マン点流！裏ワザ（施工会社の実力を知る）

気に入ったマンションなのに、売主や施工会社の名前はあまり聞いたことがない。「一生の買い物なのに大丈夫なのか？」と思ったら――

売主の信頼性を知る裏ワザについては、すでにご紹介した。
― マン点流！裏ワザ（売主の信頼性を知る）

今回は施工会社の実力を知る裏ワザについて。

【もくじ】
◇施工会社の「経営事項審査」の評価結果を閲覧する方法
◇評定値がどの程度あればいいのか？
◇要するに経審のデータをどう使えばいいのか？
◇あわせて読みたい

「経審（けいしん）」を調べることで、施工会社の実力を定量的に知ることができる。
経審とは、公共工事の入札に参加する建設業者の企業規模・経営状況などの客観事項を数値化した、建設業法に規定する「経営事項審査」の略称。

施工会社の経営事項審査の評価結果は、財団法人建設業情報管理センターのサイトで、無料で誰でも閲覧することができる。

施工会社の「経営事項審査」の評価結果を閲覧する方法

閲覧の仕方は次のとおりだ。

まず、「商号名称検索」ページにアクセスする（次図）。

「商号名称（全角・漢字）」を入力し、プルダウンメニューから「大臣知事区分」を選択し、「検索開始」をクリックすると――

検索結果が表示される。
（次図は、「大林組」「国土交通大臣許可」を選択した場合）
さらに「詳細」をクリックすると――

次のように1枚にまとめられた「経営規模等評価結果通知書」（PDF）が開く。

表示された一覧表には、総合的な評価結果を示した「総合評定値（Ｐ）」と同評定値の評価要素となっている次の5種類の評点が記されている。
― 年間平均完成工事高評点（X1）
― 自己資本額および職員数評点　（X2）
― 技術職員数評点（Z）
― 経営状況評点（Y）
― その他の審査項目(社会性等)評点（W）

評定値がどの程度あればいいのか？

いくら評定値が分かっても、なんらかの目安がないと判断できないだろう。

そこで、「スーパーゼネコン（5社）」と「準大手ゼネコン（10社）」のほか、SUUMOサイトで江東区の新築マンションとして掲載されていた全17件（7月20日現在）のうち「無名ゼネコン（8社）」の合計23社の評定値を整理してみた（次表）。

上表のデータをさらに可視化分析してみよう。

建築1式工事に係る「総合評定値」（次図）を見ると、スーパーゼネコン＞準大手ゼネコン＞無名ゼネコンの順。

無名ゼネコンになると、1,500点を下回り始める。
特にG社（ピンク色）は1,151点と低い。

「経営状況評点」はどうか？
※「経営状況評点」は、「収益性」「流動性」「安定性」「健全性」の4つの指標を合成した値。

「経営状況評点」（次表）を見ると、必ずしも無名ゼネコンが低いわけではない。
準大手ゼネコンであっても、西松建設や五洋建設、東急建設の評点は高くない。

B社（ピンク色）の評点が低いのは、営業キャッシュフローがマイナスになっていることの影響が大きいのであろう。