マン点流!ノウハウ(リスクと流動性の視点)

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購入か賃貸か、新築か中古か、タワマンか板状か、大規模か小規模か、都内か郊外か、・・・。

判断に迷ったら、リスクと流動性の視点からも検討してはどうかという話。

【もくじ】
身もふたもない話
マンション購入とは「生活空間というサービス」を買うこと
リスクと流動性の視点で
まとめ

身もふたもない話

Twitterのタイムラインを眺めていたら、マスメディアではポリコレ懸念のため決して知れないようなリアルが流れてきた。
ここまで言ってしまっては身もふたもないのではないかと思ったものの、首がちぎれんばかりに肯首した。

賃貸と持ち家論争は、まず非正規や低所得、貧乏自営業者は住宅ローン組めないので選択肢がなく一生大家さんに貢ぐしかないのよね。そんで世帯年収700万円位までの層は、単に同じ部屋でも35年ローンの毎月の返済額が家賃より安いというCFの問題で資産価値の低いマンションでも購入せざるをえない

@_Jiro70 ツイート 8月11日

スムログに相談を寄せる読者の多くは、非正規や低所得、・・・とは無縁の世界に生きている。スムログに寄せられる相談を見ていると、コロナ禍であっても若い人からこの物件はどうでしょう的な内容が目につく。

そもそもスムログの読者だから新築マンションを買う気満々、あるいはどうしようかと逡巡している人たちからの質問が多いということなのだろう。質問者はスムログブロガーにちょっと背中を押してもらうことを期待しているようなところもあるのかもしれない。

マンション購入とは「生活空間というサービス」を買うこと

どんなにマンション市況が高騰していても、欲しいものは欲しい、買いたいものは買いたい。どのように判断しても、それはそれでその人の自由だ。

ただ、住宅ローンという名の借金を背負って手に入れたのが、マンションというモノだというのは幻想ではないか。賃貸も購入もどちらも「生活空間というサービス」を利用しているにすぎない

投資としてではなく、終の棲家として考えているのであれば、なおのことマンションはモノとしてとらえるべきではない。マンションというモノを買うのではなく、「生活空間というサービス」を買うことと捉えたほうがいいだろう。

より良い生活空間を維持するためには、生活空間を適切に維持するための管理費や修繕費が適切な水準であることはもちろん、良好なコミュニティの形成が欠かせない。
「マンションを買う」ということは、「運命共同体に参加する」ということなのだ。賃貸と違うのは、容易に運命共同体から抜け出すことができないこと。
同じサービス利用料を払っていながら、購入のほうは運命共同体に参加し続けなければならないという不自由さがあるのが最大のデメリット。

リスクと流動性の視点で

マンションを購入したほうがいいのか、このまま賃貸を続けたほうがいいのかという相談に対して、総支出額で考えようというFPな回答はよくある話。

その前提条件は借入金利であったり、借入期間であったり、一定の条件を付しているのであるが、そのような前提条件が本人の収入状況も含めて、この先もずっと続くのか。ある程度のリスクを見込んだうえでの判断とならざるを得ないだろう。

購入か賃貸か、新築か中古か、タワマンか板状か、大規模か小規模か、都内か郊外か、・・・。

判断に迷ったら、総支出額での比較検討に加え、「生活空間というサービス」の対価として考えてみてはどうだろうか。特に、「リスク」と「流動性」の視点からも評価してみる

いざ住んでみたら隣に変な人が住んでいたリスクとか、駐車場に建たないはずだった高層マンションが建って眺望が毀損されたリスクだとか、そんなはずではなかったリスクに出会うことがないとはいえない。

そんなとき、賃貸であれば一般的には1か月前に契約解除を申し出れば転居することができる。あるいは1か月分の賃料を支払えば直ちに転居することが可能だ。

一方、購入した場合にはそう簡単にはいかない。購入したマンションの流動性の高さが問題になる。現状では資産性が高くすぐにでも売却可能な物件であったとしても、将来にわたって人気物件であり続けるかどうか……。

あと、賃貸マンションの低水準仕様論について。

新築分譲マンションは最新の設備が導入されていて各仕様も賃貸マンションに比べて全般的にグレードが高いというのはそうだろう。でも、賃貸物件であっても全部が全部グレードが低いわけではない。

まとめ

購入か賃貸か、新築か中古か、タワマンか板状か、大規模か小規模か、都内か郊外か、・・・。判断に迷ったら、リスクと流動性の視点からも検討してはどうかという話である。

決して購入を勧めているわけでもないし、賃貸を勧めているわけでもない。それを決めるのはあなた自身。

この記事をもとに判断したことによって生ずるいかなる損害に対しても一切責任を負うものではない。念のため。

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ABOUTこの記事をかいた人

一級建築士/マンションアナリスト/長寿ブロガー(19年超)

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