スムログではモモレジさんが間取りの話をしないと言うので火事場泥棒のように間取りの話をしよう!ということではありません。(笑)そもそも正面から向かっていったってモモレジさんより価値のある話ができるかというとそれは読者の皆様も僕自身も首を横に振らざるをえません。残念ながら。
本題に戻しますとモモレジさんとのらえもんさんの
モモレジのちょっと得するマンション選び(第6回)
モモレジのちょっと得するマンション選び(第7回)
間取りと生活の自由性と資産価値の難しい関係
両記事を読んでいてなるほどなと思いつつ、この話題に乗っかって行こうかなと思いました。
なぜ55㎡の2LDKと70㎡の3LDKがやたら多いのか
多いと思ったことないですか?僕はずっと思ってました。なぜそうなるのかは構造的な話からはのらえもんさんが、プラン的な話からはモモレジさんがそうなる理由を説明されてましたが、それらを踏まえて僕が勝手に私見をまじえてまとめると「〇LDKっぽいと多くの人が認める最小の面積だから」といったところでしょうか。
もちろん実需の新築マンションではグロス価格が検討者の心理から見てもそのエリアの上限予算から見ても重要となってきます。
50㎡台前半の2LDKや60平方メートル台の3LDKは、建築費や土地取得費の高騰で面積を刻まなければグロス価格が対象価格帯をオーバーしてしまうというときに背に腹は代えられず選択されるプランという印象ですね。
(50㎡代前半の2LDKは住宅ローン控除適用外にもなりかねないので本当に苦肉の策ですが)
なぜモデルルームは部屋数を減らすのか
新築マンションのモデルルームはだいたい部屋数を減らしています。ブリリアタワー上野池之端モデルルームに行ってきた(3)※モデルルーム画像追加
ブリリアタワー上野池之端を例にとると、2LDK⇒1LDK、3LDK⇒2LDK、4LDK⇒1LDK+DEN+KOAGARI(和室)に間取り変更しています。
なぜ部屋数を減らすのかというと、大きく言うと「部屋を広く見せたい(狭い部屋を見せて購入意欲をそぎたくない)」と「LDを広く見せたい」ためです。
一生の買い物をさせるために営業する側は細心の注意を払います。部屋が狭く思われてしまってはいけない。家具が大きいためにLDが狭く見えてはいけない。だから一部屋一部屋やLDが広くなるように部屋数を減らしますし可動式間仕切りは基本的に開けておきます。落ち着いた気持ちになるようにゆったり感のあるBGMを流し、柱が邪魔であれば気にならないように鏡を貼ります。物理的に狭い部屋であれば明るい色合いの床材や建具を使い、暗い色、シックな色合いの床材や建具は広い部屋に回します。洗濯パンには何も置きませんし冷蔵庫の場所にも何も置きません。
当たり前の話ですが「見せる」ための部屋と「生活する」ための部屋は違います。「見せる」ための部屋で生活ができないのと同じように、「生活する」ための部屋では購買意欲はわきづらいでしょう。
なので、マンション購入とは「見せる」ための部屋=購買意欲と「生活する」ための部屋=生活イメージの2本の柱がそろって初めて成り立つものと言えるかもしれません。
あえて資産価値を離れて
モモレジ、のらえもん両氏が仰っていた、中古流通を考えた時に有利な面積・間取りがあるというのはわかります。それは割合、一般的な年代(価格高騰していない時代)のボリュームゾーンとほぼほぼ一致するものです。しかし僕は思うのです。皆あまりに資産価値だとか買い替えだとかにこだわりすぎじゃないのかと。まあそりゃ買い替えできないよりは買換えできた方がいいに決まってるし資産価値も高いに越したことがないけれども、それがいちばんプライオリティ高いことなのかというと、実際のところ人によるのではないでしょうか。(これを僕は勝手にオッキー病と呼んでいます)55㎡の2LDKや70㎡の3LDKは数も多くターゲットになる人も多く、いわば最大公約数的な存在です。されど最大公約数だからといってあなたの家族の希望を満たすかどうかはまた別の話ですし、本当はそれが一番大事なことではないでしょうか。既製品が合うならそれを着ればいい話です。でも既製品に体を合わせるのはちょっと本末転倒ではないでしょうか。資産価値や買い替えを念頭に置けば置くほど、「普通」の間取りしか選べなくなり、壁に穴開けるとか間取りの大幅な変更とかも及び腰になっていって結局のところ部屋へのコミットメントが賃貸とさほど変わらなくなっていきます。そうじゃなくてうちは家族3人だけどモノが多いから70㎡では困る、だけど部屋数はそんなにいらない、とかコの字型キッチンがいい!とかそれぞれの一番かなえたい希望・ニーズを実現してこそ何十年もローンを組む意味が出てくるんだと思います。個人的な希望と普遍性(資産価値)はトレードオフなところがあるので、どこまでこだわりを貫くかはそれぞれの判断としか言いようがないのですが、そういう選択肢もあるよと知っておくのもプラスになるのかもしれません。
具体的には、自分の望む広さや間取り、立地を求める人が好立地の築古マンションを買ってイチからリノベーションしたりはよく聞きますし、あるいは注文住宅のように建築士と相談して間取りや建具やなんやかやを決めていく三菱地所レジデンスのスタイルハウスシリーズは面白い試みだなと思います。(事例紹介のページなんかはそれぞれの家族と向き合ってるところが見えます)
前回のマンション選びだけ頑張っても意味がない!?ではマンション購入はこれまでの人生の成績表と申し上げましたが、それとは別の観点で、マンション購入というのは生活に何を求めるのか?何にプライオリティを置くのか?を明らかにしていくものなのかもしれませんね。(望むと望まざるとにかかわらず)
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