マンション探しにおける人気テーマ「職住近接」
ご無沙汰しています。スムログ内では更新しないブロガーとしてすっかり定着し、忘年会でつっこまれるのも定番になってしまった部長です。
ただ、そんな私も昨年の忘年会で更新数をコミットしてしまったので、今年は地味ながらも少しづつ更新していきます。
ということで早速ですが、
今回は「職住近接」というテーマで書いてみたいと思います。
昨今、マンション購入において、よく聞かれるようになった「職住近接」というワード。
一般的にイメージする「職住近接」といえば、例えば東京なら山手線の内側や、その周辺の「都心好立地」に住まいを構え、オフィスと自宅の往復は、東京メトロやJRの乗り継ぎで完結するようなイメージかと思います。中にはチャリ通勤という人もいますよね。
パワーカップルと呼ばれる高所得世帯の人たちも「職住近接」の志向は強いかと思います。
シェアオフィスの増加で、今後は「”郊外型”職住近接 」や「”住宅地内”職住近接」が増えていく!?
そんな中、働き方改革などを背景に、少しづつ増えてきそうだなーと思うのが、こんなパターンです。―――――――――――――――――――――――――――
①郊外に自宅+郊外の(自宅近くの)オフィスに出社という「 “郊外型” 職住近接」
②(通常、オフィスを作らないような)住宅地内で自宅とオフィスが完結する「”住宅地内” 職住近接」
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これを実現するのがここ数年で一気に増えてきた「シェアオフィス」です。
【シェアオフィスとは?】
ひとつの空間を複数社でシェアするオフィス形態。
受付や会議室など常時使わない空間もシェアする事で運営コストが下がり、一般のオフィスに比べて安く借りれるメリットがある。
働き方改革の流れなどを受けて、ここ数年でシェアオフィスの拠点数、及び利用者数も伸びている。
>>(参考)シェアオフィス・レンタルオフィス
ソフトバンクが出資し、豊富な資金を元に拠点を拡大させているWeWorkが有名ですが、マンション探しで私たちにとっても馴染みの深い不動産各社も次々と展開しています。
例えば、三井不動産や三菱地所などの大手不動産会社もシェアオフィス拠点を増やしています。
三井不動産はワークスタイリングという名称でテレビCMも実施し、東京ミッドタウン、ミッドタウン日比谷などのランドマーク施設にも展開しています。
今までのシェアオフィスは、渋谷駅、新宿駅、品川駅、東京駅などの都心主要駅から徒歩数分の場所に作られるケースがほとんどでした。
そんな中、郊外や住宅地にOPENするケースも少しづつ出てきました。
小田急電鉄×小田急不動産「ネスティングパーク黒川」
例えば、小田急電鉄×小田急不動産の「ネスティングパーク黒川」これは、 「シェアオフィスを核とした複合施設」で小田急多摩線「黒川」駅徒歩1分に誕生します。
黒川駅周辺には、栗木台地区の住宅のほか、企業の研究所や先端工場が進出する川崎市マイコンシティがあり、自然も多く残る職住が近接するエリアだそうです。
郊外含め複数のオフィスを自由に使える会員型サービス。
日経オフィスパス、東急電鉄NewWork
複数のオフィスを定額制で自由に使えるサービスも出ています。日経オフィスパスは、月額14,980円で全国200箇所以上のオフィスを使いたい放題。
そして東急電鉄のNewWorkも同様のコンセプトで月額30,000円でオフィス使いたい放題です。
両サービスとも使った分だけ支払う「従量課金プラン」も用意されています。
日経オフィスパス、東急電鉄NewWorkは郊外にも対応しており大手法人の利用も増えてきているようです。
多数のオフィスが使えるわけですから、例えば、今日は自宅近くのこのオフィスで仕事をして、明日は打ち合わせ後に取引先近くの渋谷のオフィスで残務処理をして、、、のようなワークスタイルが実現するわけです。
外回りの営業マンや直行直帰のビジネスマンにとってはかなり効率的ですよね。
これって、従来のオフィスの概念を覆す、新しい動きだと思うんですが、こういうのが出てくると、職住近接の在り方も変わってきそうです。
「住宅地」に誕生した職住近接型レンタルオフィス「MID POINT目黒不動前」
続いては「住宅地」にオフィスを作ったというケース。「イニシア高輪プレシアスコート」をはじめとした「イニシア」ブランドでマンションを展開するコスモスイニシアは、「職住近接」をコンセプトとしたレンタルオフィスを2018年より展開しています。
第一弾として「不動前」に「MID POINT目黒不動前」を誕生させており、こちらはコンシェルジュ常駐、キッチン&テラス完備のレンタルオフィス。
このケースにおいては、目黒駅、五反田駅から徒歩数分という場所ではなく、あえて住宅地としての色が強い「不動前」に作ったのがポイントかと思います。
後述する「政府の規制緩和」の動きもあり、住宅地にシェアオフィスというケースは増えてきそうです。
不動前から一駅の武蔵小山では、「パークシティ武蔵小山ザ タワー」や「シティタワー武蔵小山」が誕生しパワーカップル人口も増えるでしょうし、世の流れ的に周辺エリアでのシェアオフィス・コワーキングスペースも増えてきそうです。
政府が職住近接に向けて規制緩和
政府も「職住近接」を進めるための法整備を進めているようです。用途地域が「住居専用」の場合、当然ですが、基本は住居施設を作ることしかできません。
ただ今後は、届け出を出せばシェアオフィスやサテライトオフィスとして利用できるように法改正しようとしています。(2019年中の施行を目指しているようです)
これによって例えば、空き家や廃校となった校舎を活用し、シェアオフィスやサテライトオフィスを作れるようになるそうです。
(参考記事)住宅地にシェアオフィス 職住近接へ規制緩和
将来的にはサラリーマンも”自宅近くのシェアオフィスで仕事”というケースも増えてくる!?
シェアオフィスというと、フリーランス・自営業者、小規模会社が使うイメージが強いですが、最近では中小~大企業が利用するケースも増えています。育児、親の介護などで人によっては出社が難しいケースもありますし、通勤ラッシュ・電車移動は生産性を下げているのも事実です。
今の時代、業種や職種によっては打ち合わせはテレビ会議、普段の仕事もパソコンで完結できるケースも多いはずです。
なので、最近では会社が社員のためにシェアオフィスを借りてあげて、社員は会社に出社せず、自宅近くのシェアオフィスで仕事をする、というワークスタイルが出てきています。
特に大企業は規模がデカく「効率性」が課題だけに、取り組みが増えているような気がします。
まとめ
大規模マンションの共用設備ではちょっとした仕事をする時に使える「スタディールーム」を設置するケースも見受けられます。また、住友不動産は晴海のドゥ・トゥールで分譲マンションと共に「SOHOプラン」のフロアも作るなど、「住む場所」と「働く場所」がどんどん近くなってる気がします。
不動産高騰で都心一等地の職住近接が実現しにくくなっている今、シェアオフィスという新しいオフィス形態によって「”郊外型”職住近接」「”住宅地型”職住近接」も増えてくるかもしれません。
まあ、このあたりは「どういう生き方を望むか」と「お財布事情」によると思いますが。
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