すまいよみです。はや師走ですね。今年は、東京の東エリアでも、台風の被害が少なくてホッとしています。
このたび、お便りをいただきました。
こんにちは。
いつも楽しくTwitter拝見しています。
ハザードマップ上、災害時の浸水5m~となっているエリアに、とても好みのマンションを見つけました。
間取り、周辺環境、予算などは充分納得できる物件であり、個人的にはぜひほしい!!!と思いました。
ただし、現時点でそのマンションで購入可能な部屋は2階のみです。
ハザードマップ上、万が一の場合は水没するかもしれない、と思うとえいやっと決断するのが難しいなと思ってしまいます。現時点では、購入したとして一生住むか短期間で手放すかは決めておらず、自分が住む期間に実際に災害が起こるかどうかは運、とも思いますが、みなさんは「災害リスク」をどのように考えて居住物件選びをされますか?
必要な情報かどうか分かりませんが、質問者は共働きで子供のいない2人世帯です。
(原文のまま)
ありがとうございました!
この記事のイシューを、以下とさせていただきます。
「水害リスクをどのように考えてマンションを選ぶべきか?」
お気に入りのマンションが見つかると「恋は盲目」になりがちですが、事前によく考えておくべき冷静な問題点だと思います。
私が考えている3段階の選び方。
1,ハザードマップ上、3m以内の浸水リスク(1階部分)、浸水時間3日以内のリスク範囲で選ぶ。万が一の際は、生活への影響が少なくて済むと思うからです。その上で2階以上の住戸を選びます。
2,それ以上の、浸水リスクがあるエリアでは、浸水した際、想定される深度以上のフロアの部屋を選ぶ。
3,どうしても浸水リスクがある部屋を購入したいのであれば、リスクヘッジをかける。
というものです。
本来、生活面や住まいの資産価値を踏まえた時には、当然ながら全く浸水リスクが無い安全なエリアを選ぶ事が望ましいと思うのですが、そういったエリアに住める方ばかりではないでしょうし、人それぞれ事情もあると思いますので、段階を踏んだ選び方を考えています。
ハザードマップの確認ですが、東京23区でいえば、区によってハザードマップの種類が異なる場合があります。江東5区(墨田、江東、足立、葛飾、江戸川)は、主に「河川の洪水時」「大雨による内水氾濫時」「高潮時」の3種類です。また河川は、荒川、隅田川、中川など、河川ごとにハザードマップを設けていますので、注意深く確認しましょう。
「りんりん」さんがおっしゃる、5m以上の浸水リスクは、2階部分までの浸水リスクがある、比較的危険度が高いエリアです。
ですから、もう少し安全なエリアのマンションを選び直す、そのマンションでどうしても選びたいのであれば3階以上の売出しを待つ事もを、視野に入れてみてはどうでしょうか。
ただし、中古マンションであれば、価格を含めて、そこまで気にいる部屋との出会いはなかなかありません。どうしても諦められないのであれば、住宅ローンの決済時、火災保険に加入する際に、「水災補償特約」に加入して購入に踏み込む事をお勧めします。「建物」「家財」両方とも加入すれば、最低限の火災保険より、10年単位で数万円程度の負担増になりますが、備えあれば憂い無しです。それと、不測の事態の際の近隣の避難場所や実家など、二次的に居住できる環境を持っているかも踏まえておきましょう。
中古マンションであれば、管理組合の防災活動、意識も気になりますね。仲介業者を通して確認しましょう。
もちろん、万が一の住み替えのため、無理した借り入れでの購入であれば再考すべきです。
最後に大事なのは、資産価値への悪影響、住まいへの優先順位、個別事情などを踏まえ、水害リスクが高いエリアへの認識を深めた上で、納得して住めるかです。
水害リスクは、将来にかけて、ますます深刻な問題になることは間違いありませんが、万が一の有事は起きないかもしれません。江東5区に居住している何百万人の人たちは、リスクを踏まえた上で、明るく生活しているのも事実です。
私もその1人ですが、どちらかと言えば楽観的な方なので、保険を充実させた上で、このエリアで生活する選択肢を選びました。
簡単ですが、以上になります。
『欲しいマンションが見つかったけど、踏み切れない・・・』悩ましいですね。リンリンさんにとって、素敵なマンションが見つかることを願っています!
「すまいよみのメインブログ」でも詳しく触れていますので、よろしければ、参考にしてみてください。水害リスクが高いエリアでマンションを検討する際、押さえておくべき3つの視点
「スムログ」で書いた、「水害に強い江東5区のマンション」の記事。水害リスクに強いマンションを選ぶ(江東5区で安心できる新築マンションとは?)
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