このブログは10日おき(5、15、25)の更新です。
このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論」を展開しております。
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中古マンションを素早くゲットするには事前の準備が必須です。
必須の準備とは何か、今日はそんな話です。前回(第276回の「中古マンション探し;見過ぎは禁物)と合わせてお読みいただければ幸甚です。
中古マンション検討に必要な知識を学習する
前回の記事で述べた通り、何の準備もなく勉強のためだけで見学へ出かけるのは、多くてもタ3件程度とし、4件目からは買うつもりで出かけることを提案します。見学は見る目を養い、知識を増やすことにつながるのは確かですが、「青い鳥症候群」に陥る危険もあるからです。
3件見たら、一旦見学行動を休止し、机上の学習に移行しましょう。机上の学習のポイント、すなわち、マンションを買うための必要な知識を「チェックポイント」として箇条書きにしてみると、以下のようになります。
※築年数と耐震性
(1983年以降の竣工物件かどうか=1981年以降の建築許可物件か?)
※築年数と修繕履歴
(築年数は20年以下がベターだが・・・。 大規模修繕は12年ごとに行われるものが多い)
※分譲主・施工会社
(売主か施工会社、または両方のブランド力は高いか?)
※管理会社と管理体制、管理状態
(管理会社の経験・実績は十分か?管理人の勤務日数は?滞在時間は1日5時間以上か?見学時に見るポイント;清掃は隅々まで行き届いているか?放置自転車はないか?)
※管理費・修繕積立金
(管理費は1㎡当たり首都圏平均の@252円より円より高いか安いか? 高い理由・安い理由は? 修繕積立金は築年数の割に安いことはないか?)
※建物規模と共用施設
(100戸以上の規模か? どのような共用施設があるか? 中庭や植栽スペースはたっぷり取られているか?)
※外観・玄関等のデザインとグレード感
(個性的・高級感・上質感・洗練されている・重厚感・格調高い・威風堂々・優美・壮麗などのキーワードのどれかに当てはまるか?)
※間取り
(10年住んで行ける間取り・広さがあるか? 主寝室のプライバシーは問題ないか?家具配置はどうか?)
※リフォーム費用
(どこをリフォームすべきか?設備機器は交換を要するか=使用期間は何年経過しているか?)
※立地条件・交通便
(駅から10分以内か?坂道はないか?歩道付きの道か?学校までの時間は?)
※立地条件・環境・眺望・日当たり
(駅からの距離は近いか?嫌悪施設はないか?)
良さそうな物件をWEB情報サイトから探す
予備知識ができたところでWEBサイトを見ると、選別のしかたも変わるでしょう。見る目ができるに連れて「ダメだし」も増えるはずですが、それでいいのです。ところで、小規模マンションは問題があると聞いたものの、一定のエリアには小型マンションしかないという実態から小型物件に範囲を広げてしまう人があります。
確かに、大規模マンションが建設されたことが殆んどないようなエリアもあるのは確かですが、そのようなエリアこそ、一定規模の存在感ある物件に絞らなければなりません。
どうしても見つからなければ、エリアを拡大したり、築年数の条件を変えたりすることが必要になるのは言うまでもありません。
妥協していけないのは、駅から10分を超えるような立地条件です。例外は、全く別格の街並み・環境の特別な駅の場合です。筆者が知る限り、首都圏でも2駅だけです。
エリアを拡大するときは、同じ沿線、同じ行政区などに囚われず、大胆な変更・転換をしてみることも必要です。
妥協してはならないのは?
マンションの価値は、何より立地条件に左右されるのです。従って、立地条件だけは妥協しないほうが良いのです。環境はグーグルマップを使えば、現地を訪問する前に、ある程度チェックできますし、駅からの距離もネット情報で分かります。駅から徒歩7分と微妙な場合は、足を運んで確認しましょう。アプローチ上に目立つ公園が点在するなど、環境が感動的な街もあるからです。マイナス点を環境の良さが補って余りあるなら、少々駅から距離があっても良い場合があるからです。
その反対も無論あります。勾配がつらいというケースや途中に嫌悪施設がある場合です。これは、現地へ実際に行ってみないと分かりにくいはずです。
小型でも価値あるマンションはあるか?
建物スケールについては、少なくとも50戸以上が望ましいのです。小さいと存在感に欠けるきらいがあるからです。また、小さ過ぎると管理費が割高になるか、管理内容が悪くなるためでもあります。さらに、一定の規模がないと共用スペース・共用施設も貧弱になって豪華さを醸し出すのが難しいためでもあります。
建物規模が大きいほど、様々な利便施設や癒しの空間を設けることが可能になりますが、小規模マンションでは集会室(談話室・雨天こども遊技場など)すら用意できないものです。
建物規模と密接な関係にあるのが管理人の勤務態勢で、最も懸念されるのが巡回管理という管理人不在マンションです。小規模マンションに多い管理方式で、いわば取締り(番人)がいないマンションはルール違反者が増え、秩序の乱れが常態化してしまう懸念があるからです。
「マンションは管理を買え」といわれるほど重要な管理は、管理人がいればそれで良しといった単純なものではないものの、少なくとも週5日以上、1日5時間以上はマンションに勤務・滞在し、目配りをすることが必須です。
長期的なメンテナンスをいかに実行していくかは、資産価値の維持の観点では最も重要な項目です。築20年くらいまでは、どのマンションも見た目で差は現れにくいのですが、その先は徐々に格差が広がります。その差を小さく抑えるためには、計画的、かつ長期的な視点を持った管理が必須です。
無論、それを実行に移すには裏付けとなる財政(積立金残高)が重要になります。管理会社から「管理に関する重要事項報告書」を取り寄せてもらい、目を通しましょう。目安として、一戸当たり100万円以上の残高があるかどうか。最低限のチェック項目です。
建物規模と密接な関係になるのが管理人の勤務態勢で、最も懸念されるのが巡回管理という管理人不在マンションです。小規模マンションに多い管理方式で、いわば取締り(番人)がいないマンションはルール違反者が増え、秩序の乱れが常態化してしまう危険があるのです。
外観・玄関・空間デザイン、及び共用部分のプラン
外から見て他人が羨むようなフォルムであるかどうかも大事なポイントです。価値の源泉とも言える要素です。どのようなデザインが良いかの法則はありませんが、抽象的な表現を使うと、「格好がいい」、「豪華絢爛な雰囲気」、「個性的で異彩を放つ」、「上質・高級な感じ」、「美術館や博物館みたい」、「高級ホテルのようだ」などでしょうか。ブランドの影響
有名業者が売主、または大手ゼネコン施工の物件がベターです。大手でも、ブランドイメージにふさわしくない物件もないわけではありませんが、概ねイメージを大きく損ねる物件は少ないのも事実です。ただ、ブランド価値も築30年を超えた辺りから価値判断には関係がなくなる傾向が見られます。理由はよくわかっていませんが、筆者が考えるに、無事に30年存続し、かつ管理状態も悪くない建物だから大丈夫という心理が働くためではないかと推察しています。
とはいえ、ブランドイメージは市場で軽視されることはないのです。ちぇっきポイントとして残しておきましょう。
くれぐれも気を付けるべき点は
細部に囚われて大事なことを見失わないよう、最後に一言。「着眼大局・着手小局」という言葉を残しておきたいと思います。立地条件とマンション全体の価値のことです。繰り返すのは避けますが、間取り、室内の見映え、設備などに目をやる前に建物全体のスケール感、風格、デザイン、ネームバリューに目を向けましょう。何より立地条件が最も重要です。
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準備が整ったら、いよいよ見学物件を定め、出かけましょう。
見学物件の中で、良さそうな物件に出会えるかどうかは運不運の問題でもあるのですが、ピンと来る物件と出会えたら即断即決も難しくないはずです。
・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。次は10
日後の予定です。
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