こんにちは、やまちゃんです。先日、自宅収納の奥底に眠っていたカロリーメイトが賞味期限を3年過ぎていたのですが、食べてみたら全然大丈夫でした。ビンテージ風味といいますか、ちょっと味は違いましたが、全然お腹は壊しませんでした。大塚製薬万歳!
今回のお便り返しです。
差出人:hiro
30代夫婦と子供1人の3人家族です。現在、世田谷区(環7より内側)にある小規模(30戸)のファミリー向けマンションの3LDKが気になっています。
小規模は大規模なマンションと比較してランニングコストなどの面でデメリットがあることは承知していますが、大きな土地があまり売りに出ない地域のため、新築は小規模マンションばかりです。そのため、この地域で検討するのであれば、この規模でもやむ終えないのかなとも感じています。
そこで、小規模マンションのメリットやデメリット、購入する際の注意点、資産性の高い小規模マンションの条件、など教えていただけると幸いです。
ご質問ありがとうございます。回答させて頂きますね。
小規模マンションがランニングコスト面でデメリットがあるかどうかは、「どれくらい小規模か?」という戸数の影響を受けます。
だったら大規模マンションが良いのかと言うと、建物形状だったり付属している共用施設、さらには物件価格(高価格物件=高付加サービス)によって高くなる傾向があります。
実はこの話、物件戸数と管理費の関係を示した記事を、御大はるぶー先生が2年前に詳しく説明されています。まずは、こちらをご参照ください。
引用で掲載されている情報からは(これは管理費の話ですが)、15階~20階建、200戸クラスのマンションが一番コスパいいということになります。
要するに、中規模の板状マンションでしょうね。戸数のスケールメリットありながら豪華な共用施設は付けられないので、なんか分かる気がします。
次に修繕費についてですが、東京都市整備局の統計調査で、戸数別の戸あたり大規模修繕工事費用が公表されています。以下のグラフは別のサイトで、当該情報が纏められたものです。(東京都市整備局の元データを探したのですが、大量にファイルが削除されており見つけられませんでした)
201戸以上のデータが戸数ごとに分類されていないのが残念ですが、100戸を超えてくるとスケールメリットが効いているのが良く分かります。階数による別の記載がありませんが、タワマンになると相対的に高くなることは間違いないでしょう。
hiroさまが検討されている物件は30戸ということで、今の管理修繕費の水準と、修繕積立金がどれくらいあるかは確認ください。
過去の大規模修繕の履歴や施工内容によっていくらでも上下しますが、仮に次回の大規模修繕で戸当り100万円×30戸=3000万円かかるとして、足りないとかカツカツの懐具合なら、近々の値上げ(or 一括徴収)の可能性もあります。
販売上の机上論ですが、ざっくり言うと月々1000円の支払いは約35万円を分割払いするのと同等です。(期間35年、金利1%、元利均等、ボーナス払い0)
つまり修繕費が月々1000円高くなりそうなら、将来、35万円の価格下押し圧力が出ます。月 5000円高くなりそうなら175万円の下げ圧力です。
あくまで万能な考え方ではないことを注釈しますが、外の人は管理の内情を知らないため、単なる価格比較で意思決定もありえます。マンション価格が維持されるかどうか要素の1つとして見ておいて下さい。
そのほか、小規模マンションのデメリットをめちゃくちゃざっくり言ってしまうと、大規模マンションが持つメリットが無いことじゃないでしょうか。
躯体のパッと見の立派さ、豪華な共用玄関、多彩な共用施設、専有部の高仕様、管理サービスなどは大規模の方がどうしても相対優位がありますね。これはもう動かしようがないですが、代わりに小規模は(中古流通市場で)価格安という形でバランスすることが多く、どちらが好きかという問題です。
あとは、ご質問頂いている資産性の高い小規模マンションの条件についてです。
「資産性」や「資産価値」という言葉は定義があいまいです。私は、売り手が買い手に対して、「この物件は高くて当然なんですよ」と価格を正当化するために用いる用語だと考えていますし、「資産性」を別の表現にすると何になるのか、いつも頭の中で置き換えるようにしています。
売主のセールストークにつられて、我々エンドユーザーの頭まで価っ値価値(カッチカチ)になる必要はありません。
もし私が「資産性の高いマンションを買え」と言われれば、単に実質利回りを高く確保できそうで、その残存期待年数が長そうな物件を探します。これを言い換えると、「立地が良いマンションを安く買え」というシンプルな話で、資産性の細かいことはそれ以上あまり気にせず、他のポイントを押さえにいきます。
「資産性」とは「買い値」に依存する変数で、高級マンションでもあまりに高すぎたら資産性は低いですし、ボロアパートでも高利回り確保なら資産性は高いと言えます。1万円札が5000円で売られてたら欲しいですし、2万円で売られていたら要らないですよね。
住宅って、自分が住むから話がややこしくなるんですけども(だから自己居住でボロアパートは買わない)、小規模マンションでも納得できる利回りが長く続きそうなら、「やむを得ない」どころか、全然ありだと思いますよ。対象を中古にすると指値が出来ますから、それが通って買えるかどうかだけでも資産性が変わります。
今探しておられるエリアが固定されているのは、hiroさまに地縁があるとか、血縁者が住んでるとか、育児教育に有利とか、「ここでないといけない」明確な理由がありますよね。
でしたら、資産性の考慮はそこそこにして、「ここでないといけない」ポイントを押さえた方がトータル幸せじゃないでしょうか。
新築マンションの資産性至上主義は、不動産デベロッパーや住宅情報業界の長年の啓蒙活動で作り上げられた常識で、これは業界の功績であり罪でもあると思ってます。
住宅を買うことって、あくまで人生を豊かにするための方法の一つであって、逆に言うと一要素でしかありません。
資産性一辺倒になってしまうと人生全体としてのバランスを欠くように思うんです。夢も希望もないことを言ってしまえば、住宅なんて所詮はただの箱です。
「購入」というアクションで大きなお金が動きますから、すごい高い価値があるように思い込まされてるんですけども、実際は購入した後にどんな生活ができるかの方が大切ですよね。
私は、住宅を選ぶにあたって、特に子供がいる世帯は、資産性よりも地縁、血縁、育児教育を重視した方が人生トータル幸せで、勝手知ったる人間(身内ですね)が物理的に近くに住んで、お互いの元気を確認しあえる環境で楽しくやっていけることに価値があると考えてます。
そのために、想定エリア外の超優良お買い得物件を逃して、両者比較で500万損しようが、1000万円損しようが、大規模でなかろうが、そんなの別にいいじゃんって思うんです、マジで。
(一方で、独身ならゴリゴリの「価っ値価値」でいいと思います。転居したい時に躊躇なくできることは大事)
ご質問いただいた30戸の物件がどんなものかは分かりませんので何とも言えませんが、このエリアにこだわっておられる理由が明確にあって、総合的な合格点を出せるなら、エイヤーで印鑑ついちゃっていいと思いますよ。
以上、ご参考になれば幸いです!
当方からのご回答は、過去にスムログに頂いた古めの質問をピックアップさせて頂いております。特定のケースについてご質問の際、その内容を一般化して多くの方に関係する内容とさせていただく場合があります。また本記事は、当方の個人的な見解・意見であり、その内容に関していかなる責を負うものではありませんので予めご了承下さい。