【モデルルーム訪問5】ザ・パークハウス名古屋(第2期は買いか?)

第1期で大人気となった「ザ・パークハウス 名古屋」の第2期モデルルームを訪問しましたので、今後の展望も含めてご紹介します。

開発全体像 出典:ニュースリリースより


第2期はブリリアントスクエアの販売になります。第1期の抽選終了後から落選された方への第2期の案内をしており、12/5からが新規来場者の受付となってました。

スケジュールとしては、2021年の2月下旬より登録受付、3月上旬に抽選の予定となってます。

第1期の落選者には3倍の権利が与えられてます。

今回は、いつもと形式を変え、物件の説明自体は端折って「2期は買いか?」に焦点を当てて書いていきます。

物件概要

とはいえ、一応簡単に物件の概要をおさらいします。

所在地:愛知県名古屋市西区則武新町3丁目123番1(地番)
交通:(1)名古屋市東山線「名古屋」駅 徒歩12分
(2)名古屋市東山線「亀島」駅 徒歩6分
(3)名鉄名古屋本線「栄生」駅 徒歩9分
総戸数:462戸
間取り:2LDK~4LDK
専有面積:61.22m2~91.04m2
敷地面積:18180.96㎡
階建て:地上19階、塔屋1階建1棟
駐車場:403台
駐輪場:497台
竣工時期:2021年10月上旬(アベニュースクエアは2021年11月下旬)
入居時期:2022年1月下旬
用途地域:商業地域/準工業地域
売主:三菱地所レジデンス株式会社
三菱商事都市開発株式会社
野村不動産株式会社
管理会社:三菱地所コミュニティ株式会社
施工会社:矢作建設工業株式会社

周辺地図 出典:公式HP


三菱地所がノリノリで出した第1期販売後のプレスリリースを見ながら、物件の要点をおさらいします。魅力部分は以下に上手に纏められてますね。

■お客様に評価いただいた点
①リニア開通の期待感もあるメガターミナル「名古屋」駅が徒歩圏という交㏻利便性の高さ
②約11.8haの広大な敷地を擁す「ノリタケの森地区計画」内の良好な環境のノリタケの森と、充実した商業施設(イオンモール)とが共存する住環境の良さ
③約18,000 ㎡の広大な敷地に緑化約30%の豊かなランドスケープ
④都心でありながら付置率87%の自走式駐車場

一言でいれば、「名古屋駅徒歩圏内でこれほどの住宅商業一体開発は今後はありません!」ということでしょう。

首都圏と比べれば名古屋の商園は決して広くはないものの、最大のターミナル駅である名駅から徒歩圏で再開発可能なこの広さ開発用地は単純に存在しないことは事実です。

そして、自走式駐車場の設置率が高いことも購入者には大きな魅力に映ったことでしょうね。名古屋中心地では設置率が3割り程度のマンションが多く、また、機械式かタワーパーキングので出し入れも大変ですから。

交通利便性としては、亀島駅徒歩6分で利用出来るのはとても大きいです。基本的に名古屋駅界隈は徒歩で行くとして、オフィス街の「伏見」、繁華街の「」エリアに行く際に、わざわざ12分以上歩いてたどり着いた先で東山線に乗る(しかも1、2駅のために)しかなかったとしたら、使い勝手は悪すぎました。その点、亀島駅からであれば東山線直通でアクセスすることができます。

正直、亀島駅がなかったら交通利便性は絶望的な立地だったかと。個人的には亀島駅が徒歩10分以上かかるのであれば第1期の値段でもほしくないです。

③も地味に大きいでしょう。近くに「ノリタケの森」やこのマンションの敷地内の様な、植栽豊かな場所があるというのは結構QOLが上がります。特に、昨今はリモートワークで家にいる時間も長くなてますし、仕事終わりや間に、緑を眺めながらぼーっと歩くというのがストレス解消になりますので。

デメリットは勿論リリースには記載がありません(笑)。
「水害」のリスクが一番気になる点かと思いますが、「グランドメゾン名駅三丁目」のモデルルーム訪問記事にも以下の様に書きましたが、行政として水害対策を実施してますので、そこまでリスクは大きくないと考えます。

名古屋市民の一般論では、堀川より西(名古屋駅含む)は水害の多いエリアと言われ敬遠されがちで、実際にハザードマップ上でも内水氾濫で0.2~0.3m、庄内川・矢田川が氾濫した場合で2~3m浸水する予想となってます。しかし現在、名古屋市が地下に巨大なパイプを名古屋港方面まで張り巡らせ、水を逃がすための工事(名古屋駅周辺の浸水対策)が進んでおり2024年に完成予定とのことです。完成すれば1日に180mmの雨量には耐えられる(180mmは平成12年の東海豪雨の記録を基準にしている)。ので、水害のリスクは少なくなります。
こういった計画は立ち消えになることもありますが、名駅周辺はリニアという国策事業が控えているわけですのでしっかりと完成するでしょう。

続いて、登録者の属性について

■登録者の特徴
・居住地は、愛知県68.4%、うち名古屋市50.4%、愛知県外で31.6%
東京12.6%、その他道府県19%。地元が半数を占めている一方で、東京からの関心も高い
・年㱋層は30代25.8%、40代26.7%、50代14.9%、60代12.6%、70代以上 7.6%幅広い年代層から関心を集めている
・職業は、会社員が約49%、会社役員が16%、経営者8.2%、医師・弁護士・会計士が8.2%で続く 会社員以外の職業が半数以上
・東京の会社員で、会社がテレワークになるため地元で購入したいといった声も複数見られた

最後のはこのご時世のリップサービスでしょうね。
東京からの買いの多くは投資用(あるいは投資目線の強いセカンドハウス)でしょう。その他の県については、投資用の購入の他に、岐阜県からの買いが相当数入っていそうですね。(岐阜県の主要な岐阜駅や多治見駅から名古屋駅は20分、35分で行ける程度には近いですから、そちらに地縁のある人も買いやすい。)

総登録件数が434件で、上記の愛知県外31.6%は約134件、特に倍率の高かった11階以下の低層2LDKの登録件数は約170件なのでなんとなく数字は合ってくるかと。つまり人気の高かった低層2LDKは投資用、その他多くの1倍住戸は自己住居用として買われたということでしょう。

第1期は買いだった?

そもそも、第1期は買いだったのかという話になりますが、私の意見は買いだったと考えてます(もちろん住戸によりますが)。

第1期はイオンに一番近い「ディライトスクエア」と名駅方面に抜け感があり真南方向を向く「センタースクエア」の2棟の販売でした。
第1期の平均は約270万円で最安価格は坪217万円(62.39 ㎡ 2LDK 2階 4100万円)。周辺中古相場的に最寄りの亀島駅周辺で中古で坪180万円~200万円程度であるため、結構な高値チャレンジのように思えますが、一方で、直近の新築マンションでは2020年築の「オープンレジデンシア名古屋駅 THE COURT」が平均坪単価300万円で112戸完売しています(オープンハウスの営業力が強い&コンパクト中心というのもあるかと思いますが)。

上記を踏まえると、大手ブランド、大規模的に比較物件は存在しませんし、名駅から栄方面にかけては坪400万円時代が到来しつつあるので、坪270万円は割安であったと言えるでしょう。

何故割安な価格だったのか?

この部分は憶測の域は出ませんが、主に3つあると考えてます。
  1. 当初よりも計画が大幅に遅れ、その間に市況の変化があった
  2. コロナの影響で更にモデルルームオープンが遅くなった
  3. 大規模ゆえに販売に勢いを付ける必要があった
このノリタケの森再開発計画は当初「初計画の完成目標はなんと「2016年」でした!(着工でも販売開始でもなく、”完成”が2016年。)

その後、見直しで「2019年」完成と変わり、更に計画が後ろ倒しになり、現在の「2021年」完成となりました。つまり軽く5年は当初の計画から遅れていたわけです。

計画が遅れた理由は、当時の報道によれば、売主と行政との間で規制緩和に関する話し合いが難航したことが原因だそうです。

5年完成が遅れて2020年に販売が開始されたということは、本来なら2014~2015年ごろに販売が開始されていたことなります。

この2014~2015年でピンときた人もいるかもしれませんが、首都圏同様に名古屋でもマンション価格は2014年頃からさらに高騰しました。よく言われていることですが、建築費と土地代の高騰、それに住宅ローンの金利低下で主に購買層のパワーカップルが食らいついてきたことが要因です。

東京カンテイのレポートにもあるように、2015年から名古屋市で20%程上昇してます。2015年以前の土地取得時点で採算が合う計画だったわけなので、この間の地価上昇の差を売主である三菱地所が埋めて来なかった結果といえるでしょう。

さらに、この手の大規模マンションを捌くはある程度の勢いが必要なのは言うまでもありませんが、そこにコロナショックが直撃し販売が後ろ倒しになってしました。

アベニュースクエアを除く332戸を竣工1年前からの販売開始するわけですから、余裕で高値販売を狙っている場合ではなかったのでしょう(想像してみればわかりますが、この先コロナの経済影響が不透明な状況で第1期でコケたら悲惨な状況になりかねません。)。

第2期の販売について

販売は前述の通り、ブリリアントスクエアの販売になります(アベニュースクエアは更に後の販売)。

ブリリアントスクエアのメリットとしては、
  • 相互利用の共用施設がないため、他の棟住民の出入りがない
  • 名駅方面から帰宅した場合、センタースクエアの次に敷地内の移動距離が短い
ぐらいですね…。正直、第1期のディライトスクエア、センタースクエアの方がイオンとの近さや眺望面でのメリットが大きかったのは事実です。ただ、今後のアベニュースクエアにはメリットがあるとすれば、ゴミ置き場が専用になるぐらいで、更に名駅方面から帰宅した際は移動距離が長くなるので、次期を待つことは得策でないと思います。

価格表

第2期の予定価格表です。クリックで拡大します。
上が価格、下が坪単価です。

第2期予定価格表


平均坪単価は約280万円です。第1期が約260万円でしたので約1割アップです(前述の通り、条件は第1期の方が良かったので体感的にはもう少し開きがありますが)。

このあたりの値付けはホントに三菱地所は上手いですね。第1期をお祭り価格にしたことも含めて。

「第1期をお祭り価格で売り勢いをつけ、第2期はその勢いを保ったまま妥当な価格で勝負、最後は、多少長期化しても、第1期分の利益を取り戻すぐらい値上げして売り切る」ということでしょうね。
巷では三菱地所の値付けが良心的なデベロッパーと言われてますが、個人的は相当な食わせ者だと感じます(けなしてません褒めてます)。

眺望とおすすめの階

前建ては2LDKの列と隣の3LDK中住戸に被ってきます。8階建て賃貸マンションと道路挟んでその斜め後ろに9階建てがあります。その他の列は眺望は抜けたとしても、先にランドマーク性の高い建物はありませんので、基本的に階による価格差はあまりありません。

最も前建て影響が大きい60Aタイプ2LDKの眺望シュミレーションです(高さは各階の床相当)。

60Aタイプ3階相当


60Aタイプ9階相当


60Aタイプ9階相当


60Aタイプ11階相当


60Aタイプ13階相当


60Aタイプ17階相当


2LDK(60Aまたは60B)については、9階は前建てをしっかり抜けてきますので、価格としてはこの「9階 5,300万円」が区切りになるでしょう。ただ、8階はご覧の通り下部は被りがあるものの、ベランダにでなければ、ほぼ気にならない程度かと思いますので、価格が出てませんが、9階と100万円以上差があるのであれば、8階がおすすめです。そうではないなら、完全に抜ける9階以上(できれば13階前後)をおすすめします。

逆に、8階以下は目の前の賃貸マンションのバルコニー面とコンニチハとなるので、賃貸に回すか、永住目線でないとキツい条件になりますね。

B-70B 出典:HOME’Sより


その他、3LDK、4LDKについては、階の価格差はないものの、7,000万円の壁を意識した値付けになってます。特に価格差が不自然にない「70Bタイプ」の17階前後がおすすめです。1部屋が行灯になってしまいますが、その代わりリビングのサッシ4枚分ありますので、サッシ高2200mと相まって開放感抜群になりそうなのが良いですね。

まとめ

第1期と比べ条件が悪くなり、さらに値上がりもしたので心理的には買いづらいのは確かです。

しかし、そもそも、第1期の価格は「計画遅れ」、「大規模」、「コロナ」が重なった偶然の産物でしたので、この計画自体(「ノリタケの森」、「イオン」、「マンション」)が気に入ったのであれば、購入すべきだと思います。

今後、名駅付近の住宅系の開発があるといえば、名駅南や笹島が思いつきますが、規模感は勿論、交通利便性は明らかにこちらの方が良い(前述の通り「亀島駅」が利用できるため)ので、あとから次々と同じ様な出物はないと言えるでしょう。

センタースクエアのアプローチ 出典:公式HP


今回、あえて、建物や設備等には触れませんでしたが、大規模、逆梁工法、植栽の豊かさ、専有部のゆとり、立地、等々を加味すれば、将来的にヴィンテージマンション化する可能性を秘めた物件であるとも言えます。

で、もうぶっちゃけて言えば、皆さんお忘れ気味のリニアも、何だかんだ10年後ぐらいには開業するわけですし、加えて、隣接する名駅、伏見、丸の内、栄で現在進行系でバンバン再開発してるわけです。リニアが開通する10年後に、マンションを含め、名古屋の中心地の不動産が今より下がりまくっていることなんて普通に考えればありえないわけですから、ありていに言えば、

とりあえず買っとけ!

というのが率直な感想です。

ただし!

次のアベニュースクエアでさらなる値上げ(1割値上げして坪300万円ぐらい)なら、正直、余程気に入らない限りはおすすめしません。さすがに将来価値を含んでしまっている(というか第1期分の利益も乗っかってる)ので。

それから、賃料はそれほど高く貸せるかは疑問ですね。2LDK 5,300万円で利回り5%で貸したければ、賃料は22万円必要です。名古屋のド中心(伏見駅周辺)のタワーで賃料3500円/㎡、その少し外側(名駅、丸の内、栄)で賃料3000円/㎡程度が限界かと(上記であれば、18万円程度かなと)。

伏見駅徒歩6分の「プラウドタワー名古屋栄」の2LDKで19万円~20万円ですので、好みはあるにせよそちらを借りますよね。

つまり、第2期は、完全投資は厳しく、あくまでも将来の発展を見越した「半投半住」目線が限界と考えます。

以上、ザ・パークハウス名古屋の第2期についてでした。
今後も追加情報あればアップデートしていきたいと思います。

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2 件のコメント

  • 検討中 より:

    4Lを検討しています。
    今回はキッチンがバルコニーに面している間取りがなかったので、1期チャレンジすればよかったと少し後悔しています。
    今回の4L間取りについてのコメントと、西南向きの暮らしやすさについて教えて下さい。

    • こう より:

      検討中様

      コメントありがとうございます。

      今回の4Lは若干柱の食い込みが気になりますが、間取り自体はオーソドックスなので使い勝手は良いと思います。
      南西向きに関しては午前中はあまり日が当たらないので、午後に活動する人向けですね。ただ、南西向きだから買わないというほど重要な要素ではないかと。逆に洋室3などは午前から日中は日が入らないのでテレワークには最適とも言えます。
      あと、価格については、他タイプの住戸に比べて条件は違えど値上がりはない(おそらくグロスとの兼ね合い)ので、第一期を逃した方でも心理的には買いやすいですね。

      ご参考になれば幸いです!

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