ブランドマンション化への果て無き挑戦 Vol.4 実際の取り組み2

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11/12豊洲で行った勉強会プレゼンの書き起こしです。
前編はこちらからごらんください。

ブランドマンション化への果て無き挑戦 Vol.3 実際の取り組み1



講演会は30分でした。

先進的なことばかり話しましたが、第1期〜3期までの諸先輩方が大変な苦労をしてコスト削減されています。

任期中は収入の増加や地道な広報なども行っております。詳しくは、こちらをご覧ください。

管理組合が今までやってきた50のこと vol.1
管理組合が今までやってきた50のこと vol.2
管理組合が今までやってきた50のこと vol.3

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前回、ひとつ言い忘れました。

ブリリアマーレ有明では2週に1回、土曜日にライブを開催しておりますが、同日にBAYZのラウンジでも同じ演者で行われています。

演者はダブルヘッダーでBAYZとBMAの2回公演をしていただいている。こうすると、ライブのギャラをシェアすることができるんです。


湾岸タワマンの中で、ウチのバーラウンジもブリリアマーレと同じ運営に入ってほしい、ライブを演ってほしいというマンションがあれば、こちらまでどうぞ
Festa di Napoli

もし、湾岸タワマンの中で、3つ4つ5つと店舗が増えていけば相乗効果で、更に豪華な演者を呼ぶことが出来ます、
イベント回数だって増やすことができるかもしれない。
湾岸エリアの盛り上がりは、互恵関係にあるのでブリリアマーレ有明にとって良い話ですので、ぜひ。

さて、話は講演会の続きに戻ります。



2015年、マンション管理界に黒船が現れました。

この黒船、なんだかおわかりになる方いらっしゃいますか?



民泊です。

airbnbの広まりは急速でした。

実は私も2015年にイタリア旅行でairbnbを使って、世界遺産のすぐそばの2ベッドルームが1泊1万円泊まれる体験に、感動しました。

しかし、家に帰ってみて青くなった。

こんな素敵な仕組みが日本で広がらないわけがない。

2020年に、民泊を利用する人が大挙して私のマンションにやってくるところが、もう容易に想像できたんです。

実は、airbnbについてRJC48の中でも危機感を提起させていただいたのですが、日本最高峰の理事長集団であるRJC内部ですら最初は反応薄かった。



もうこれは世界的な潮流、大波でした。向こうは大義名分を持っている。

「シェアリングエコノミーの推進は日本の将来」「ホテルが圧倒的に不足する、補うのは民泊しか無い」「投資観点で見れば、利回りがアップする」「規制緩和は善だ、規制強化は悪だ」など



まだ民泊の実害もさほど共有されていない時代、世の中民泊が新しいという雰囲気でした。私の危機感を表すとこのスライドです。

アメリカからやって来たとてつもない大波がBMAを飲み込もうとしている。

でも、そんなの関係ない。

がんばって共用施設を運営してきたのに、一見さんの旅行者にぶち壊されたら終わりです。



いろいろ調べて、もうこれは世論工作の域、言葉を使った自衛戦争と理解しました。

ここで役に立ったツールが、マンション公式ブログなんです。マンションの管理組合は自分たちの意見を発信するツールって普通持っていませんが、我々はたまたま当時発信ツールを持っていた。本当に助かった。

我々だけで禁止してもしょうがない。周りのマンションが侵食されたら防ぐことは困難です。

前期総会で管理規約上では民泊を禁止していましたが、理事会決議を取って、民泊の禁止を宣言、管理規約をブログで公開しました。湾岸の周辺タワマンに、これを今すぐパクってくれとお願いしました。

同時に、内閣府、観光庁、国土交通省にも資料を持ってご説明に行ったり電凸したりしました。

あのときは日経新聞が民泊大賛成の推進派で、紙面を読んでいるといまにも民泊が解禁されるぞ、自民党の部会で民泊解禁決まった、などと記事をあげるんですよ。記事が出たらすぐに自民党の先生の事務所に電話しましたね。そうしたら、「部会で決まっていないのに、日経が話を勝手に作る」と言ってました。同じことを国土交通省の官僚も言ってたから、当時の日経新聞は誰かに動かされていたのかもしれません。

民泊の禁止を公言したら、かつて無いほどアクセスがありました。そして、最初に取材を申し込んできたのが当の日経でした。この取材の様子をブログ記事にして、管理規約を公開にしたら、更にアクセスが集中した。ちょうど民泊ってどうよ?という流れがきた時に、分譲マンションで反対という論陣を唯一ブログ上で張っていたから、マスコミや他の管理会社、お役人までみんな読んでくれた。

その後、50社くらいから取材が来たんじゃないかな。海を超えてBBCからも来ましたね。



その後、国が「民泊サービスのあり方に関する検討会」というのを開いていると聞いて、電話かけてお話したんですよ。管理組合からヒアリングしないのはおかしいって。



電話口の課長さん、ブリリアマーレ有明のブログをご存知でした。そしてヒアリング対象にねじ込んでもらったんです。この時用意したスライドがこれ。



細かくは説明しませんが、



この1枚のスライドを誰も論破できなかったんですよ。ちゃんとした規制が必要だってことになった。内閣府の規制改革推進会議に民泊推進派が2人もいたんですよ。彼らは標準管理規約の解釈で民泊OKにしろって主張していたとあとで聞きました。



結論としては、民泊仲介事業者(airbnb)は登録の時に管理規約で民泊が可能になっているかチェックして登録せよ、というルールになった。

我々の主張を完全に取り込んでもらえました。



絵で例えるとこう。



ひとつの管理組合の発信から国を動かして、民泊戦争に勝利する。これほどの勝ち方は無かった。私の理事4年目これに捧げたようなものですが、管理組合の主張で国の政策を動かした。これは日本初だと思いますね。



最後に。うちのマンションは「Brillia Mare 有明 TOWER&GARDEN」という名前です。



GARDEN???



みなさんのタワーマンションも公開空地をお持ちだと思います。私有地でありながら、自分たちの思うように使うことができない土地です。

ブリリアマーレ有明がさらに飛躍しようとするときには、公開空地の活用が重要なテーマになってくる。



そこで、管理組合主導で「東京まちづくり団体」に登録しました。これはお隣のスカイタワーさんを巻き込んで二つの公開空地を一体として使えるように登録することにしました。

これで、いつでもオープンカフェの常設や、有料イベントを開けるようになりました。後で述べますが、これは2020年に必要です。



マンション公開空地のまちづくり団体登録というのは他にもあるそうですが、管理組合主導でかつマンションをまたいだ登録というのは東京初だそうです。



さて、9つの事例を取り上げさせていただきました。

「資産価値日本一」というのは、東京の有明という立地では絶対に無理です。でもがんばれば「住んでみたら楽しそう日本一」にはなれそう、あくまでも主観的な指標だから。



そう、管理費はもはやコストじゃないんです。

BMAというテーマパークに入場するチケット費用だと思ってください。





「日本一」「日本初」と、他では全く行なっていないことを積み重ねる事にこだわったのは理由があって、実績を積み重ねれば確実に露出につながり、「このマンションは特別なんだ」という理事会と住民の一体感が形成されるからです。それは最終的に誇りと愛に結実します。





イノベーター理論というのを聞いたことがあると思います。湾岸の皆さんは、アーリーアダプター層が多いと思います。しかし、我々はここにいてはダメなんです。先ほど皆さんにお見せした、新築の時のムービー、一番最初の言葉です。



“一瞬の隙もなく進化を続ける大都市 そこに住む者は、常に先端を走り未来を追い続ける”

この一節を聞いて買った人が多いマンションなのですから、先行者事例を調べて良いところを取り上げるだけだと、イノベーターにはなれません。



世の中で起きそうな、最初のひとつの事例を作っていかないといけない。我々は、イノベーターの更に先頭、一番前に立つという気概が必要です。この6年間はそうした気持ちで引っ張ってきたという思いがあります。





こうした話、実は他のマンションでもしたことがあるんですが大抵感度が悪い。でもBMAだと、感度が良かったり許されたりします。だから、住民の皆さんに助けられて、今こうして皆さんの前でお話しできる成果があるんです。

「このマンションが最先端」これはもはやブランドです。これは価値があるし死守しないといけない。





もちろん、私一人でできるものではありません。
仲間作りから始めました。「やりたいと思うこと」、「実際に実現すること」これは100万光年の差があります。実現するためには理事の皆さんの協力が必要なのです。



重要なのはこの3つ。1つでも欠けると成功しません。

管理会社というのは、みなさんいまのルールを守ること、今の状態を続けることに長けています。しかし、私の提案はいまのルールを踏み越える。だから、管理会社ひいては売主まで巻き込まないと成功できません。

更には棟内世論形成も必要です。BMAはこういうマンションなんだ、というのをみんなで共有しあわないといけない。



そこで、最後の年に行ったのが、







マンションの文化祭を開きたい!と強く私が言いだしまして。

みなさんの協力を得て、BMA全館を使った10周年イベントを開催しました。ガーデンから最上階まで全部を使って36のコンテンツを集めました。夜中に売主や理事長などとトークショーを開催しましたけど、夜中にもかかわらず最終的に200人くらい来て誰も帰らなかった。それくらい熱気に包まれました。

人が来すぎて、バーラウンジのガラスが曇ったくらいです。



夜中に終わったトークショーの後に、実際に居住者から聞いた感想です。「こんなマンションどこにもない」「ここに住んでいることが誇らしい」「一生住み続けたい」。

みんな輝いた目をして僕にありがとう、と握手しながら言ってくるんです。理事を始めた時は、みんなが我先に脱出したがっていた住民の愛が無かったマンションでも、ここまで仕上げることができた。本当にあの時は感動しましたね。

さて、この章の最後に。



BMAの下には不動産仲介店が入っているので私は彼らにヒアリングできます。仲介店に聞くと、いまやBMAとここのマンションは、ほぼ同額とのことでした。あの時は埋めがたい差があり、豊洲と有明という圧倒的な街力の違いがありながらも、いまや価値としては並ぶことができたんです。

これでようやく満足して、理事を引退することができました。

次回に続く

ABOUTこの記事をかいた人

みなさんはじめまして。 趣味がいつのまにか本業になってしまい、新都市生活研究所という会社を作った「東京湾岸ライフ」といいます

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