新築マンションの価格が高騰し続けている。
最近まで大手不動産会社の寡占化が進み、新築マンション相場形成への支配力が増していたのだが、ここにきて首都圏では大手4社のシェアが低下し始めたのではないか、という話……。
不動産経済研究所は2月24日、「全国マンション市場動向(2020年のまとめ)」を発表。同発表資料には過去10か年の新築マンションの発売戸数・価格データと過去3か年の事業主別発売戸数ランキング(上位20社)が掲載されている。そこで過去に発表されたデータも含め、以下見える化する。
新築マンション発売戸数・価格の推移(全国)
首都圏の新築マンション発売戸数は、ワイドレンジで見ると05年(耐震偽装事件発覚の年)以降、減少傾向にある(次図)。14年4月の消費税増税前の需要先食いで13年に一時的に増加するが、減少傾向に歯止めがかかっていない。首都圏は20年に遂に3万戸を割り込んだ。
一方、発売単価のほうは13年以降アベノミクスなどの効果で上昇し続け、首都圏では90万円を突破、近畿圏では70万円に迫る勢いである(次図)。
新築マンション事業主別発売戸数ランキングの推移(全国)
全国の新築マンション事業主別発売戸数(上位20社)、いわゆるランキングを見て驚かれた方がおられたかもしれない(次表)。6年連続1位だった住友不動産が3位に後退し、プレサンスコーポレーションが1位になったのである。プレサンスコーポレーションは、近畿圏や東海圏での新築マンション供給戸数は多いが、首都圏では僅かだ(20年70戸、19年147戸、18年11 戸)。首都圏で新築マンションを検討されている方には、プレサンスコーポレーション1位と言われてもピンとこないだろう。
大手4社シェアの推移(首都圏)
全国ではなく、首都圏の新築マンション事業主別発売戸数ランキングを見てみると、大手4社(住友不動産、野村不動産、三井不動産R、三菱地所R)が毎年上位を独占していることが分かる(次表)。首都圏では、大手4社の新築マンション供給戸数のシェアは高い。
ただ、首都圏の新築マンションの供給戸数が減少するなかで、大手4社のシェアは17年の42.3%をピークに3年連続で低下し、20年は3割を割り込む直前(次図)。
大手4社のシェアの低下とともに首都圏の新築マンション市場の相場に変化が訪れるのか……。
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