フリーペーパー「SUUMO新築マンション(首都圏版)」の特集記事のタイトル。長年観測しているとずいぶんと変わってきたように感じている。
過去8年分(393冊)の特集記事のタイトルを分析してみた。
【もくじ】
◇特集記事は「おカネ」と「住む場所」の話題が中心
◇特集記事は「おカネ」から「住む場所」に変化
◇モノを売らずにコトを売る…
特集記事は「おカネ」と「住む場所」の話題が中心
テキストマイニングができるフリーソフト「KH Coder」を使って、共起ネットワーク分析をやってみた。この分析によって、どんな言葉が多く出てきていて、どの言葉とどの言葉が一緒に使われているのかを探ることができる。特徴のある言葉(以下、「特徴語」)上位60語を対象に、共起ネットワーク分析した結果を次図に示す。
色で分けられたネットワークの言葉を見て、筆者がエイヤっと付けた小見出しは、「おカネの話題」「住む場所の話題」「間取り・設備の話題」。
円の大きさは「特徴語」の頻度の高さを表すことから、特集記事では「おカネの話題」や「住む場所の話題」が数多く取り上げられている一方で、マンション本体の「間取り・設備の話題」についてはあまり取り上げられていないということが分かる。
特集記事は「おカネ」から「住む場所」に変化
「KH Coder」を使って、年度ごとに抽出した特徴語のうち、上位10語を次表に示す。11~14年度は、「年収別」や「お金」、「価格」や「額」といった、おカネにまつわる言葉が上位を占めている。
15年度から18年度に向かうにつれて、「おカネ」にまつわる言葉が下位になり、「首都圏」や「街」、「東京23」や「住む」といった「住む場所」にまつわる言葉が上位になっている。
モノを売らずにコトを売る…
なぜ、SUUMOの特集記事は「おカネ」から「住む場所」に変化してきたのか?上表に、不動産経済研究所が定期的に公表している首都圏新築マンションの分譲価格のトレンドを重ねてみたのが次図。
分譲価格が上昇するにつれて、SUUMOの特集記事が「おカネ」から「住む場所」に変化しているように見えないか。
マンション価格が高騰し庶民には手も足も出なくなったので、おカネの話は横に置いといて、まず、「住む場所」にまつわる特集記事で読者の興味を引こうということなのではないだろうか。
できる営業マンは、モノを売らずにコトを売る……。
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