新築マンションの発売戸数が多い月が分かれば、選択肢が増えるので、自分が気に入った住戸を選びやすくなるのでないか。それは何月なのか、という話。
【もくじ】
◇発売戸数が多い月は?
◇「発売戸数が多い月」に消費税増税は影響するか?
◇予告広告が多い月は?
発売戸数が多い月は?
1年のうちで、新築マンションの発売戸数が多いのは何月頃なのか?不動産経済研究所が毎月中旬に発表している「首都圏マンション市場動向」資料を元に、過去10年間(09~18年)の首都圏新築マンションの発売戸数を月別に集計し、可視化したのが次図。
過去10年間平均(09~18年)で見ると、12月がダントツで多いことが分かる。直近3年間(16・17・18年)のデータで見ても、12月の発売戸数は年平均の2倍を超えている。
ただ、 12月の発売住戸がすべて第1期の戸数とは限らないことに要留意(第1期の住戸から選択することが望ましいという意見もある)。
「発売戸数が多い月」に消費税増税は影響するか?
不動産経済研究所が18年12月20日に発表した資料によれば、19年の首都圏新築マンションの供給戸数は、18年(3.67万戸)よりも0.8%多い3.7万戸と予測されている。「2019年首都圏マンション市場予測|3.7万戸が天井!?」より
3.67万戸(18年)も3.7万戸(19年予測)のほとんど同じと見ていいだろう。ただ、18年との違いは、19年10月に消費税増税が予定されていることだ。消費税増税が月別発売戸数に与える影響はどの程度あるのか? 首都圏新築マンション発売戸数の経年変化を可視化したグラフから興味深い事象が見えてくる(次図)。
今回の消費税増税(8⇒10%)の導入時期は19年10月1日(リーマンショック級の経済危機が起こらない限り)とされている。19年3月31日までに契約が完了していれば、引き渡しが19年10月1日以降であっても、経過措置として旧消費税率8%が適用される。
前回の消費税増税(5⇒8%)の導入時期は14年4月1日だった。消費税増税前の税率が適用される期限(13年9月)に発売戸数が急増しているものの(下図のピンク色部分)、同年12月の発売戸数には全く届いていない。
今回も前回同様、消費税増税導入前に発売戸数が急増したとしても、1年を通じて12月の発売戸数がダントツに多いことに変わりはないのではないか。しかも今回、政府は消費税増税による落ち込みを緩和するために非課税枠の拡大などの対策を講じている。
予告広告が多い月は?
新築マンションが発売開始になる前に、予告広告で情報をキャッチすることは欠かせない。では、予告広告が多いのは何月頃なのか?
予告広告を出せるのは、建築確認が下りてから(不動産の表示に関する公正競争規約 第5条)。「建築確認が下りる時期」≒「着工時期」なので、1年を通してマンションの着工戸数が多い月を調べてみよう。
国交省が毎月末に公表している住宅着工統計データを元に、過去10年間(09~18年)の首都圏新築マンションの着工戸数を月別に集計し、可視化したのが次図。過去10年間平均(09~18年)で見ると、1・2月、4~6月に多いことが確認できる。
では、1・2月、4~6月に出た予告広告で情報収集し、発売開始時期をただ待っていればいいのかといえば、現実はそうもいかないようだ。
発売開始時期をただ待っていたのでは、正直者はバカを見ることになるかもしれないからだ。業界ルールでは、発売開始前に予約申込や申込み順位の確保が禁止されているのだが(不動産の表示に関する公正競争規約 施行規則 第5条)、実際にはフライングが常態化している……。
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