すまいよみです。
久しぶりにお便りをいただきました。しかも同じ内容を何通か。以下、返答致します。
差出人は3名様
「けん」さん
「いぬマツ。」さん
「葛飾区検討者」さんへ。
内容については、商住一帯開発のマンション「クラッシィハウス亀有」についてです。
エリアやマンションの特徴において、月々のランニングコスト、特に30年後の修繕積立金が高いことへの疑問でした。
私は、商住一体型マンションの管理費、修繕積立金、企画の是非など不動産的見地からは述べられませんので、イシューを以下に定めました。
周辺と比べて月々のランニングコスト、数十年後の修繕積立金が高いマンションは買いか?
結論
検討する人が、マンションを維持するランニングコストまで価値を評価できて、それでも欲しいと思えれば買いです。
不動産は、どの物件も唯一無二です。
事業会社が、企画商品として価値を打ち出し、価格や維持するコストへ転嫁します。
それが、高かろう悪かろうでは誰も評価しませんが、その価値に賛同できた方は購入すれば良いと思います。
ですから、価格やランニングコストが高い、高級マンションや駅前のタワーマンションは、一定の層に支持されて売れますよね。ランニングコストが高い事が理由でリセールが悪い例も、スムログ内では、あまり聞いた事がありません。
さらに、物件の特徴も踏まえて具体的にご返答致します。
簡単ではありますが、以下が疑問点でした。
・月々の管理費2万円(インターネット込み)が高い
・月々の修繕積立金1万円(初年度)が高い
・30年後の修繕積立金4万円が高い
・商業施設の今後の運営について
(情報はこれだけですが、上記のランニングコストは、69㎡もしくは73㎡住戸と推定します)
まず、月々の管理費は、気持ち高めではありますが、インターネット代込み、ディスポーザー完備などを踏まえて、異を唱えるほどではありません。
月々の修繕積立金について。どの物件も安く見せようと5,000円前後からのスタートが以前は多かったのですが、近年初年度から10,000円近くをしっかり積み立てるマンションも増えてきました。こちらも気持ち高い程度の印象。
問題は、30年後の修繕積立金の4万円です。通常エリアの「非タワマンと比較」した時に、これは確かに高いと感じました。私の過去の経験、エリア内の見識ですが、10,000円~15,000円程度の乖離があるかなと。
当マンションの修繕積立金が高い理由は3つあると思っています。
まず、一般的な理由。
1,修繕積立金をより多く積み立てる意識が根付いてきたからです。この数年間、修繕積立金の積立不足が紙面を賑わせてきました。
2,マンションの高騰とともに、管理費や修繕積立金の相場も上がっていること。ですから、いままでのマンションを知っている人、5年程度の築浅に住んでいる人ですら、今の相場は実際に高く感じると思います。
最後に当マンションの事情。
3,120戸程度の規模で商業施設一体としている点です。物件概要にも「店舗1戸」が記載されているとおり、管理費や修繕積立金の一部をマンションで負担していることが考えられます。商業施設一体型開発マンションの実態です。
事実は未確認ですので、デベロッパーにご確認ください。重要事項説明における「長期修繕計画」の中で、「住戸積立」と「共用もしくは全体積立」で分かれている案を提示して説明してくれるはずです。
参考までに近隣の新築分譲のランニングコストと比較してみましょう。
(以下は、70㎡換算です、インターネット代など詳細は不明)
ライオンズ綾瀬グランフォート
管理費17,640円
修繕積立金6,580円
初年度月々合計24,220円
シティテラス金町 管理費12,250円
修繕積立金6,650円
初年度月々合計18,900円
プラウドタワー金町 管理費26,950円
修繕積立金9,450円
初年度月々金合計36,400円
千住ザ・タワー
は、やめておきましょう。すごい高いです!
最初の結論に戻りますが、「クラッシィハウス亀有」は、デベロッパーが企画した住まいです。
亀有は、南口のほうが生活に便利ですが、喧噪や住環境に若干ハンデがあるマンションが多いのも事実です。そこに亀有駅徒歩4分、駅北口の環境の良さに商業施設を一体化させて利便性の価値も付けたマンションを誕生させたのです。
更に、「シティテラス金町」や、「メイツ東綾瀬」と比較して、住戸内の設備や仕様はどうでしょうか。見比べている人であれば、グレードの高さがよくわかるはずです。
駅徒歩4分の立地と環境の良さに加え、生活利便性の価値を付けた企画。更に、住戸設備や仕様、住戸が3階以上の設定など、近隣でも上質な住まいとしてのマンション。
そのコンセプトの一つとして商業施設一体を選び、維持費のコストへ転嫁させる分、住人へ高い価値を提供する住まいを企画した、それまでのことです。
一方で、タワマンではありますが、早期に完売した「プラウドタワー金町」はどうでしょうか。
営業さんから聞いた20年後の7万円近いランニングコストに加え、数十年後に負担になる2度の一時金合計150万円ほどの負担が非常に重いと感じましたが、それでも私は本気で欲しいと思いました。それだけの価値を見いだしたからです。
そこは人それぞれの価値観だと思いますが、「千住ザタワー」も「プラウドタワー金町」もあのランニングコストの高さでも早期完売するほどの人気だった事が消費者の評価です。
色々比べておいて逆説的ですが、不動産は唯一無二であり、更に駅に近い、環境が良い、生活に便利となると希少性は増します。当マンションは、確かな価値を追求しているに過ぎません。
シティテラス金町、メイツ東綾瀬と比べて何になるのでしょうか。ランニングコストが安い事に重きを置くのであれば、駅徒歩9分のメイツや10分のシティテラスを選べば良いと思います。当然そちらもそれぞれの価値があり良いマンションですから。
売主は企画商品として提供し、私たち消費者はどう判断するかです。
私も自身のブログで当マンションを強くお勧めしていますが、価値が高いマンションだからこそです。
例えばですが、一般のマンションより最初の20年は月々5,000円程度、次の20年は1万円程度(40年間360万円の負担増)でも、当物件の価値を見いだしている以上、良いと私が判断した評価、欲しい思いは変わりません。
もう一度言いますが、この修繕積立金のあり方の是非は私にはわかりません。商住一体型マンションは、通常そのような企画になるのが一般的なのです。
私は、このデベロッパーからお金をもらっているわけでも肩を持つわけでもありませんが、近隣エリアで検討されている方々が、
「都心エリアやタワマンなどとは異なり、このランニングコストが重い」
「サミットストアと生活利便性を踏まえたときに、ランニングコスト負担増の納得性が乏しい」
と感じているのも事実です。
マンションコミュニティでも話題になっていたように、契約寸前に示されるのは、事実であれば売り方として少し下手だなと思います。事業会社の思惑は当然あると思いますが、色々邪推されないように、自信を持って物件の価値とコストを提示すれば良いだけですから。
ただ、『余裕を持って計画しているので、管理組合と住人の話し合いで、今後は計画通りに上げなくても良いかもしれません』と営業さんが言うのは、既述のように、余裕を持った計画がされているマンションが多いので、言い訳ではなく本音な気もします。
住まいの価値を追求した上で、月々のコストが納得できないのであれば、しっかりデベロッパーの説明を聞くと良いでしょう。
それと、もう一つ。
商業施設に入居する「サミットストア」ですが、テナントにはオーナーがいるはずですから、マンションや管理組合の関与は限定的です。万が一、サミットが撤退になっても、後発を管理組合で検討することや、住人が維持費を負担することは無いと考えます。そこも確認し見てください。
最後になりますが、入居したら、管理組合をしっかり機能させ、必要以上に将来的な維持コストが高くならないように住人全員でチェックしていくのは、どのマンションでも同じ事だと思います。
お忙しいところ、判りやすい記事を有り難うございました。
非常に参考になりました!
いろいろな条件を勘案して、価値を見いだせるか否かは個人次第ですものね。
参考にさせて頂き、更に深く検討いたします。
有り難うございました。
けんさん
わざわざご返信ありがとうございます!
後悔しないマンション選びをされてください。
いずれにしても、私も昨年見てきた非タワマンの中では、クラッシィハウス亀有本当に欲しいです!w