建築技術に明るくない人でも、マンションの建物性能を容易に見極める方法がある。
東京都が運用している「東京都マンション環境性能表示」である。
都内限定の制度ではあるが、マンションを選ぶ際には、同制度を的確に活用したい。
【もくじ】
◇あなたが選ぼうとしているマンションの「☆の数」は妥当か?
◇これまでに発行されたラベルは4種類
◇「東京都マンション環境性能表示」の相場感
◇もう一つの裏ワザ(建築物環境計画書をチェック)
◇あわせて読みたい
◇おまけ
あなたが選ぼうとしているマンションの「☆の数」は妥当か?
「☆の数」は多いに越したことはないが、そのぶん価格が高くなる。「太陽光発電・太陽熱」が3つ星だと、「環境に優しいですよ」とか「省エネの進んだマンションですよ」とかセールストークになり得るが、コストパフォーマンスはどうなのか?
後々の維持管理が大変になることはないのか?
これまでに発行されたラベルは4種類
マンション環境性能表示は、「建築物環境計画書」が提出された時期によって表示するラベルが異なっている(次図)。「なぜ「年度基準」の違うラベルが混在しているのか?」より
省エネ基準などの変更に伴い、基準内容が微妙に変わってきている。
都の「マンション環境性能表示」のページから、市区町村ごとの公表データを閲覧することかできる。
特にページ左下の「マンション環境性能表示の一覧」(ピンク色破線囲み)をクリックすると、全ての市区町村のデータが「年度基準」の新しい順に表示される(次図)。
忙しいあなたのために、各基準年度の傾向を分析した結果を以下に整理してみた。
「東京都マンション環境性能表示」の相場感
表示が義務化された「2009年度基準」以降、物件数が急増したが、新築マンションの供給戸数の減少により、2014年度基準の物件数は激減している。2000年度基準以降、「設備の省エネ性」と「建物の断熱性」は3つ星が当たり前という状況にある。あなたが検討中の物件が2つ星以下の場合は要注意であろう。
「みどり」と「建物の長寿命化」は概ね2つ星が平均値。
「太陽光発電・太陽熱」は1つ星が平均値。定格出力の合計が5kW未満の場合が1つ星。自分の住むマンションで地球温暖化防止に大いに貢献したいという人でなければ、必要以上に☆を稼ぐことはないのでは。
もう一つの裏ワザ(建築物環境計画書をチェック)
もし都のホームページに、あなたの関心がある物件の環境性能表示が未だアップされていなくても、「建築物環境計画書」をチェックしてみよう。建築物環境計画書が公表されていれば、「エネルギー使用の合理化」 「資源の適正利用」「自然環境の保全」など、「マンション環境性能表示」に係る詳細情報を知ることができる。
「建築物の断熱性能と省エネ性能の一覧 | 東京都環境局」より
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