NHKが8日間連続で放送した「体感 首都直下地震」(12月1日~12月8日)をご覧になっただろうか。
内閣府が作成した首都直下地震の被害想定(死者2万3千人、全壊・消失家屋61万棟)をリアルな映像で再現したドラマ。最も衝撃的だったのは、高さ200mにも及ぶ火災旋風だ。
大規模地震時の電気火災の発生を抑制するためには、感震ブレーカーが効果的だということは、以前から知っていた。でも、わが家はマンションだし、電気ストーブもないから、感震ブレーカーは必要ないと考えていたがそうではなかった。
なぜ、感震ブレーカーが必要なのか。そしてマン点が設置した感震ブレーカーをご紹介。
【もくじ】
◇なぜ、感震ブレーカーが必要なのか?
◇感震ブレーカーはどのくらい普及しているのか?
◇感震ブレーカーにはどんなタイプがあるのか?
◇マン点が設置した感震ブレーカー
なぜ、感震ブレーカーが必要なのか?
わが家には感震ブレーカーが不要だと考えている人は少なくない。そんな思い込みを打ち砕くQAを、内閣府が公開している「感震ブレーカーの普及に向けた主な論点整理」(PDF:302KB)から3つ抜粋しておこう。
- 自宅に電気ストーブがなければ、電気火災は発生しないのではないか。仮に電気ストーブがあっても冬場しか使用しないので、電気火災が発生する可能性は小さいのではないか。
⇒阪神・淡路大震災、東日本大震災における電気に起因する火災の発生事例によると、電気ストーブや白熱灯等のほか、オーブントースターやオーブンレンジの落下等による出火、電源コードやテーブルタップ等に家具等が転倒することで損傷しショートを起こし出火、家屋が揺れによりひずむことで屋内配線が損傷し出火するなど、必ずしも特定の機器や季節的な利用に出火源が限定されているものではない点が特徴として挙げられる(以下略)。 - (略)耐火構造のマンションなどには不要ではないか。
⇒(略)耐火構造の建物は延焼の危険性は比較的小さいが、各住戸における家具等の転倒に伴う電熱器具等への可燃物の接触や電源コードの損傷等により出火する危険性については同様であり、自身や家族のかけがえのない財産や場合によっては生命が脅かされる危険性があることから、同様の電気火災対策が講じられることが望ましい。 (以下略) - 自分の家だけ設置しても、他の人が設置しなければ意味がないので進んで付ける気がしない。
⇒(略)全ての電気火災の発生を防ぐことができなくても、例えば出火件数が半減するだけで、残った火災に対して消防力を集中させることができ、出火件数の減少以上に市街地延焼火災を抑制できる効果が期待され、消火活動に大きな助けとなる。 (以下略)
感震ブレーカーはどのくらい普及しているのか?
東日本大震災では、津波火災を除くと出火原因のうち、電気火災は7割近くに達している(内閣府報告書「大規模地震時の電気火災の発生抑制の方向性について」18年3月)。それなのに感震ブレーカーの普及はほとんど進んでいない。
不燃領域率 40%未満などの一定程度以上の延焼の危険が想定される地域を対象に、16年12月に実施したアンケート(対象1500世帯)では、76%の世帯が「設置は検討していない」と回答。「設置を検討中」は14.3%、「設置済み」に至っては9.8%とわずかだ(同報告書)。
感震ブレーカーにはどんなタイプがあるのか?
感震ブレーカーは、次の4タイプがある(下図)。- 分電盤タイプ(内蔵型)
新築や老朽化した分電盤の交換などで導入されるタイプ - 分電盤タイプ(後付型)
既存のブレーカーに感震機能を外付けするタイプ - コンセントタイプ
コンセント単位での電気遮断するタイプ - 簡易タイプ
ばね式と重り玉式の2種類がある
日本消防設備安全センターの「消防防災製品等推奨制度」により認証(推奨)も実施されている
感震ブレーカー等の普及啓発用のちらし|内閣府(PDF:274KB)
なお、感震ブレーカー設置のため助成制度が用意されている自治体がある。23区では支援制度がない区(千代田、中央、渋谷、中野)のほうが少ない。
詳しくは、次のリンク先参照。
マン点が設置した感震ブレーカー
4タイプの感震ブレーカーのうち、資格が不要で簡単に取り付けられる簡易タイプを選定。そのうち「重り玉式」ではなく、「ばね式」を設置することにした。なぜならば、わが家の分電盤にはフタがついているので、重り式だと十分な設置スペースを確保することができないからだ。フタを取り外したままにすれば、重り玉式でも対応可能だが、それでは美観が損なわれる。
ばね式のなかでも、リンテック21社の製品「ヤモリ」の感震ブレーカー本体(GV-SB1)と作動部(GV-AR1)がセットになった「ヤモリ・デ・セット(GV-SET1)」を購入した(次図)。
ワイヤーの太さだけ(4mm程度)、分電盤のフタをやや開けた状態で設置。これなら美観上の問題はないと判断。作動震度は2 段階(「5+」と「6-」)となっていたので、「6-」に設定。
取り付けから作動テストまで、10分もかからなかった。
取付方法説明動画 – YouTube
高々数千円。自分や家族の安全・安心を確保するために買わない理由はないだろう。
※感震ブレーカーの選定は自己責任でお願いします。
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