「モモレジのちょっと得するマンション選び」第7回です。
前回・前々回に引き続き、「専有面積と部屋数(●LDK)による歪み」について述べていきますというか、現状はまだ専有面積と部屋数の適切な関係について述べているのみで「価格の歪み」にまで達していません・・・。
⇒モモレジのちょっと得するマンション選び第5回「専有面積と部屋数の適切な関係①」
⇒モモレジのちょっと得するマンション選び第6回「専有面積と部屋数の適切な関係②」
※画像に意味はありません。画像がない寂しさを紛らわすためです(笑)
お台場、いや、正確には江東区青海、踊る大捜査線で有名な東京湾岸警察署の隣にある「THE SOHO」です(注:織田裕二さんがCMに出ているオープンハウスはこの物件には関係していません。当たり前か・・・)。
外観やエントランスだけでも十分にお洒落な物件なのですが、それだけではないのがこの物件の凄い所です。
この「THE SOHO」は外廊下タワマンによくあるようなフロア中央部が吹抜の設計となっているのですが、その共用廊下の眺めが凄いのです。
このSOHOに相応しいクリエイティブな感じがたまらん
湾岸署に行く機会のある方はぜひこちらをご覧いただきたい。普通ないと思うけど(笑)
※私としたことが写真を取り忘れたので借りました・・・。出典は仲介業者のクリアビジョン様です・・・。
さて、前回の終わりでは、1LDKは40~44㎡が適度となる理由を述べましたので、次は、2LDKと3LDKについて述べて行きます。
まず、「2LDK⇒54~58㎡」ですが、2LDKにおいては1LDKのところでちらっと述べた「LDが10畳以上か否か」という点、それに加え「住宅ローン控除の適用となるか否か」という2点が肝となります。
1LDKで述べた「数字上の納得感」という意味では、60平米以上に優位性があるのですが、昨今のように当たり前のように60平米台前半の狭小3LDK(引き戸を開くと2LDKとしても使える)が数多くリリースされている状況下においては、「プチ3LDKとの競合」や「グロスの嵩み」というデメリットも少なくないので60平米台はオススメしにくい面があります。
※次回以降でも述べますが、グロスの嵩みを考慮して50平米台に比べ60平米台がかなり坪単価安の価格設定になっていればそれはそれで検討余地有りなのは言うまでもありません。
それで、まず「LDが10畳以上か否か」という点ですが、2LDKは基本的に2人住まい(ディンクスもしくは子供が独立した老夫婦)や小さなお子さんのいる子育てファミリーが想定されるため、LDだけで10畳以上はあってしかるべきだろうということを意味しています。
4~6畳の洋室2室を確保しつつもLDで10畳以上を確保しようとすると廊下が短く無駄のないプランであっても少なくとも54平米程度は必要となるということです。
まぁ、55平米以上あってもLDが10畳確保出来ていないケースも少なくないですし(そのようなケースではLDだけで独立表記せずにLDKを纏めて12~13畳で表記していたりしますね)、間取りによる影響は少なくないのですが、もう1つの重要な要素である「住宅ローン控除の適用となるか否か(登記面積(内法面積)が50平米以上か)」を考慮した場合にも「53~54平米以上」が基準となるので、これらの2点を勘案した結果54~58㎡が最もバランスが良い水準であろうと言うのが私の結論ということになります。
最後は3LDKのケース、「3LDK中住戸⇒70~75㎡」についてです。
ここでの上限を74㎡にするか75㎡にするか迷ったのですが、四捨五入すれば80㎡となり1㎡以上の豊かさを感じやすいかな・・・と思い75㎡まで入れることにしました。
ここでのポイントは1LDKのところで説明したものと同じで「LD(1LDKの場合はLDK)が10畳以上」と「数字上の納得感」ですね。
3LDKでLD以外の居室3室に4.5~6畳、かつ、違和感ないだけの適度な収納を確保した場合にLDが無理なく10畳を越えるのは「70平米前後」になります。
廊下を短くしたり収納を減らしたりすることで60平米台中盤の3LDKでLDを10畳以上確保しているケースはよく見られますが、そういったケースではLDの入口ドアがかなり玄関寄りにあるなど、LD畳数を水増ししていることも少なくないですし、本当の意味でLDが10畳以上、水回りのゆとりなども含め3LDKらしい使い勝手を感じるためにはやはり70平米前後は必要かと思います。
そして、これに「数字上の納得感」、つまり、十の位が「7」であることを加味すると3LDKは70平米以上が望ましいと考えられるというわけです。
少なくとも2000年代の10年間は3LDKと言えば70~80平米台があたり前のような時代だったわけですし、結構幅広い年代の方にとって「3LDKなら70~80平米台」という感覚が少なからずあるはずなので、間取りに無駄が多いか少ないかは別として70平米以上がやはり手堅いということになります。
最後の最後は、「3LDK角住戸⇒76~82㎡」についてです。
まず、あえて「3LDK中住戸」と分けている理由ですが、3LDK全体をレンジ表記するとレンジが広くなりすぎてしまうというのもあるのですが、角住戸は中住戸よりも一般的に人気があり、そのエリアの検討者のうち所得上位の方々が対象となるので、「価格のグロス高が中住戸ほどは障害になりにくい」という点、さらに言うと、「角住戸は一般的に玄関位置の関係上、廊下が長くなり同じ専有面積の中住戸と比べると居室畳数を確保しづらくなる傾向にあるので、中住戸に比して広い面積を確保すべき」という点を考慮しているからです。
そして、ここでは他と同じ「LDが10畳以上」である点の他、「角住戸ならではの華」があるか否かがより重要となると思っています。
「LDが10畳以上」という点についてはこれまで再三説明してきている通りで角住戸3LDKでも「70平米以上」あれば問題なく達成できるのですが、先ほど書いたように角住戸は玄関位置の関係上廊下が長くなりすぎることも少なくないので、それによる面積消費などを考慮した場合75㎡程度はあって欲しいのです。
一口に角住戸と言っても、中住戸と大差のないプラン設定で玄関廊下が一直線のケースなどでは76平米以上の専有面積なぞ必要ないということになるのですが、ここで言う「角住戸」というのは「エリア内所得水準上位の方が納得する角住戸」のことを言っているのであり、その場合には「角住戸ならではの華」を感じることのできるプランが必要で、その場合には76~82㎡程度が望ましい、と思うわけです。
つまり、玄関廊下が一直線でプライバシー面への配慮に欠けたり、LDが二面採光でなく一面採光だったりと言ったような「住戸位置だけが角住戸」のようなケースで80平米前後となると価格面でのグロスの嵩みが大きな障害となることが少なくなく、そのようなケースでは、モデルルームに来場したほとんどの方が「お金があればこの部屋が欲しい!この部屋に住みたい!」と思うような「角住戸ならではの華」があるかないかが非常に重要になってくるというわけです。
具体的には「13~14畳以上のLD(大概の物件のモデルルームは3LDKの基本プランを1LDKとか2LDKにしてるわけですが・・・)」、「二面採光で豊かな開口部のあるLD」さらには「廊下をそれなりに確保するからこそ実現できる居室独立性(リビングインの居室が少ない)」と言ったような「華」「優雅さ」、そして角住戸ならではの「住みやすさ」を備えた角住戸である必要があり、それらを満たしつつもグロス価格の嵩みがほどほどに抑えられる面積水準を考えた場合、「76~82㎡」程度がベストと言えるのではないかと思っています。
ここまで掲載するのに大分日数を要してしまい、伝えたいことがきちんと伝わっているか少々不安なのですが、次回からはいよいよこの「各●LDKごとの適度な面積」を意識しつつ新築分譲時に価格の歪みを感じる方法、ちょっとお得な部屋を見つける方法について言及して行こうと思いますので、お時間のある時にでも以前の記事からまとめてお読みいただいておくと内容がよりスムーズに入ってきやすいのではないかと思います。
こちらもど~ぞ。
モモレジの名作マンション訪問
⇒Vol.10御留山界隈
⇒Vol.11武蔵小杉界隈①
利害関係のない第三者的な視点から間取りや価格等について毎日記事を更新し、扱った部屋数は5年超で4,000室を超えている本ブログ
⇒マンションの間取りや価格を言いたい放題
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