しばらく前に、こんなご質問を頂いてました。
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【お名前/ハンドルネーム】:ヤマ
【質問やお便りの内容】:マンション売却の際の業者選びについて
6年前に買った首都圏の新築マンションを売却予定です。そのため一括検索サイトから業者見積もりをして、一般or専任媒介で売却活動をする予定です。
そこで質問ですが、業者をどうやって選べば良いでしょうか?
査定額の高さだけで選ぶと囲い込みのリスクがあると言われています。
また、専任媒介の場合は大手の業者か地元の業者かどちらの方がいいでしょうか?
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なるほど、6年前に買った新築マンションなら手残りが発生しそうですね。
質問を、1:不動産一括査定サイトの利用について、2:業者の選び方
に分けて考えてみましょうか。
不動産一括査定サイトのビジネスモデル
彼らのビジネスモデルを考えてみましょう。物件売却を希望する方は、インターネット上のサイトにある、一括査定サイトにおおまかな物件情報を入力します。一括査定サイトは、業者によって違うのですが概ね4〜6社、場合によってはもっとの会社に査定を出すかの打診をします。
一括査定サイトは、実際に売却希望者の情報を参照する場合、だいたい1〜1.5万円を払います。そうです、「物件を売却したい人の情報」は1社あたり1〜1.5万円で売れるのです。この理屈なら一括査定サイトは何十社にも声をかけたほうがいいのですが、そうすると、不動産仲介店側にメリットが無くなるので、どんなに多くても10社程度までにとどめています。
ということで、1.5万円を払った業者※は元を取ろうとして、「ウチに任せてください!」と同時に何社からも来るわけです。
まったく同じビジネスモデルに車の一括査定サイトがありますが、こちらと違うのは、車の査定はその場で即買い取りなのに対し、不動産仲介店にとっては「売却媒介を獲得するための査定」でしかないということです。この査定は強気でも弱気でもいいのですが、査定額以外で実力を図ろうにもなかなか普通の人にはわからないのです。
強気の査定、例えばいいところ5,000万円程度で売れる相場の物件に対して、6,500万円の提示をしたところで、まったく問題は無いのです。もちろん相応の根拠はある程度ないとダメなのですが。相場より高い値段で買い側の客を見つけるノウハウなんてあれば、即広まります。
できるだけきれいな写真を取ること、引きのあるアピールポイントを的確に表現すること、物件の内覧についてアドバイスがあればすること、そして何より”囲い込み”をしないこと・・・
なのですが、査定書で囲い込みをしない業者なんてわかるはずがありません。となると、この図で得をするのは唯一、一括査定サイト業者だけのような気がします。
※売却希望者が全部から査定書をもらっても媒介契約に必ず移行するとは限らず、10回査定して1回ヒットするくらいの確率となります。となると、1媒介契約獲得の見込み単価は10〜15万円となります。
不動産仲介店選びのコツは?
ぶっちゃけ、ほぼ無い笑スムログをご覧の皆さんは、基本的にマンション住まいだと思われます。ここでは、首都圏のマンション売却について考えてみたいと思います。3つにパターンが分かれると思います。
- 都心ブランドエリアで高い値段が付きそうな物件
- 湾岸を代表とする取引事例が多いエリアの物件
- 外からの人気がさほどない場所
2の取引事例が多いエリアですが、これは2社、マックス3社で一般媒介で頼むのが一番良い気がします。あまり多くの会社に声をかけても意味がありません。一般媒介なら囲い込みしても原則無駄だとわかっているので、囲い込みもされません。
では、どういう基準で2社を選定するかといえば、「エリアをメインで担当している大手不動産仲介店」と「そのエリアの地場仲介」に1社づつ頼む、ことをおすすめします。大手不動産仲介店に頼んでも、基本的に横並びですが集客力はありますので、そこからの集客に期待します。エリアの地場仲介でもう一社頼む理由としては、地元富裕層などの掘り起こしに期待するからです。大手仲介店の営業マンは転勤がありますが、地場業者は転勤がありません。彼らは、管理物件の積み重ねなどで地元で付き合いが長く、大手にはない顧客を抱えている可能性があります。
もちろん、どちらかに専任で任せてもいいとは思いますが、「囲い込みはしない」ところにしましょう。「仲介店名+囲い込み」などでググるのもいいかもしれません。
3ですが、これはもう1社に専任で任せて良いかと思います。囲い込まれたとしても、広域から集客を望めませんから、suumoやhomesなど、ポータルサイトへの掲載をしてくれれば、あとはもう見学者が現れるのを待つだけとなります。
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売却をおまかせする仲介店選びの参考になれば幸いです。
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