恰好がよくても、毎日丸い建物の中に暮らしているんだと意識するのはあんまりうれしくない。

結論から書いてしまえば、11階までの天井高さは2.45m(せめて遮音面でも有利な直床にすればもう少しいけただろうに…拘るのは実は首都圏の人だけ)と分譲用としては低めになるほか、どうしても柱が食い込んでいる間取りが目だちます。

余計な建築面積は作らないのが長谷工のコスト削減の要諦。このマンションは200%の容積率は99.9% まで使いった上で、その94.8%までを専有面積(33664㎡)にしています。つまり容積率対象の共用部面積は駐輪場の参入除外を使っても5%ちょっとしかない。この合わせ技で1戸あたりの建築面積は93.6㎡だけで済ませています。

このあたりの数字も長谷工の郊外型の板型マンションではごく普通のものです。ずっと郊外のうちのマンションは建築面積は1戸あたり130㎡(ポーチとかある)で容積率対象面積中「専有部として販売されなかった」面積割合が10%を超えます。
率直な感想はずいぶん詰め詰めにしたなぁというもの。ゲストルームも1つだけ。

オーバル型ということを除けば実はごく普通のマンションなのでは?

構造面をかなりコンベンショナルに作った一方で、狙う価格は1㎡100万円オーバーだとなると、あとは中を製販一体の強みで”ライバルよりちょっと豪華に”作って差別化する「野村マジック」でカバーするしかありません。さてどうなっているのかは興味のもたれるとことろでもうモデルルームを実際に見てみるしかない。

モデルルームは王様住戸1戸だけ?!

越中島もそうでしたが、かなりな戸数にも関わらずモデルルームに作られた部屋は1戸分だけというのが最近の野村の売り方。モデルルームって高くつくもので1つ減らせれば多少VRの機器を買っても数千万は浮くのだと越中島の担当者がおっしゃっていました。
1戸あたり数万円の桁ですが、そこまで頑張らないといけないとはねぇ・・・

ここは最上階の1.3億円見当だかの王様住戸だけにした上で、設計変更やらオプションをどうみても1千万円コースでつけまくっているから、普通に素のままで買ったらどうなのかを想像することは常人には困難です。全員合わせて数千箇所のMR訪問経験のあるブロガー連が???とかなっていましたからこの印象を持ったのは私だけではない。

この部屋の本来の素のままの姿はこちら:



でモデルルームはこう作ってある:



数字のついているとこが元から変わったところ・・・というか変わってないところがない。スムログのブロガー陣もおー風呂だけはそのままだとか思っていたんですが、実は変わってましたね。

モデルルームってなんのためにあるのでしょう? 

売主からみたら香水でも売るようなセレブな気分になってもらって”勢いで”売れればそれでいいのかもしれません。

一方で、湾岸を検討に来るのは1本半ばくらいの世帯年収で、車をあきらめてでも利便性を選ぶ2馬力でフルタイム共稼ぎの夫婦が典型的な購入者層です。
検討者が見たいのは、
 - 構造の影響がどの程度専有部にでているかと
 - 素に近い状態で室内空間をどう感じるか
であって、来る人の殆どは真剣なものだと思います。

1部屋なら普通に7000-8000万だせば買える部屋は素のままならどうなのか見せるべきで、王様住戸だけというのはすくなくとも購入者目線とは外れているんじゃないか?

1部屋しか作らないならOptionの展示スペースとしての意味が強くなりますから、ある程度オプション満載艦なのは仕方ない部分もあります。一方で室内空間の基本の部分を、元が想像できなほどに変えちゃうのはどうでしょう。

〇実はこの間取り、最上階設定なのですが、北側の主寝室の梁下の高さは185cmくらいしかありません。背の高いブロガーが実際に頭がぶつかるのを確認していましたから。しかもお隣の柱が建物が丸いのに合わせてより室内側によっているのを反映して梁下いなる下がり天井の範囲は、東(図の右側)にいくほど大きくなります。つまりこの部屋にいるだけで自分が丸い建物の中にいることが分かる。
… MR図面だけでなく、配っている図面集にもCH=****mm といった下がり天井表記がないのみならず(これは常に表記があるのは三井くらいかな)、下がり天井範囲の点線も入っていない状態で検討しろは厳しい。

〇この部屋素のままだと、北側の洋室は2つとも引き戸です。両方ドアにつけかえちゃったら引き戸が、廉価版の下にレールのついたやつなのかどうかがわからない。実は引き戸のほうがいろんな仕様があるから確認したいものなのですが。どこにもないから確認のしようがないわけです。

〇元のままだと洗面化粧室が狭く感じるからで大きく設計変更して、洗面スペースの向きが南北ひっくり返っています。これリフォームでやるならともかく、かなり作り替えは高額な筈で実際にこう変える人がいますかね。こっちがいいなら最初からそう作ったほうがよくないですか?

〇大手デベの中でも設計基準書でリビングに大きな収納はつけない会社もあります。その場合でてすぐの廊下とかに家全体用の収納はつけるわけですが、この変更後の間取りでは廊下の収納も、リイング内の小収納もなくしています。掃除機があったらどこにしまうんでしょう・・・ とかで、例えお金もちの老夫婦の住む設定だとしてもこれをそのまんま選ぶ気があまりしないわけです。

1部屋なのは仕方ないとしてももちょっと普通に検討可能な部屋にしないかなぁ。VRで普通の部屋も見られるようになるらしいけど、VRで作る部屋が逆な気もするわけで

マンションマニアさんも同意見みたいですね:



室内空間の差別化ができているかどうかは私には”判定不能”でした。

おまけ

オーバル型で、中はお庭でかっこいいというとこちらの建物を連想しますが、特注の湾曲した巨大ガラスをいれてここまでやれとまでは無論言ってません。勘定してみるとApple本社の建築坪単価は700万円/坪になります。このガラス割ったらいくらするんでしょうねぇ

私のiPhoneのお布施が・・・





どうしても外観が丸い影響は通常の建築単価では建物のほうにでてきてしまうこと自体を私は否定するわけではありません。

管理費などのランニングコストの話にまだ続きます。

!! 重要 !!
本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、勤務先、RJC48も含めその他所属する一切の団体の意見、方針を示すものではありません。

ABOUTこの記事をかいた人

マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。多いはず!! それなのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。世の中に多い管理士系ブログとは一味違う、理事会側から見たマンションの運営を中心テーマに書いていこうと思ってます。

コメントを残す

「コメント」と「名前」は必須項目となります。


※個別物件への質問コメントは他の読者様の参考のためマンションコミュニティの「スムログ出張所」に転載させて頂く場合があります。
※日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)