政府はあの手この手で新築マンション需要を喚起しようとしているが、笛吹けども踊らず、19年は遂に3万戸割れのドン底へ(次図、青色線)。
「首都圏新築マンション市場(19年度)」より
マンション市場が失速していたところに、コロナ禍が襲う。
【もくじ】
◇新築・中古マンション、戸数半減
◇新築・中古マンション、価格の落ち込みは少ない
新築・中古マンション、戸数半減
マンション市場が失速していたところに、遂に新型コロナウイルスの影響が顕在化した(次図)。首都圏の新築マンション発売戸数は、2・3月は前年同月比▲36%に留まっていたが、4月には遂に半減(▲52%)。5月は▲77%まで落ち込むことが予想されている。リーマンショックや東日本大震災のレベルを大きく超える。
首都圏の中古マンションの成約戸数のほうは、新築マンションに比べて安定していたが、4月に入って前年同月比で一気に半減(▲53%)してしまった。
(不動産経済研究所・東日本不動産流通機構の公表データを元にマン点作成)
新築・中古マンション、価格の落ち込みは少ない
首都圏で自粛が続くなかで、新築発売戸数・中古成約戸数とも激減する一方で、価格のほうの落ち込みは少ない(次図)。新築マンションの単価は、依然として上昇傾向を見せている。中古マンションのほうは、3か月連続で下落するもまだ50万円/m2を上回っている。
(同上)
新築マンションの単価が依然として高い水準を維持しているのは、値下げをしなくてもやっていける体力のある大手デベロッパーの寡占化が進んでいることの影響が大きい。発売戸数上位20社のシェアは現在6割に迫っている。
5月末をもって首都圏の自粛が解除されたとして、新築・中古マンション市場の需要がどの程度回復するのか。そもそも従来のような面前での営業活動が可能になるのか。withコロナ時代にはオンライン営業やVR内見が主流になるのか。
この時期の新築マンション選びについては、慎重な姿勢が望まれる。
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