マンションポエム(東京23区編)に続き、関西のマンションポエムについても調べてみた。
関西弁のマンションポエムは無かったが、印象深いマンションポエムが……。
【もくじ】
◇特徴語上位10語比較(関東vs関西)
◇関西弁のマンションポエムは無かったが…
◇京都は23区に近く、大阪は千葉・埼玉に近い!?
特徴語上位10語比較(関東vs関西)
調査対象としたのはSUUMOに掲載されている、大阪市・京都市・神戸市の新築マンション184件(19年2月3日現在)のうち、マンションポエムの元になりそうなキャッチコピーが掲載されている144件(78%)。23区のときと同様、テキストマイニングができるフリーソフト「KH Coder」を使って、地域ごとに抽出した特徴的な言葉(特徴語)のうち上位10語を次表に示す。地域ごとの共通点/相違点が確認できる。
23区と関西3都市の共通点は、いずれも上位に地名が入っていること(黄色)。大阪・神戸・千葉には「暮らし/暮らす」が上位に入っているが、他の地点には入っていない。
大阪の1位は「都心」。都心とは、「大都会の中心部。特に、東京都の中心部」(デジタル大辞泉より)。東京に対する大阪人の対抗意識をくすぐる効果を狙ったマンションポエムか……。
関西弁のマンションポエムは無かったが…
関西(大阪市・京都市・神戸市)のマンションポエム144件をつぶさに見ていて、最も不思議に感じたのは、関西弁のマンションポエムが皆無であること。「駅からごっつう近いんで、通勤が便利やでぇ」とか「緑がぎょうさんある、閑静な私邸がおまっ!」とか謳っても、販促効果が得られないということなのだろうか。
関西弁のマンションポエムが無い代わりに、地名を活かした印象深いマンションポエムがいくつか観測された。
(大阪市)
- バルコニーから大阪城を愛でる暮らし。(パークリュクス大阪天満)
- 大社に寄り添い、駅前に暮らす。(リビオ住吉大社駅前)
- 四天王寺を間近に見晴らす、壮麗な眺めを日常に。(パークホームズ四天王寺東大門)
- 御所の西、右近に座す。(アトラス京都御所西)
- 京都・下鴨神社。神代の昔から崇められた杜と住む。(J.GRANTHEHONOR下鴨糺の杜)
- 太秦の本流を紡ぐ邸。(エスリード太秦レジデンス)
- 暮らしが深呼吸する、六甲山手。(リビオ六甲THEHILLS)
- 三宮の進化が未来を変える。(ザ・パークハウス神戸三宮)
- その存在感は、北野エリア・異人館通りの先に(ワコーレ神戸山本通ベルヴェツィオ)
京都は23区に近く、大阪は千葉・埼玉に近い!?
対応分析(コレスポンデンス分析)の結果を次図に示す。特徴語の上位60語を可視化することで、マンションポエムの地域的な特徴の理解が進むことが期待できる。対応分析結果の解釈の仕方は色々ある。横軸・縦軸の意味をどのように解釈するかが分析者の腕の見せ所だ。
京都のポジションは23区に近く、大阪のポジションは千葉・埼玉に近い。これは何を示唆しているのか?
縦軸は「時間」軸を表しているだけでなく、ひょっとして「中心性」あるいは「成熟度」のような意味も表しているのではないのだろうか。京都は古都、23区は現在の都。それに対して、大阪・神戸・千葉・埼玉はローカル(おっと失礼!)。
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