入居前(管理組合の成立前)に駐車場の契約率が非常に低いために一般会計に赤字が見込まれるため、管理費を2000円ほど上げるのに”同意書”を求められた案件への質問。くだんのマンション一時期凄く某匿名掲示板が盛り上がっていて炎上状態でした。説明会が開催されるげでようやく落ち着いてきたところなのですが。
どこかわかるからちょっと・・・とかスムログメンバーでやりとりしていたら、
のらえもん曰く
「いつも不燃物のはるぶーさん、たまには炎上したらどうですか?」
(メールのまま:鬼や)
とか、スムログのやまちゃんとか言う鬼担当者が打診棒片手にさっさと返事を書け!とか脅かしてきたのでここはあっさりお便り返しです。管理設定ネタなのではるぶーから。
質問は
差出人: たろう
メッセージ本文:
はじめまして!宜しくお願い致します。
マンション購入後の質問になります。
新築マンションを購入し完成を待っていたのですが、
完成前に管理費が上がってしまいます。
売主からの説明は購入時より入居予定者の車所持率が低く、駐車場利用者が見込めないようで駐車場を駐輪場へ変更するため、当初より管理費が2千円程上がることになりそうです。
同意書が先日きていて、2千円多く支払うのは当初からすれば計算外ですが、我が家は車を今後持つ気もないので駐輪場にした方が良いと思い同意しました。
しかし他の入居予定者で同意書を出していない人も多いようです。
この場合は売主に従うしかないものなんでしょうか…?
結果からいえば
まだ、売主ー契約者の関係で管理組合ー区分所有者の関係ではありませんから、売主が書いてきた”同意書”の内容にもよりますが、もちろん”同意”するかどうかは個々人の自由です。管理費がいくらであるかなどが、契約内容の一部であるとすれば、勝手変更にあたるから、”同意書”の提出は見送って、契約解除への含みを現段階では残すのもありだとは思います。私としては少し気になるのは「同意書」という書面の名称と中身です。単に2000円の管理費のアップだけではなく、共用部の変更への賛成を求める内容なのかどうかですね。
駐車場の数とかは契約内容である原始規約等の記載内容で、確か余った駐車場はつぶして足りない駐輪場に振り替えるという大変更との合わせ技だったかと。
同意書と承諾書って私は理事会活動ではわりときちんと使い分けていて、
同意書≡賛成する
承諾書≡(しぶしぶでも)聞き入れる
だと思っているから、私だったら管理費の値上げには承諾はしても同意書という名称の書面は”同意する”範囲が明確になっていなければ気軽には出さないと思います。
だってあなた賛成だったでしょと言われるのもどうかなぁとは。
”売主に従うしかない”ことはありません。あくまでも、たろうさん個人と売主さんとの間の関係ですから。これで倍返しは無理ですが、手付は返せ契約解除だは受けてもらえる”可能性はある”とは思います。ただそれで次どこいくかはこれだけの上げ相場のなかでは難しく、たろうさんのマンションはもともと、価格も管理費も割安な設定ですので(EVが沢山、植栽が多いなどでもともとよくこの値段で管理できるなと思ってました)私がたろうさんなら多分契約は継続します。
”同意しなくても入居”してしまえば、管理組合と組合員の間の問題になります。本件、もめたまま納得できない人が組合に残ってしまうなら、設立総会ででも”確認決議”をとってしまえば、過半数なり3/4で可決されてしまうわけで、納得できないとする人の割合がどうかということになり、下記の理由で、きちんと”同意書”をとりまとめて圧倒的な割合にしてから管理組合に引き渡したいとする売主の姿勢は妥当に思います。
売主の対応は”志が高い”と思います
本件、もっと志の低い3流の売主・管理会社であれば、知らんぷりしてそのまま引き渡してしまったと思います。管理費会計に穴が開いたのは、予定した契約率(ほぼ都の条例での最低設置基準ぎりぎりだった筈です)に契約台数が達しなかったからでそんなことはざらに起こります。一般会計に穴があいたからといって補填する義務は売主にも管理会社にもありませんから、管理組合が立ち上がったところで、しれっと「赤字ですので管理費をどうするかご検討下さい」と管理会社から言っても全く構わないからです。本来管理費の問題は管理組合で解決すべきものです。積立金が足りてないのは売主の設定が悪い!で訴えても勝ち目はないのと一緒かと。その場合、立ち上がったばかりで下手すると輪番ばかりで指名された理事による理事会が、駐車場代の値上げ、用途変更などを延々と総会で可決しなければならなくなります。多分大きな用途変更は、3/4の特別決議になりますし、駐車場を撤去して、駐輪場を入れる工事というのもかなり高額ですが、引き渡されtしまえばその資金ぐりも組合マターになりかねません。
殆どのオーナーさんは、管理費も積立金も税金みたいに考えていて、上がるかどうかしか気にしませんから、この場合理事会なにも悪くないのに、批判の矢面に立たされるのは初代理事会の人がかわいそうだなと私は思うのです。
自分で泥をかぶって、これを防いで、解決策を提示している売主さんの姿勢は私は高く評価しますし、いやダメだといったところで、今提示されている以上のよりよい”落としどころ”を思いつく人がいるとも思えないのです。
私の経験
一期に理事長になった私、2期目の想定予算案を見て目が点に。駐車場の契約率が低くてなんと2台駐車場が解約されると、一般会計は単年度で赤字転落という収入≡確定している支出という状態だったからです。組合理事会に裁量的経費0では、なにもお金のかかる対策はできないなか、駐車場の一時利用の有償化や保険の積立式への切り替え、電気の契約方式の変更など矢継ぎ早にいくつもの改革案を、設立総会からわずか数か月で臨時総会をして提案することになりました。
駐輪場も不足していたのを、数百万かけて、地下駐車場の車をどけて、そこにバイクを移動して、空いたスペースに120台ほどの平置きの駐輪場を作ったのですが、3期目とかにまで解決は伸びました。どんどん支出は伸びてくる(建物の修理にお金がかからないのは最初の2年だけです)なかずっと収入~支出に近い”理事会が裁量的に使えるお金がない”理事会運営を5年近く強いられることになり、その間はつらかったですね。
管理費会計は収入と支出の間にざっと1割程度の余裕がないと、植栽が腐ってきてもなにもできないとかなりがちなので、元々管理費会計には少し余裕が最初からあるほうが望ましいわけです。
私がそのマンションの理事長とかを勤めることになるのであったら・・・管理費の初期設定を2000円アップしてくれていたことにとても感謝すると思います。
とても苦労しましたが、今は毎年かなりの黒字があるので、こんな感じで花を飾って、桜咲きました・・・とかやれるようになりました。はるぶー当人としては隔世の感があるというか、今理事会をやっている理事の人は使えるお金が沢山あっていいなぁとか。お金はあったらあったで何に使うかでまたもめるんですけどね。
<桜の花が咲きました>
おまけ
管理費の一般会計にも適切な範囲での黒字は必須です。 そんなこんなの苦労をダイヤモンド社の方が取材に来たので話したのが、今日ムックになって発売されています。うちの理事長が取材受けするとハートフルな話に、私は管理するダースベーダーとか言われていますから、数字とガバナンスの話ばかりで、今回は私の対応です。先進的なとりくみをしているマンションの理事長さんを何人か、編集部のご紹介させていただいたので、記事が楽しみです。 よかったら
<ダイヤモンド社のムック>
<私のマンションの紹介記事をはしっこだけ>
月2000円ってのはうちは500戸なのでうちに換算すると月100万円で年1200万円に相当します。10年かけてできた収支の改善がムックの通り3600万円ほどですから、1年や2年理事会が頑張ってすぐ埋められるような穴ではありません。まず管理費を改定するのに苦労しまくった私としては大賛成。理事会のくらう批判を、ここの売主さんは受ける決心をしたわけですから。
なお・・・駐車場の外部貸しをすると、税金払ったりの経費の按分計算とかで結構難しいこともあるのですが、これはまたそのうち。
今度こそしばらくお便り返しお休みします
ご指名の2期目立候補の準備編・・・2年アフターがきびしそうですね
中規模マンションの地区自治会からの脱退の可否
・・・損得だけではない話なので、新調にが私の意見です
あたりは、今議案書で大変なので、4月になってから。
他指名されても対応は4月以降です。ご了承くださいませ。
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本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、勤務先、RJC48も含めその他所属する一切の団体の意見、方針を示すものではありません。
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