NHKクローズアップ現代+の取材を受けてー2

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その1はわざと放映の直前にアップしたものですが、その続編は番組を実際に見ての感想です。


クローズアップ現代+の放送はいつもは夜10時からですが、この日は夜8時。45分の延長編ということで、ゴールデンタイムの放映の中で、積立金は長期均等割徴収が望ましいといった話題が扱われたこと自体は多分はじめてで、画期的なことだと思います。

5/30のクローズアップ現代+の放送は、本家本元NHKのほうでかなり詳細にホームページになっていますから、それを引用しておきます。(ホームページになるのを待ってた)

→ クローズアップ現代の5/30の概要はこちら

#この番組の使い方としては、DVDに数分のビデオとして焼いて、”ほーらNHKも均等割が適切だといってます”と『積立金について考える住民説明会』の場で使うのが適当。
TVが言っていることは無条件に正しいと信じる人は多いですから、下手な長い理事の説明より効果があるかも。その場合、デブがでてくる動画部分は、ちょっと公序良俗に反するから出さないほうがよいでしょう。



<”積立金の徴収方式”のとりあげ>



<でも3割も均等積立のマンションってあるかな?>

理事長へアンケ―トでなにやら尖った意見を書いているのは実は、全員理事長の会RJC48の理事長さんです。『管理の悪い一部のマンションは廃墟となって明暗が可視化されよ』はよくNHKでピックアップされましたね。ある意味で画期的です。

のらえもんは今度あったら打診棒

はるぶーの雄姿?をTwitter にアップしてくれたくれた人も結構いたのですが、人によって扱いが・・・

ストゼロちゃん


のらえもん


アゴなど不要です。えらいひとにはそれがわからんのですよ…
じゃなくてのらえもんは今度あったら打診棒でしばく。

最近指摘をすると売り主が三倍速で是正してくれるという”赤い”打診棒を購入したので、さっさく斬れ味?はのらえもんで試すほか、次にTV出演の機会があったら首からぶら下げているとかもうひとひねり考えます。前回出たのは3年前でしたから・・・

その1での予想通り・・・うちのマンションの取り組みの取り上げは、「なにかうまくいかなくて困っている」という感じのものになりました。それがもともと既定路線で、それにあてはめて結構長く話しているものをつないで絵にしていくわけなのでまぁそんなもんかなとは。

理事会の人は迷える子羊ちゃん?

この手の番組で、理事会の人がでてくると、いつも割とお人よしで面倒見のいい理事長さんが、いろいろ苦労しているけど、なかなかうまくいかないで問題が降りかかってくるという「迷える子羊ちゃん」の役割を振られることが多い。

結果として、大抵でてくる理事長さんは顔がモザイクになっていて、声もなんか変えてあるとかでなんかヤバげな感じ。肝心のマンションにもモザイクがかかっているとかで、これは私には耐えがたいです。それなりにマンション愛はあるから、モザイクかかってまで出してほしくはないのが本音です。代わりに私のお腹にはモザイクかけてもよかったかも。首から下は不要というか、さして話の難しい部分は不採用だったから、ずっと見栄えのするうちの理事長に話してもらえばよかった・・・

理事会制度があって、理事会→総会と普通にやっているマンションは、最終的な運営の責任は全部管理組合で負うということです。事業者あつかいで一般消費者としての購入扱いしてもらえないから、典型的な事例では”N●Rパイプほげほげ”とかを思わず買っちゃった組合が後で相談にいっても事実上門前払いですし。

なのでこのフリップには私はかなりの違和感がある。



<違和感ありのフリップ>
逆に本来オーナーの責任をどこかに丸投げして逃げようととしてないかな?と思うわけです。

実はクロ現は不適切コンサルの時も電話取材は長々を受けたのですが、そんなものただみたいな値段を提示する不適切コンサルを採用してひっかかる理事会が一番悪いに決まってるよといったらまぁ没でした。

うちの取り上げも変【やや難解】

うちで5/18にやっていた理事会の様子が中にでてきます。理事会とか総会にカメラが入るのはよくあることなので長くやっている理事は慣れているのですが、期の初回理事会が撮影されるってのは新任の理事さんにはちょっとヘビーだったかも。



<うちのマンションの理事会の様子>

そこで扱われていたのは、NHKのを短くまとめてしまうと、
-7年前に積立金をあげたが
-足場とか値段が上がって、その積立金徴収では初回大規模修繕ができなくなった
ー足場仮設の高騰が工事一回当たり6000万
-3年工事を伸ばせば2000万円/年のアップですむから延ばす方針を理事会で決めた
ってもの。

すばらしい・・・全部間違えてます。(スターウォーズ風)

数時間かけて事前レクチャーしてあったんだけど、前日にシナリオ訊いて、もう修正不能だなと思ったのでよしとしました。なんかうちのマンションやばいの?とか親から電話がかかってきたって理事までいたので、一応きちんと訂正しておきますね。長いから興味のある人だけ:

ーうちの積立金は1戸あたり約200万円あり、別に今すぐ工事をしろといってできないわけじゃない(徴収は現在1戸あたり年24万円です)

・・・BPS(1戸あたり純資産?)というか、1戸あたりの積立金の蓄えは全マンション公開されて積立不足なところダメなマンションとして晒される未来を夢見ています。

ー今11期、10年アフターの指摘を多数売主に出したばかりだし、TVでもでてきた長期修繕計画の大幅な久々の見直しをしているからそれを11期に済ませて、その後で即時大規模修繕にかかったとしても、1年目:設計監理の会社の選定 2年目:劣化診断・実施設計、施工会社の選定 3年目:実際の工事で大規模修繕は3年がかりだから、”初回”の工事は実際のところ14期目より前倒しでは実施できません。
震災復旧とか、アフター対応とかで後ろに後ろに延びてきたせいで、鉄部塗装や、防犯カメラ更新なども1-2年遅れて進行中で、実際のところただちに初回修繕工事に入らないといけないほどの劣化状況ではない。

ー一方、修繕計画を超長期で見直すと、今の徴収水準で今後もやっていくためには、足場をかけて実施する工事の長周期化は今後必要だろうと。つまり2回目以降も後ろに伸ばしたい。うちも足場を下から最上階まで組むことはできない超高層認定のマンションですが、俗にタワーと呼ばれる足場をゴンドラや、リフトクライマーでやるマンションで12年といった短い周期で実際に実施しているところは実際にはかなり少数派です。湾岸とかの2000年台前半のタワーもほぼ全部オリンピック後まで修繕時期を飛ばしている。

ー足場をかけて実施する外壁・屋上防水系の工事周期を12年→15年と延伸してどれだけ安くなるかは、その”最小公倍数”までの年数でみないと分かりません。12/15だと60期まででようやく1回工事回数に差がでるから、そこまでの50年計画でみましょうと。
足場を組んでの工事を最低でも3回は含んでいないと超長期の計画として適当とはいえません。よく普通のマンションでやる12年周期の30年計画だと、30期に設備系(エレベーターや配管)の更新をしたあとすぐにくる36年目の工事に対応できませんから、これに足りるように均等割りでくんでも、6年先に破産なのでよろしく!では現実的とはいえないでしょう。

ー1回工事がなくなって10億円安くなるから、12年周期だと60期までに(今から50年で)80億円、15年周期だと70億円ですむから、60期までで10億円安くなる。単純計算で50年で割り算すると、10億円/50年で2000万/年積立金徴収をセーブできる理屈になる。

・・・TVでは 6000万円/3年=2000万で説明されてますが、実際には10億円/50年。今積立は毎月1000万円集めているわけで、単に目先の工事”だけ”に対応するだけなら6000万円もし不足なら半年後ろ倒しするだけで対応できますし、そもそも初回修繕は何億円も残して超えていく計画なので、”工事できない”は間違いだと説明したけど理解されず。
初回修繕も実施できないような積立徴収をしているマンションなど今時は存在しません。2回目・3回目の実施と、その時点(多くの住民が年金生活者になる)での高額徴収が困難だというのが積立金問題の本質なのですが、ずっと短期的な視点だけで見るのは不適切です。

ー手元に今10億たくわえがあって、年1.2億円あつめていますから、60期70億の計画はそのまま”徴収計画の組み替えなし”に可能。無理に12年とやや過剰と思える周期で実施すると、ショートするのは10億円、年2000万の積立不足は、専有面積4万平米で割り戻すと、40円/㎡/月ほどの積立金のアップになる。今250円でなんとかやっているので初回修繕もやる前から300円近くにアップするのは少し過剰で理事会が住民理解を得るのは難しい。

ー長期修繕計画の見直しで、値段があがったのは、わかりやすく、1回6000万円の足場仮設の値上げ修正で説明しましたが、他にもいろいろ設備系・防災施設などを見直していて、これで上がってきている分はうちの計画では全体の一部でしかない。上で70-80億と書いていううち、4-5回分の工事ですから、そのアップ分はたかだか5会やって3億円分にすぎないわけで、わかりやすくするためで、タワーがテーマだったからといっても、うちの修繕計画案で”変わった”部分は足場だけではない。

まぁ・・・これを完全に理解して貰えたとしても、普通のTV番組に理屈が分かるように収めるのは無理でしょう。編集上の都合ということにしておきます。

私は、再度実物よりも、ちょっとだけいい人で、一方で悩める子羊ちゃん風の演出になっているわけです。なんか放映されるたびに、本当はもっとダースベーダー風なのにとか口さがない理事長仲間に言われるのはどうも・・とは思うんだけども。

過去のクローズアップ現代の関連ブログ

実は、クローズアップ現代には3年ほど前にもでていて、スムログにも感想を書いています。このブログのその1も含めて、リンクを貼っておくのでよかったら。

この直前のその1
https://www.sumu-log.com/archives/15884/

3年前にでたときも積立金の値上げネタでした

クローズアップ現代+にでてみて -1
https://www.sumu-log.com/archives/3459/
クローズアップ現代+にでてみて -2
https://www.sumu-log.com/archives/3565/

・・・この時は今回以上に私いいひとな感じ。理由は”シナリオのせい”です。

1年半ほど前の、クロ現”不適切コンサルタント”問題の取材をうけて

不適切コンサルタント問題について
https://www.sumu-log.com/archives/8655/

!! 重要 !!
本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、勤務先、RJC48も含めその他所属する一切の団体の意見、方針を示すものではありません。

 

 

 

ABOUTこの記事をかいた人

マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。多いはず!! それなのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。世の中に多い管理士系ブログとは一味違う、理事会側から見たマンションの運営を中心テーマに書いていこうと思ってます。

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