今年に入り、何件かモデルルーム訪問していますが、ますますマンションは高くなっていると感じます。遅くなりましたが、今年もよろしくお願い致します。
(※この記事は約3400文字、4~5分ほどで読めます)
今回の記事は以下のような人に向けて書いています。
家族3人で住むためにマンションを探している
家族3人、3LDKでは持て余している
良い2LDKの間取りを知りたい
良い2LDKが無いので、少し負担が増えても3LDKを買おうと思っている
3LDKは経済的に諦めたい
家族3人で快適に暮らすために良質な2LDKの条件とは
今回は間取りについて。『家族3人で快適に暮らすために』
「駅近に住むこと」「豊かな自然環境の中に住むこと」など、他にも『快適』の要素は人それぞれあると思います。
しかしながら、日々快適に暮らすために、毎日空間を共にするマンションの間取りは、立地と同じくらい大事だと思っています。
経済的に豊かであれば、余裕のある間取り、80㎡の3LDKなどを選んで、ゆったり住めば良いのですが、限られた予算で、住み心地が良い部屋を選びたい人が多いはずです。
以上を踏まえて、ここでは『快適』を『必要最低限の面積でゆったり暮らすこと』とし、各部屋の間取りの畳数に落とし込んだ時に、3人が快適に暮らす上で2LDKの条件を以下としました。
LD11畳(デッドスペース無し)
キッチン3畳
主寝室6畳
洋室5畳
キッチン3畳、主寝室は夫婦のダブルベッドを置けるように6畳前後、子供部屋はベッドと勉強机が置ける5畳前後、このあたりはおよそ不文律になっていますが、リビング・ダイニング(以下LD)を11畳(デッドスペース無し)にしている理由は、2つあります。
理由①
家の顔にもなるLDに、生活に必要な標準家具4点を配置できて、空間が窮屈にならずに、最低限ゆったり過ごすことができる広さだからです。
・ダイニングテーブル1,300mmサイズ
(一般的に流通している4人掛けは1,200~1,500ですが、1,200だと4人座ると若干手狭)
・ソファ1,800mmサイズ
・ローテーブル
・TVボード
理由②
新居を購入して後、家具選びに走ると気がつくのですが、最低でもダイニングは1,300、ソファは1,800のサイズ感が無いと、家具の選択肢が限られてきてしまうからです。例えば、1,200のダイニング、1,500のソファとなると意外に少なくて、中々選べないんですよね。もちろん「ニトリ」とか「IKEA」など種類豊富で良質な家具屋さんもあるのですが、せっかくの新居なので、こだわったデザイン家具、ブランド家具など、お好みの家具を少し背伸びしてでも選べる選択肢は残しておきたいです。
下図は、実際に分譲されていた間取りのLD部分だけを切り取った図です。両方とも約10畳です。
左図Aは、デッドスペースや畳数に含まれてしまう柱を除くと実質生活利用面積は7畳
右図Bは、デッドスペースが全くない整形な空間の10畳右のLDには、およその尺度ですが、1.3mのダイニングに、1.8mのソファを置いても、間に1.5m程の空間の余裕ができます。僕の経験上、この広さに落ち着きました。もちろん最低限の広さです。
ということで、1畳増やしてみて
11畳(デッドスペース無し)
6畳
5畳
3畳
を求めるべき空間としました(参考記事)。(10畳リビングは広いか、狭いか。リビングダイニングに必要な広さとは)
そこで問題になるのが、一般的な板状マンション(特に大規模)には、上記のようなデッドスペースが無い11畳のLDを含んだ、都合の良い良質な2LDKが中々無いことです。
2LDKにとって重要な事は、限られた面積の中で、生活に利用できない無駄なデッドスペースをいかに省くかですが、通常の板状マンションにおける2LDKは、田の字型間取りに引っ張られた設計が多いため、住戸は基本6mスパンで細長く、ただでさえ少ない面積の中、3LDKなど大型住戸よりも長い廊下などのデッドスペースに割かれる割合が高くなるため、非効率的な空間が多くなりがちです。
以上を踏まえると、少ない面積で生活有効面積を叩き出すには、デッドスペースを極小化し、少しでも空間を有効利用できるワイドスパンの間取りが、2LDK設計では特に有効になります。
以上の不文律を実現できる最低限の専有面積、間取りが、63㎡規模のワイドスパン住戸でした。
ブリリアタワー有明ミッドクロス(63.05㎡)
ブランズタワー豊洲(63.00㎡)
両者ともに、LDは13畳前後になりますが、キッチン横のデッドスペースを除いても、LDの生活有効面積は、充分11畳以上になるでしょう。それ以下はどうかといえば、例えば、シティタワーズ東京ベイのようにワイドスパンの2LDKでも55㎡では狭いです。
60㎡前後の住戸も若干手狭。様々な住戸を見てきましたが、僕が思い描く理想の2LDKを見つける上で、最低限『63㎡前後のワイドスパン住戸の2LDK』に落ち着いたのでした。
ではなぜ、タワマンかというと、圧倒的にワイドスパンの2LDK住戸設定がタワマンに多いからです。
通常の板状マンション、特に大規模物件では、ワイドスパンの2LDK住戸を見ることは希です。
次の2つの間取りは、大規模板状マンションにおける63㎡規模の2LDKです。
2LDK、63.47㎡
2LDK、63.98㎡
とくに下の部屋は、63.98㎡の2LDK、LDを10.5畳としていますが、長いキッチン横の廊下部分が約2畳程あるため、実際に生活できるLDの有効スペースは、8.5畳ほどになり、十分な大きさの家具を配置できません。
一般的な板状マンションに2LDKを作らせると、6mスパンの住戸設定に引きづられ、廊下のようなデッドスペースが占める割合が相対的に多い形状になってしまい、特にLDにおける十分な広さを確保できません。ただし、65㎡以上の面積になると、板状マンションでは、小型3LDKにしてしまいがちなので、結果、良い2LDKが見つからないと言うことになります。
以上です。
3人家族が快適に住める2LDKを以下にまとめました。
デッドスペースが無い11畳のLDに、主寝室6畳、子供部屋5畳、キッチン3畳を最低限の専有面積で確保する、『ワイドスパンで63㎡の2LDK』が、家族3人が快適な生活を送る上で試金石の間取りとなる。その上で、一般的な板状マンションの63㎡規模の2LDKではデッドスペースが多く、十分な住み心地が良い2LDKを作りづらい一方、タワマンの2LDK住戸は圧倒的にワイドスパン設定が多いので良質な2LDKを選びやすい。
他、2LDKの間取りを見る上での注意点
まず、一番は収納ですね。この面積で収納を豊富にとはいきません。我が家は、70㎡の3LDKに3人で住んでいますが、子供が成長するにしたがって、収納は手狭になってきました。そこは上手く部屋の中を整理する、外部にトランクルームを借りるなど工夫して住まいの設計をしましょう。次に、水周りなどの生活機能面のこと。
2LDKだからといって、同じ人間が生活しているわけですから、3LDK住戸より生活機能が劣っても良い訳ではありません。キッチンの天板の長さは必要以上に短くないか、トイレは小さすぎないかなどがチェックしたいポイントになります。お風呂サイズは一般的な3LDKで採用されているものと同じ1418サイズが望ましいです。
空間の柔軟な利用について。LDと洋室が隣接していて、間仕切りを開けることでLDと一体化できれば便利です。特に、隣接した部屋が子供部屋であればベストですね。子供が成長して家を出れば、子供部屋とLDを一体化して、夫婦でゆったり暮らせる大型1LDKになるからです。
3LDK→2LDKへリフォームという手
板状マンションでは、「田の字型」の最初からデベロッパーが設計した非効率な2LDKを選ぶより、以下のような65㎡規模の小型3LDK住戸を、2LDKにリフォームすることもお勧めします。下の間取りでは、3LDKで使うとなるとLDが約8.5畳(デッドスペース入れて10.5畳)と狭くてアンバイ良い家具が置けず、正直使えないリビング・ダイニングなので、隣の壁を取っ払ってLDを拡張すれば、ちょうど良い(大型)2LDKになります。僕の経験上、費用はクロスの張り替え込みで50〜100万円以内でした。
65.09㎡
(参考記事)(マンション購入に当たり、僕が理想の2LDKの間取りを手に入れるためにしたこと)
いつも記事を楽しみにしております。
ワイドスパンの2LDKに、まさにそうだと感じます。そして最後に書かれたリフォームしての2LDKはと言うのはまさにその通りで、私も家族も3人でしたので、新築3LDK(68平米)を買って3年ほどで2LDKにしました。キッチンと合わせて20畳になりましたので非常に快適でした。広いLDKは家族が集う場所なので大切です。
現在は子供も就職して家を出たので、ライフスタイルに合わせて、マンションは手放し、駅近の戸建て(96平米で2LDK)を作りました。駅直結や駅前のマンションのほうが更に良かったかもしれませんが、ライフスタイルがあるのでマンションでは実現できませんでしたので戸建てで作りました。
ファン様
いつも、お読みいただき、ありがとうございます!
励みになります。今は戸建てですか。ライフスタイルに合わせて、柔軟な住み替えをしてらっしゃいますね。勉強になります。引き続き、よろしくお願い申し上げます。