東京23区、イースト東5区における中古マンションの動向(2019年6月〜11月期)を踏まえた上で、都内イーストの街ランキングをまとめてみました(※江東区湾岸エリアは除きます)。買いやすさ、売りやすさなど、街の傾向がある程度掴めると思いますので、来年度に向けて転居や住み替えを予定、希望している方は、参考にしていただければと思います。
目次
東京東地区の中古マンション動向を見るに当たっての前提
各沿線の動向と、3つのランキングを出しました。1,マンション23区東『選びやすい街ランキング』
2,マンション23区東『人気の街ランキング』
3,マンション23区東『手が届きやすい街ランキング』
日々、売り出しデータをチェックし、エクセルで集計しているのですが、以下を前提としています。
・検索サイト「SUUMO」にて検索し集計
・ファミリータイプの駅近、築浅の中古マンションを対象(駅徒歩10分、築10年以内、60㎡以上の住戸を検索条件)
・都内23区の東5区(墨田、江東、葛飾、足立、江戸川)の各沿線、各駅
※江東区の湾岸エリア(りんかい線、有楽町線、ゆりかもめ)、足立区の舎人ライナー沿線は調査の対象から除外
・厳密には立地が異なるのですが、大江戸線の各駅(門前仲町、清澄白河、森下、両国)は、それぞれ他の路線に包含しました
・「売出数」は、2019年6月1日時点で売り出されていた住戸と、2019年6月〜11月の期間内に売り出された住戸の合計数です。
・「成約率」における成約の定義は、上記、SUUMO売り出し住戸が掲載終了した物件であり、必ずしも成約されたとは限りません。
・価格はあくまで掲載中の最終売り出し価格であり、成約に至った価格ではありません。
・沿線、駅の傾向を見る目的のため、複数の駅が徒歩10分以内のマンションについては、それぞれの駅でWカウントしていますので、実際の売り出し数とは異なります。
・「売却月数」は、売り出された物件が、売約されるまでに要した平均の月数を意味します。
例えば、算定の結果「3.0」とすると、売り出してから成約されるまで平均で3ヶ月かかっていると理解できます。サンプル数が少ないほど精度を欠くのと、平均のため固有物件を見ると平均から大きく逸している場合があります。
{期間中の平均売出価格÷期間中6-11月に売れた総金額}×月数(6)。
※期間中の平均売出価格とは、6/1時点の売出総金額+11/30時点の売出総金額÷2
・1坪=3.305㎡、70㎡=21.18坪として価格を算定
以上を踏まえると、決して精緻なものではありませんので、傾向として捉えていただければと思います。
東京東地区、沿線、駅別中古マンション動向
まず、各沿線全体の指標を出してみました。売出し件数は東西線沿線がトップであり、古くから多くのマンションが建つエリアです。清澄白河〜押上にかけての半蔵門線沿線は、東京都心部までの交通利便性や東京スカイツリー界隈の人気など、近年、東部5区において、江東湾岸エリアと同様にマンション価格の高騰が際立ってきました。北部に目を向けると、成約率、売り出してから決まるまでの売却月数から、常磐線の人気ぶりが窺える一方、近隣をまたぐ京成線沿線はマンション最安値エリアであり、中小デベロッパーによる分譲マンションが多く、低い価格帯でも成約に至るまで苦戦していると言えます。
以下、各沿線、各駅の事情を見た上で、最後にランキングとしてまとめてみました。
JR京葉線のマンション相場
京葉線は、対象物件が少なく、新木場にはそもそも対象のマンションがありません。歴史に明るい人であれば、読みやすそうな越中島(えっちゅうじま)。今年、300戸超の「プラウドシティ越中島」が竣工しましたが、早速2戸が売りに出されています。68㎡住戸は居住中で、分譲当時の価格から大幅に上乗せされたチャレンジ価格で売り出されているので、すんなり決まるとは思えませんが、築浅のマンションが希少で、湾岸、都心部隣接という便利な立地と言うこともあり、今後の中古相場は、今までの実績から上昇が期待できそうです。
沿線、売り出される築浅物件のほとんどが、潮見の「クレストスカイウイング」「ザ・サウスキャナルレジデンス」という2つのマンションです。東京駅から3駅7分という利便性にもかかわらず、坪単価は200万円前後、築浅が4,000万円台で手に入ることから、売出し後の動きは悪くありません。両方とも100戸前後の中規模マンションですが、安定して売りに出されるのは、周辺人気エリアへの買い替え需要が要因でしょうか。駅前から徒歩10分圏内は一見寂しそうな風情が漂いますが、辰巳や東雲、豊洲界隈に隣接し、海や緑にも囲まれた自然豊かな土地柄でもあります。駅前は東京オリンピックに向けてホテルの建設が進んでおり、今後の再開発に期待したいエリアです。
潮見や新木場周辺は競技施設も多く、2020年オリンピックで賑わうはずなので、今後、周辺人気湾岸エリアとともに、住みやすい穴場の沿線として新築マンションを絡めた再開発を期待したいところです。
東京メトロ東西線沿線のマンション相場
各路線に接続が多く、移動に便利な人気路線である東西線は、「痛勤」地獄でも有名です。東京イーストエリアの沿線では最多の売出し物件数を誇りますが、中央区隣接で街の人気も高い門前仲町を除いて、成約率は全体的に低位です。
木場、東陽町は、中古でも1馬力では手が届きづらい相場のため、現価格帯では、成約しづらい状況が続いています。特に木場は、売出し価格を下げても成約までに至らない物件が多く、徐々に相場を下げてきました。2015年竣工、駅徒歩5分の「プラウド木場」が5,980万円(坪単価275万円)まで下げても半年以上決定に至らない状況が、現在の木場エリアの人気度合いを象徴しているようにも思えます。両駅ともに物件数が多く希少性に欠け、エリアの人気としてもお隣の湾岸エリアと比べると見劣りするため、売る側として新年度に向けて短期間で売却したい場合は、上記のような実態を、売出し価格の検討材料にした方が良いでしょう。
東陽町の隣、南砂町に移ると、マンション相場は大きく下がります。千葉寄りの西葛西、葛西と比較しても築浅は中小物件が多く、価格も手ごろなため成約率は悪くありません。現在新築分譲中の、徒歩13分「キラリスナ」についても竣工前に完売目前となっています。「トピレックプラザ」「スナモ」という2つの大型複合商業施設が駅徒歩圏内にあり、周辺環境も良く、子育て世代には住みやすい街といえます。木場、東陽町エリアの新築ラッシュが一段落ついた今、南砂町駅徒歩10分以内の立地に住友不動産や阪急阪神不動産の新築分譲が控えていることから、今後、人気が高まっていくエリアと考えられ、現在は穴場と言えるのではないでしょうか。現在、駅構内も通勤ラッシュの緩和に向け改修工事をしているさなかです。
マンションが多い西葛西は、主に3つの物件がエリアをリードしています。人気がある2つの大規模物件、駅徒歩8分の「ザ・ガーデンズ西葛西」、駅徒歩7分の「レジデントプレイス西葛西」が相場を高値で維持させているのですが、中小デベロッパーの「プレシス西葛西ペイサージュ」が更に駅に近い徒歩6分ながら、坪単価240万円前後という上記2つの物件より比較的安い価格で売り出されていたため、売出し後は2〜3ヶ月ほどで成約に至っていたようでした。北側エリアの駅近く生活に便利な場所に位置するため、売り出されればオススメの中古マンションだと思います。
南砂町、西葛西、葛西と、駅近に関わらず、大規模マンションの建設、竣工、入居が控える中、とにかく物件数が多い沿線なので、今後も輸送効率を維持しながら更に人を集まるためには、豊洲〜住吉間の有楽町線延伸決定が待たれるところです。
都営新宿線沿線のマンション相場
東西線の次に売出し物件が多い都営新宿線は、江東区、江戸川区をまたがっています。中央区まで徒歩圏内にある森下は、都心隣接の立地であるにもかかわらず、人気の街、門前仲町、清澄白河、錦糸町などと比較して、穴場とも言えるエリアになっています。期間中に、上記の街とほぼ同様の価格帯で売り出した住戸が、全住戸ともに掲載終了前の最終価格で5%〜10%以上、平均で▲7.1%下げている実態がありました。
森下(▲7.1%)
6,692万円(@316)→ 6,216万円(@293)
錦糸町(▲0.5%)
6,873万円(@324)→ 6,843万円(@323)
門前仲町(±0)
6,793万円(@320)→ 6,793万円(@320)
@=坪単価
実際の成約価格は更に下げているでしょうから、売主が考えているようなマンションの価値、希望通りの価格から大きく乖離していることがわかります。高値で売り出してもなかなか成約に至らない状況でしたが、直近10月から11月にかけては価格が下がってきたところで成約(掲載終了)が多く見られました。結果、平均3ヶ月で成約という数値が出ていますが、門前仲町や錦糸町と同様の価格での売却条件では、半年以上売りに出されている例も散見されました。中央区隣接とは言え、大手町や日本橋まで乗り換えを要することが、相対的に人気が低迷している要因の1つでしょうか。
人気があるのは、半蔵門線との乗り換え駅でもある住吉です。都心部まで近く、かつ複数の路線を利用できることで、近隣の人気の街と同様、生活、交通利便性が高い街です。一方で、お隣の錦糸町と比べると、中古相場が70㎡で1,000万円も低く、6,000万円をきる価格帯となっていることから、世帯主1馬力でも触手が動きやすいと考えられます。個別マンションを見ると、2013年築の大規模「イーストゲートスクエア」が市場を引っ張っていて、売り出されれば、すぐ成約されているような状況でした。お隣で建設中の「メイツ深川住吉」の影響もあるでしょう。近年、新築分譲が増えており、中古市場はこれから更に活性化していきそうです。
西大島は、大手の大規模物件「ザ・ミッドランドアベニュー」の人気が際立ちます。こちらも売り出されれば安定して早い段階で成約されているようでした。このマンションは、総武線有力駅である亀戸駅も6分という駅近としても利用できること、徒歩数分の場所「サンストリート跡地」に野村不動産主導の再開発が予定されていることも人気を後押ししていると考えられます。界隈は、大島、亀戸と近隣の駅距離も近いことから、生活にも便利なエリアです。
船堀は、駅徒歩5分前後の立地に、大手、準大手と多くの築浅マンションが林立していますが、「プラウドシティ船堀」「ザ・パークハウス船堀」がエリア最有力マンションになります。現在、プラウドシティが、坪単価220万円前後、75㎡、5,080万円で売り出されていますが、※告知事項ありの物件になりますので、過去の売出し、掲載終了の例を取ると、両物件とも坪280前後あたりが、売却、購入できるラインでしょうか。一方で、駅徒歩5分前後、準大手の物件については、坪単価250万円をきっても中々決まらない局面も見られました。今後、江戸川区役所の移転が具体的になってくると、区内では更に名実ともに人気の街としての地位を確立できるのではと考えています。
船堀を後にすると、大手の有力マンションが少ないエリアに入ります。瑞江については、現在、「ライオンズ瑞江レジデンス」しか売出しがありませんが、駅徒歩8分にしてグロスですが4,680万円なので、新築分譲中の駅徒歩6分「プレシス瑞江パークフロント」、中層階、70㎡強の住戸が5,000万円前後であることを踏まえると、少し重たい感じがします。江戸川区・瑞江の新築マンション「プレシス瑞江パークコート」
今後、「バウス瑞江」の分譲や、駅前再開発において野村不動産の再開発が控えていることから、準大手、大手の触手が伸びてくると、都心エリアが飽和状態の中、このエリアにおけるマンション市場も活性化されてくる事が期待されます。
JR総武線沿線のマンション相場
総武線沿線の街は、墨田区、江東区の3駅と、江戸川区の3駅で明暗を分けた格好になりました。錦糸町は、北側の「ブリリアタワー東京」と、南側の「パークタワー錦糸町」の2つのタワーマンションが代表する物件でしたが、両物件とも既に築10年をこえています。築浅では、この半年間で8件の売出しがあり、そのうち「南口」徒歩4分の「グランアルト錦糸町」と、北口駅徒歩6分の「クレヴィア錦糸公園」が半数以上を占めていますが、坪300万円を大きく超える売出しにおいても時間をかけずに成約に至っています。ブリリアタワー東京が竣工した時代から、商業施設「オリナス」、錦糸公園といった北側の再開発により、ファミリーの街へ変貌を遂げた錦糸町の人気上昇が、今のマンション高騰時代背景と相まって相乗、相場は大きく上がってきました。ブリリアタワーの分譲時の価格を見ると絶句します。今後についても、新築が建つまとまった立地が駅近では皆無なので、大きな需給ギャップの元、相場は堅調に推移すると考えています。
亀戸は、なんといっても「サンストリート跡地」の再開発の中で、野村不動産が来年から分譲を始める「プラウドタワー亀戸クロス」に注目が集まっていますが、中古相場では、南側徒歩6分の「ミッドランドアベニュー」と、北側徒歩6分の「パークホームズ亀戸ガーデンズコート」が中古相場の中心を担っています。後者は、坪単価250万円前後までは成約への動きが速かったのですが、現在売り出されている2戸は280万円程まで売出しが上昇しています。こちらも分譲時当時の価格を見るとびっくりしますね・・・。錦糸町もそうですが、以前は東京駅西側のエリアと比べて価値が低すぎただけなのでしょう。
平井は、坪単価250万円前後の大規模「シティテラス平井」の売り出しが多いのですが、ほとんど成約されず、現在6戸が長い期間売り出されたままになっています。このままだと、平均坪単価が250万円をきって、グロスで4,000万円台の攻防になってくるでしょうか。西に亀戸、東に小岩の再開発を控え、売買が低調な平井ですが、駅前に野村不動産の300戸超タワーマンション建設計画が立っており、街の活性化が期待されます。
小岩は、駅前のタワーマンション「アルファグランデ小岩スカイファースト」が、坪単価300万円を大きくこえて売り出されるため、相場を押し上げていますが、なかなか成約には至っていない状況です。今年、竣工したばかりの駅徒歩3分「オークプレイス小岩」が、分譲時より数百万円乗せ、坪単価283万円で売り出さています。小岩への期待の高さが窺えますが、この半年間で実際に成約に至っているのは、準大手、中小デベロッパー、坪単価200万円前半の物件が数戸のみです。近年「穴場の街」「東京東側の面白い街」としても注目を集めるようになってきた小岩は、現在進行中の駅前再開発に大きな期待が寄せられています。
東京メトロ半蔵門線沿線のマンション相場
半蔵門線は、清澄白河〜押上にかけて、全ての駅でマンション動向が元気な人気路線です。ブルーボトルコーヒー初め、カフェやショップが立ち並ぶようになって久しい清澄白河ですが、駅近におけるファミリータイプの新築マンションはおよそ出切ってしまった印象があり、マンションは少しずつ歳を重ねてきました。同条件の築浅をこの地で選ぼうとすると、マンションの数ではさほど多くはありません。売出物件のうち半数以上が、まもなく築10年になろうとしている「パークハウス清澄白河タワー」で、売り出されると、坪単価300万円付近で安定して成約されているようでした。このマンションが築10年を超えると一気に築浅の有力物件は減少しますが、新築分譲できるようなまとまった土地が限られる中、色あせない存在感を発揮している同マンションは、「イーストコモンズ清澄白河タワー」と共に、今後も清澄白河周辺の相場を高値で形成し続けていくと思われます。
押上は、2012年にスカイツリーが開業した注目エリアですが、対象物件数が圧倒的に少ない状況です。押上駅が開業された頃は、駅前の「エスタガーデン」など、多くのマンションが建ちましたが、その後は単発で、大規模など目立った物件が少ないため、築浅が売り出されるとすぐに成約に至っている状況です。現在、売り出されている「パークホームズ押上ザレジデンス」が、坪単価359万円、70㎡7,500万円と相場観を引き上げていますが、この価格ではさすがに重たすぎるでしょうか。直近での実績を見ると、坪単価250万前後での成約なので、その前後で売り出され物件が気に入れば、即買いであることは間違いないと思います。相場は更に上昇していくエリアでしょう。
東武スカイツリーライン、他東武沿線のマンション相場
東武沿線は、都心まで交通の便が良く、70㎡の築浅が4,000万円台で手が届くということで、スカイツリーの人気にあやかってか、亀戸線含め期間中の成約率は高位でした。駅前の再開発により綺麗に整備された曳舟は、徒歩圏内にスカイツリータウンを抱え、今や人気の街に。「ブランズ曳舟」の1階、70㎡住戸が6,180万円で売りに出されて半年以上が経ちますが、5,380万円まで下げても決定に至っていません。やはり、荒川や隅田川に囲まれた地域において1階住戸は難しいですね。期間中、1度、坪単価300万円以上で売り出された「アトラスタワー曳舟」は、即決定したようです。
隣駅、東向島も都心まで近く便利なエリアなのですが、この半年間で売り出された、「イニシア墨田」の3戸と「ライオンズクオーレ東向島」の対象物件4戸が、駅徒歩4分、5分と好条件にもかかわらず、この下町界隈ではこの相場でもマンション人気が無いのか、いずれも成約に至っていません。
堀切、牛田(京成線の京成関屋も最寄駅)が最寄りの「イニシア千住曙町」は、はるぶ〜さんのスーパー管理がなされている大規模マンションです。すでに築10年を超えましたが、お世辞では無く個人的に昔から大好きなマンションで、ポイントが高いのは、当然バッチシな管理状態!築浅同様おすすめの物件になります。
今や、住みたい街ランキング常連の北千住。新築市場は元気で、「エクセレントシティ北千住」が完売、「千住ザ・タワー」が完売間近、「ブランズ北千住」も好調と、順調に販売を伸ばしていますが、いずれも戸数はさほど多くありません。新築では、70㎡で6,000万円〜7,000万円という、もはや穴場とは言えない価格帯でも売れ行きは好調なのですが、中古の指標と大きな差があるのは、そもそも築浅での駅近物件が希少である中、駅徒歩8分、10分という、レーベンシリーズのマンションに売り出し物件が偏っているからです。10分以内でも、水戸街道沿い、付近に建つ喧騒の立地までは北千住の人気は届きづらいようですね。今後も大規模マンションなどが建つような土地は限られているため、対象物件数が豊富になるようなエリアではないでしょう。近く、北千住のマンション売買を希望の方は、「北千住は東京イーストエリアでも人気がありながら非常に希少な立地」つまり、「売るときは強気、購入する時は気に入った物件であれば即買い」であることを踏まえておきましょう。
北千住から荒川を渡ると、一気に優しい価格帯に突入する足立区沿線沿いは、東京スカイツリー人気もようやく実ってきたからでしょうか、動きは悪くありません。人気がある大規模物件、「プラウドシティ梅島」や「リライズガーデン西新井フロントレジデンス、スカイレジデンス」が築10年を超え、新築、中古ともに大手の物件が少ない状況なので、五反野徒歩4分に建設中の「パークハウス五反野?」の竣工が楽しみです。都心部のマンションが高止まりしている中、準都心エリアとして、マンション相場も、盛り上がっていくエリアになってほしいですね。
曳舟〜亀戸を往復する支線、亀戸線は、旧中川沿いを挟んで建つ2棟の大規模マンション、「アクラス」(アクラスは駅徒歩10分以上)と「ソライエ・プレミアムテラス」が目立つ存在です。江戸川区・平井のマンション「アクラス」
ソライエは、期間中7戸の売り出しがありましたが、早期安定して成約に至っているようでした。東京駅から直線距離約7kmに位置しながら、自然環境も素晴らしく、駅徒歩8分でも築浅の70㎡中古マンションが3,000万円代で購入できる街、小村井の価格競争力を垣間見ました。特にマンション高騰時代において、他の好条件と絡んだ上で価格が安いというのは十分な魅力になりえますね。亀戸線という支線の駅のため徒歩8分でも駅近と言えるかは微妙ですが、それでも都心という文化、感度を近い距離で感じながら自然環境の中で住める穴場の街だと思っています。
JR常磐線沿線のマンション相場
常磐線沿線、綾瀬、亀有、金町のマンション市場は元気で、比較的売りやすく、購入する側も求めやすい相場となっています。沿線では無いですが、北綾瀬と、合わせてTXの2駅も文末で触れておきます。売りに出ればすぐ掲載終了になってしまう綾瀬の相場が低かったのは、中小物件ばかりだったことによると思います。駅近に大手の有力物件もありますが、期間中に売出しはありませんでした。築浅の大手マンションが売りに出されれば、相場は一段高くなるのではないでしょうか。当面の注目はなんといっても北口徒歩1分に塩漬けしてある住友不動産の広大な敷地です。お隣り「シティテラス金町」の目処が立つ頃に「シティテラス綾瀬?」としてのリリースが予想されます。「プラウドタワー金町」も坪単価300万円アップが予想されていますから、マンション相場がこの時勢のままだとしたら、同じく300万円超えは免れないのではないでしょうか。今後、綾瀬は、築浅の大手物件はじめ、中古相場も活性化されてくるはずです。
亀有は、沿線で一番人気があり中古市場は元気でした。相場に則って売り出せば、「2.7」で売却できる、つまり3ヶ月待たずして決まる事を意味します。北口の「パークホームズ亀有ガーデンズコート]」「ブランズ亀有」の人気が高く、よく動いていましたが、大手物件だけでなく駅近の物件は比較的早い段階で成約に至っているようでした。ただし、出せばすぐに売れるからか、パークホームズの売り出し価格が徐々に上がってきています。駅側、「アリオ亀有」は、遠方からも人を呼べる人気のスポットであり、大規模商業施設に近接したマンションは人気も後押しされるでしょう。広大な中川公園に荒川と自然も豊かで、「一度亀有に住むと便利で他に住めない」は、カメアリママ談です。ちなみに、「パークホームズ亀戸ガーデンズコート」というマンションもありますので、お間違えないように。亀戸餃子の亀戸、両さんの亀有ですから。まあ、もし間違えても亀戸と亀有は30分で移動できるので「青海」と「青梅」を間違えるくらいの致命傷にはなりませんが・・・。
こちらも売買の動きが非常に活発な金町。先日「プラウドタワー金町」がリリースされました!今まで中古市場は、「プラウドシティ金町ガーデン」「プラウドシティ金町アベニュー」「ヴィナシス金町タワーレジデンス」「オーベル金町エアーズ」といった有力物件が市場を牽引してきましたが、オーベルを除いて、築10年が経過しようとしており、今後、築浅物件は品薄になってきます。それでも、駅徒歩2分のヴィナシスはすぐ捌けている印象で、駅前は強いなといつも感じていました。金町の掲載終了した物件の平均坪単価は210万円ですが、ヴィナシスだけ見れば、230~250万円前後で掲載終了となっていました。噂では、プラウドタワーが坪300を大きく(?)超えてくるかも知れないので、そうすると、ヴィナシス含め、駅近物件の人気、相場は更に上昇することが予想され、購入する側としては今が買い時なのかも知れません。売る側としては少し待ちでしょうか。
千代田線の新始発駅となった北綾瀬周辺は、閑静な住宅地に綺麗な新築マンションが毎年のように誕生しています。大手町まで座って通勤しつつ、都内で静かに暮らす絶好のベッドタウンと評価できる立地だと感じています。駅徒歩5分前後の築浅の動きは良かったのですが、この3ヶ月間で、113戸の「メイツ北綾瀬トレエッセ」が5戸も販売され成約に至っていない状況から、相場観は一気に低位な状況となりました。
TXの区内2駅の指標も添付しておきます。
京成本線、他京成沿線のマンション相場
京成線沿線は、東京イースト5区をまたがる鉄道沿線において、TXの2駅除くと平均坪単価が一番低かった路線で、成約率も50%を切っています。千住大橋が、70㎡価格4,636万円と沿線をリードしていて、駅前、徒歩3~4分の大規模マンション数棟が安定して売りに出されています。中でも期間中は、リバーフロント最前線、駅徒歩3分の「アクアヴィスタ」が、まとまって売り出されました。グロスで4,000万円台まで下がった住戸もありますが、この辺りが早期、高値で成約されるかが、地域の人気バロメーターになると思います。一体再開発エリア「ポンテグランデTOKYO」のうち、まだ開発されていない街区の行く末次第で、更に注目されていく街へという期待感があります。お花茶屋は、駅近周辺の曳舟川親水公園を中心に環境が良く、年配の方から子育て世代までが共存する、閑静で緑豊か、空が広く元気な街並みです。今年「エクセレントシティTOKYOネスト」が竣工されましたが、平均坪単価230万円前後だったでしょうか、グロスで見ると、専有面積によっては5,000万円台でもさほど苦戦せずに売れたと言うことだと思います。一方、上記の通り、中古市場は、坪単価170万円前後、グロスでは3,500万円前後で売り出されるケースが多く、「サンクレイドルお花茶屋」も11月に売り出され、11月30日時点では掲載中でしたが、記事を書いている12月15日現在、既に掲載終了になっています。64㎡で駅徒歩5分、築2016年が3,680万円でしたから、個人的にオススメ物件でした。近隣は、戸建需要が高いエリアかと思いますが、都心部のマンションが頭打ちである中、今後は、大手、準大手の進出によるマンション市場の盛り上がりを期待したいと思います。
交通の要所、青砥の指標が芳しくないのは、「アンビシャス青砥」の売出し戸数が5戸と、かさばっているからです。人気物件が売り出されれば、市場は動きやすくなると思いますが、子育て世代が快適に暮らすには少し躊躇してしまう街の古さが気になります。大手デベロッパーのマンションなどと合わせて、区画整備や再開発が望まれる街だと思っています。近年、新築で分譲された、大手の「ザ・パークハウス青砥」、準大手の「イニシア青砥」など、存在感があるマンションの中古相場にも注目しています。
以上、各沿線の動向を見た上で、3つの指標でランキングを作ってみました。
マンション東京都東5区『選びやすい街ランキング』
売り出し数が多く、たくさんのマンションを吟味できる街のランキングです。東京メトロ東西線の「西葛西」が圧倒的な売り出し数で見事1位に輝きました!
特に徒歩10分以内と言うことでは、生活利便施設が集まった北側エリアにマンションが密集しており、グローバルな就業人口も多いエリアとして活気に満ちあふれています。『西葛西は日本語がしゃべれなくても暮らせる街ですぅ♪』と知り合いのインド人がおっしゃっていました。東西線の朝の電車に乗ってしまえばそこは地獄ですが、、、。一方、亀戸、亀有、金町は売出し件数が多く、たくさんのマンションを選んだ上で購入しやすい街であると思うのですが、今後、亀戸、金町のプラウドタワーが分譲されると、買い替え需要も合わせて更に中古市場は活発化されてくると考えています。
マンション都内東5区『人気の街ランキング』
感覚で人気と言っても個人差があるので、数字で判断させていただきました。すなわち、売り出したらすぐに成約に至っている街を「人気がある街」と、独断で評価させてもらいました。東京イースト、栄えある人気の街ナンバー1は、JR総武線、東京メトロ半蔵門線の「錦糸町」でした!
トップ3は、錦糸町、小村井、両国と、墨田区の駅が占めました。ファミリーの街に変貌を遂げた錦糸町は、有力な築浅マンションが少なく、出れば希少な物件として少し高くてもすぐ成約に至っているようでした。出せば平均で1.7ヶ月で売れる早さは圧巻で、相場も上昇しています。錦糸町から小村井までは、徒歩30分ほどの距離にもかかわらず、そこは価格が3,000万円も下がるエリアです。小村井は、都心に近く旧中川まで出れば豊かな自然環境に恵まれた希少な場所で、子だくさん家族が永住を決め込むのであれば、超穴場とも言えるのではないでしょうか。
マンション都内東5区『手が届きやすい街ランキング』
東京23区のマンション価格は2013年以降、毎年上昇を続けており、2019年に至る現在も、高止まりしています。マンションは庶民には手が届かない資産の代名詞になりつつある中、葛飾区のお花茶屋が、手が届きやすいランキングナンバー1に輝きました!
駅近でも庶民が十分にマンションを手に入れることができる街で、駅前の親水公園や緑道には、子育て世代からご年配の方までたくさんの人で活気がある明るい街です。お花茶屋、名前も良いですよね♪中古物件だけでなく、駅前では、『ソルフィエスタ』ブランドの新築マンションギャラリーがオープンしているので、合わせて覗いてみると良いでしょう。葛飾区・堀切のマンション「ソルフィエスタ堀切菖蒲園」
最後に
長文、お付き合いいただき、ありがとうございました。湾岸エリアについては、のらえもん先生がいらっしゃるので僕の見解など役に立たないだろうと思って見送りました。つまり、エリア特性上、より精緻な分析を必要とすることで、僕みたいな素人では、あまりに精度を欠きすぎてしまうからです。また、今後、舎人ライナー沿線にも散策に出向き、勉強したいと思っています。東京イーストの新築分譲予定を見ると、来年早々に、亀戸、金町など、野村不動産による駅前再開発ビッグプロジェクトが始動しますが、正直、都心部、準都心部とされる東京都東5区は来年も価格が下がるとは思えません。新年度に向けて、中古、新築、皆さんにとって素敵なマンションが見つかりますように。そして、希望通り、大事にしていたマンションが売却できますように。
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