新築マンション価格を高止まりさせているのは誰か、みたいな話……。
【もくじ】
◇新築マンション、発売価格は高止まり
◇上位20社の発売戸数シェア、6割に迫る
◇大手デベの新築マンション市場支配力
新築マンション、発売価格は高止まり
新築マンション価格が高騰し続けて、首都圏では19年の平均価格は6千万円に届きそうな勢いだ。23区の平均価格はすでに7千万円を超えている(次図)。(不動産経済研究所が毎月発表しているデータをもとにマン点作成)
あまりにも高いので、庶民にとって23区での新築マンションはもはや高嶺の花。じっと眺めているしかない。様子見の人が多いので、在庫数は増加しているのに、発売価格は高止まりしたままである(次図)。
(同上)
かつてなら、需要の減少に音を上げたデベロッパーが値下げに走ったものだが、最近はそうはならない。超低金利に支えられて体力のあるデベロッパーが多くの在庫を抱えながらも売れるまでじっくり構えているからである。
弱小デベロッパーは淘汰され、大手デベロッパーのシェアはドンドン高まり、新築マンション相場形成への支配力は増していく……。
上位20社の発売戸数シェア、6割に迫る
不動産経済研究所は毎年2月、「全国マンション市場動向」を発表している。同資料のなかには、事業主別発売戸数(上位20社)、いわゆるランキングが掲載されている。上位20社の発売戸数シェア(全国主要都市の発売戸数に対する上位20社の合計発売戸数の占める割合)を可視化したのが次図。
それまで4割だったのが08年を境に上昇し、10年以降5割をキープ。ここにきて2年連続で6割に迫っている(18年58.5%、19年57.7%)。
08年に起きたリーマンショックの影響で、中小デベロッパーがマンション事業からの撤退を余儀なくされ、大手デベロッパーの寡占化がさらに進んでいるのである。
大手デベの新築マンション市場支配力
全国の発売戸数ランキングの推移をみると(次表)、大手4社(住友不動産、野村不動産、三井不動産R、三菱地所R)は順位が入れ替わりながらも、上位にランクインし続けている。上位20社の発売戸数シェア推移の内訳を可視化したのが次図。
3か年(17年から19年)の平均シェアは、1位8.8%、1~2位15.8%、1~3位22.1%、1~4位26.8%、1~5位30.6%。
つまり上位5社で3割のシェアを占めているのである。
10〜12月はGDPが年率6.3%ダウンと大幅マイナス成長でした。
増税の影響は思ったより大きく、日経平均から2年くらい遅れてマンション価格が連動するのであれば、この高値止まりは長くは続かないと思うのですが。
23区の発売単価は、下落傾向を見せ始めているようです。
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首都圏新築マンション市場動向(20年1月)|失速の兆候を見せ始めていたところに、高額物件の大量供給 – マンション・チラシの定点観測
https://1manken.hatenablog.com/entry/2020/02/17/shutoken-mansion-sijou