「あまり名前を聞いたことのない売主だけど大丈夫なの?」と思ったときに、どうやって売主の信頼性を確認するのかという話。
ざっくり言うと
◇免許番号から売主の実績を知る
◇国交省の「ネガティブ情報」をチェックする
◇東京都の「行政処分歴」をチェックする
免許番号から売主の実績を知る
たとえば、△△地所と〇〇総合開発の2社が売主となっているマンションチラシ。「物件概要」に記された小さな文字に目を凝らすと、「△△地所 国土交通大臣(1)第****号」という表示がある。
「東京都知事」ではなく、「国土交通大臣」による宅建業免許の番号なので、△△地所は、2つ以上の都道府県に事務所を設置して営業活動していることが分かる。
カッコ内の数字が1なので、免許を取得してから5年未満であることも分かる。△△地所のホームページで確認すると会社設立が1999年2月となっている。ずいぶんと若い会社だ。
一方の〇〇総合開発の宅建業免許の番号は、「国土交通大臣(10)第****号」となっている。
免許の更新期間は1996年4月1日から5年ごと、それまでは3年ごとだった。
したがって、年数を逆算すると、〇〇総合開発は1970年代後半から2つ以上の都道府県に事務所を設置して営業活動していたことが分かる(次図)。
会社設立は1959年11月だから、1960年代までは都内だけで事業展開していたのだろう。
このように宅建業免許の番号が大きい場合は、営業年数が長く信頼がおけるのだが、番号が小さい会社には注意が必要だ。
マンションの寿命よりも社歴の短い売主から”一生の買い物”を買うことには慎重でありたい。
ちなみに、宅建業法の違反歴があると申請時に番号が更新されない。
では、違反歴はどのようにして知ることができるのか?
確認方法は二つある。
国交省の「ネガティブ情報」をチェックする
ひとつは国交省の「ネガティブ情報等検索サイト」事業者の過去の処分歴などの「ネガティブ情報」を一元的に集約したポータルサイトだ(次図)。
住居や交通に関係する事業者のネガティブ情報が開示されている。
マンションに関係しそうなのは、「建設業者(行政処分)」「建設業者(指名停止)」「宅地建物取引業者」「マンション管理業者」「一級建築士」など。
行政処分等情報として掲載されている業者のうち、マンション管理業者(17社)と宅建業者(11社)は20社にも満たないが、建設業者(2,195件)は2千件(複数回の行政処分を受けている建設業者あり)を超えている(7月7日現在)。
建設業界はブラック過ぎないか?(ブラック度対決!不動産業界vs建設業界)。
東京都の「行政処分歴」をチェックする
そしてもう一つは、東京都の「宅地建物取引業者の免許情報提供サービス」(次図)。デベロッパー名(または免許証番号や市区町村名)を入力するだけで、デベロッパー(=宅地建物取引業者)の当初の免許年月日と現在の免許の有効期間、資本金、過去5年以内に受けた行政処分歴などを知ることができる。
東京都知事免許業者だけでなく、都内に主たる事務所(本店)がある業者であれば、国土交通大臣が許可した業者情報も照会可能だ。
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