最近、LIFULL HOME’Sの本田翼のテレビCMをよく見かけるようになった。男性消費者への訴求力は高そうだが、女性にはどうか。スーモ君は男性だけなく女性消費者にも人気が高いのではないか。
ただ、いずれにしても、消費者にとって重要なのは不動産情報サイトの質と量。
【もくじ】
◇質(使い勝手)評価
◇量(物件数)評価
◇結論
質(使い勝手)評価
質(使い勝手)でいえば、SUUMOがややLIFULL HOME’Sを上回っているようだ。Gomezのアナリストが実際にアプリを使い、「アプリの使いやすさ」「情報量とコンテンツ」「安定性と信頼感」「便利な機能・サービス」の4つの視点(カテゴリ)から考えられた126の調査項目に基づいて10点満点で評価した結果が次図。
Gomez売買不動産情報アプリランキング(18年8月)より
量(物件数)評価
では、不動産情報サイトの量(物件数)のほうはどうか?LIFULL HOME’Sは、トップページでは「日本最大級の不動産・住宅情報サイト」と控えめに表現されているものの、新築マンションや中古マンションのページに入ると「物件数No.1の不動産・住宅情報サイト」と表示されている。でも、「物件数No.1」の根拠はどこにも見当たらない。
一方、SUUMOは、トップページで「物件数No.1」を謳っている。その根拠は、東京商工リサーチ調べとされている。
不動産ポータルが掲載する賃貸、マンション、戸建、土地の日本全国総計 2019年7月末時点(株)東京商工リサーチ調べ
実際に「物件数No.1」のサイトはどこなのか?
4つの不動産情報サイトに掲載されている新築マンションと中古マンションの件数を調査した結果を以下に示す。
新築マンション「物件数No.1」はSUUMO
結論を先に言ってしまうと、全国新築マンションの物件数No.1はSUUMOの2,007件(1月15日現在。以下同じ)。2位LIFULL HOME’S(1,654件)、3位アットホーム(1,634件)、4位Yahoo!不動産(1,139件)。4つのサイトの地域別の物件数をまとめたのが次のグラフ。
SUUMOが頭一つ抜けていて、LIFULL HOME’S とアットホームは肩を並べている。
Yahoo!不動産だけが大きく離されているのは、Yahooとがソニー不動産が15年7月に提携して「おうちダイレクト」を始めたことをキッカケに、不動産流通経営協会(FRK)がYahooとの提携を解消し、Yahoo!不動産に物件情報の掲載および提供を取りやめたことの影響が大きそうだ。
中古マンション「物件数No.1」もSUUMO(たぶん)
中古マンション物件数No.1サイトのほうは、なかなか判定が難しい。結論を先に言えば、たぶん物件数No.1はSUUMO(次図)。「たぶん」という文言を付けて断定を避けたのは、4つのサイトの中古マンションの範囲と掲載件数の扱いが微妙に違うからだ。
SUUMOの全国中古マンションが94,718件であるのに対して、LIFULL HOME’Sは40,551件。SUUMOの約4割しかない。
LIFULL HOME’Sにメール照会して判明したことなのだが、LIFULL HOME’Sの表示件数のほうは、SUUMOと違って、複数の不動産会社が取り扱っている物件は、まとめてひとつの物件として表示されているのである。
複数の不動産会社が取り扱っている物件は、まとめてひとつの物件として表示することでたくさんの物件の中から探しやすくする工夫をしています。
(LIFULL HOME’Sサポート担当 1月17日)
また、アットホームの全国中古マンション件数(9,8170件)が、SUMMO(94,718件)より若干多いのは、アットホームの中古マンションの表示件数には一棟リノベーションと新築タウンハウスも含まれるからだ。このことを勘案すると、中古マンションの物件数No.1はSUUMOということになる。
結論
新築マンション「物件数No.1」はSUUMO。中古マンション「物件数No.1」もSUUMOである可能性が高い。
以上を踏まえると、「不動産情報サイトに迷ったら、取りあえずスーモを使っとけ」ということになる。
コメントを残す