のらえもんですこんばんは!今日も私宛のメールが届きましたので回答させていただきます!
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差出人のハンドルネーム:港区の妖怪
質問内容:
のらえもんさんの新著ほしさ半分、ブログの更新頻度が減っていらっしゃるので生存確認半分で、勇気を奮って質問することにしました。
ということで、湾岸の妖精さんに港区の妖怪から質問させていただきます!
25歳から10年単位でマイホーム買い替えしており、そろそろまた住み替えの時期が近づいたので、年明けからモデルルーム訪問を始めております。これまで二回の住まいは港区だったのですが、手の届く価格だと狭くて引っ越す魅力がないので、海をこえてみたところ、湾岸エリアったら、海や空が広く緑も整備されていており、同じ価格でも広くてなんてすてきなんでしょう♡とかなり本気モードになりました。そんなテンションマックスの矢先のコロナで、一気に消沈し、これは少し冷静になれ、という神さまのお告げでもあるのだと自己解釈しております。
前置き長くなりましたが、冷水浴びせられてる昨今で悩んでいるのが、湾岸エリアの唯一の懸不安要素、地震です。ハザードマップも確認していますが、液状化や津波などのリスクが港区内陸よりも高い…。賃貸であれば引っ越せば済みますが、購入すると、ローン抱えて追加の修繕費、売却しようにも風評で価格下落などの不安要素が伴います。
のらえもんさんは、こうしたリスクに対してどのように考えてお住まいでいらっしゃいますか?何かリスク対策されていらっしゃいますか?不安だったら買わなきゃいいじゃん、リスク負っても買いたい人だけが住む街だ、とかいう回答ではないことを祈ります…。だって買いたいんだもん。
あと、もう一点。これまでもこれからもひとり暮らし(♀)におすすめの湾岸エリアマンションやエリアがあればお願いします。若いファミリーが多い豊洲はなんとなくあってない気がするんですよね…かといってどこがいいのか土地勘がないのでイマイチわかりません。物件自体はあれもこれもそれぞれ魅力的なのですが。今後のリモートワーク定着を可能性に入れて仕事部屋を確保したいので、50平米以上2LDKを希望しています。
以上、長くなりましたが、港区の妖怪から湾岸の妖精になりたく、ご助言いただければ、嬉しいです。
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たしかに湾岸エリアは液状化しやすい地域と判定が出ております。ピンク色をしたところが「液状化の可能性が高い地域」で、黄色が「液状化の可能性がある地域」です。先の震災でも、いくつかの場所は液状化現象が見られましたが、浦安のような砂が吹き出たり、マンホールが1mも隆起するような場所はありませんでした。
では、液状化が怖くないのか?なのですが、この答えは簡単です。
「液状化で人は死にますか?」
地震が起きた時に怖いのは、建物倒壊と火災です。これは直ちに命にかかわる問題です。この二つのリスクの重ね合わせがこの図です。
まぁ見事に環状七号~八号線沿いエリアに危険が多いことがわかると思います。ここで危険度が高いと指定されたエリアは湾岸にひとつも含まれておりません。命まで取られることはないんだから別に怖くなくない?
もう一つの災害は水害です。東京の歴史は水害との戦いでもあります。このリスクも公表されています。こちらをご覧ください。
湾岸エリアは海なので無限に排出先があり、地盤面もマイナスではなく4m以上あります。上流域で大雨が降り荒川が決壊しても湾岸エリアは水に浸かることがありません。なお、津波リスクもほぼありません。東京湾は入り口が狭く奥行が広いため、津波のパワーは拡散される場所であります。リアス式海岸と逆なのですね。
「いやそもそも災害リスクのある場所に住むのがおかしい。それならハザードマップを見て何の心配もない場所に家を買った方がいい」
いや、本当にその通りです。液状化しないなんて誰も言ってません。そのリスクはわかった上で、日常の利便性や通勤の快適さ、広々とした空と海を眺める生活を満喫しているのです。
“リスク対応”とググっていただきたいのですが、企業も個人も物事に対するリスクを認識したうえで4つの選択肢を取りえます。すなわち「回避」「軽減」「移転」「保有」です。なお、何事もリスク回避≒ゼロリスク志向は最もコストがかかります(ゼロリスクを取った場合、同じ条件同じコストはありえないってことです)。湾岸エリアに住むのは、液状化というリスクを保有するという選択肢になります。これはリスクそのものを受け入れられる程度の大きさと考え、回避や軽減策を取るよりもリスクをそのまま持っていたほうが、利益は大きいと判断しているということになります。
なお、「ひとり暮らし(♀)におすすめの湾岸エリア」ですが、勝どきをお勧めします。個人商店もあり、築地・銀座にも近い。下町風情もありつつ眺望もある部屋を選ぶことが可能です。月島もいいのですが、湾岸感は勝どきの方がありますね。
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