こんにちは、やまちゃんです。
プラウドタワー芝浦について前回の続きとなります。モデルルームでは今週土曜まで登録申し込みをしているそうです。価格表が届いたので見ていましたら、いくつか販売住戸の入れ替えがあったようです。1期は105戸供給とのこと。
目次
グローバルゲートウェイ品川 再開発事業について
プラウドタワー芝浦は、今の市況ですと価格的に「それくらい」だと思いますが、それは「JR田町駅」基準での話であり「高輪ゲートウェイ駅」基準の評価がまだまだ低い(というか無評価)ように感じます。高輪ゲートウェイ周辺において、駅の裏手(東側)にあたる芝浦・港南方面は、少なくとも現時点では駅にアクセスしようと思うとかなり大回りしなければなりません。「直線距離は近いけど使えない」という評価になるでしょうし、そもそも高輪ゲートウェイ駅の存在感のなさや、周辺の何もなさも手伝うことでしょう。
一方、JR品川駅~高輪ゲートウェイ駅~田町駅方面にまたがる広大な土地でグローバルゲートウェイ品川 大規模再開発(第1期)が着実に進んでいます。
今から約4年後、また本物件入居の2年後(2025年3月まで)に完成する予定で、その頃には本物件から芝浦中央公園を経由して歩行者通路を渡り、高輪ゲートウェイ駅に歩いていけるようになります。
ここではグローバルゲートウェイ品川の再開発について簡単にご紹介します。
(出典)JR東日本 TokyoYard PROJECT(※ムービーにはフルバージョンもあります)
本再開発の全体デザイン(および高輪ゲートウェイ駅デザイン設計)は、著名建築家・隈研吾氏の設計事務所により行われ、以下の点がデザイン指針とされています。(JR東日本プレスリリースより以下抜粋)
- 各街区の複数建物を「日本列島の島々」に見立て、「アーキペラーゴ(列島)」を創出
- かつて海岸線であった場所の記憶を想起させる滑らかな「フロー(流れ)」のような歩行者ネットワークを整備
- 低層部は各建物の豊かな緑を連ねることで、都市に緑の丘を構築
- 高層部は頂部に統一した動きをつくり、分節で強調した建物コーナーを新駅前広場や結節空間に向けることで建物同士のつながりを持たせ、各建物が個性を持ちながらも「群としての一体感」を表現
- 高輪ゲートウェイ駅前は、「エキマチ一体まちづくり」の象徴として、和を感じられるデザインの新駅と、緑豊かで滑らかな曲線を持つ4 街区建物によってつくり出される「360 度の広場空間」を形成
再開発は北側から南側にかけて1街区~4街区に分けて開発され、すべて2025年3月に完成予定とされています。
- 1街区(地上45F、高さ173m):住宅、インターナショナルスクール
- 2街区(地上6F、高さ45m):文化創造施設
- 3街区(地上31F、高さ167m):オフィス、商業施設、生活支援施設
- 4街区(地上30F、高さ164m):オフィス、商業施設、ホテル、カンファレンス施設
- ※南側(品川駅方面)に予定されている区域5、区域6については詳細未公表
下は港南側(南東側)から望む外観イメージ図です。手前のビルから4街区の南棟および北棟ビル、奥には3街区のビルが描かれています。
現地の建築計画看板によると、事務所、物販店舗、飲食店、ホテル、集会場、駐車場などが入ると表記されています。3棟とも高さ160mを超える大規模建築で、相当の存在感なものになりそうですね。また一番手前に見える低層の建物は、高輪ゲートウェイ駅舎になります。
下は高輪ゲートウェイ駅から南西方向(4街区南棟)を望むイメージ図です。国際ビジネス交流拠点の顔となる駅前広場の整備は、開放的な歩行者広場が整備され、またこの下層には周辺地域をつなぐ地域交通機能(タクシー、バス乗り場)が整備されます。
(参考資料)
JR東日本「品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)に係る都市計画について」
日本の超高層ビル「品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)
東京都「品川駅・田町駅周辺地域のまちづくり」
芝浦中央公園と徒歩分数
プラウドタワー芝浦は、入居して2年後までには芝浦中央公園経由で高輪ゲートウェイ駅に向かうことが出来るようになりますが、少し細かい話がありますので共有します。芝浦中央公園の開園時間
現状、芝浦中央公園には開園時間が設定されており、春夏(5~9月:午前6時から午後7時)、秋冬(1~4月、10~12月:午前7時から午後5時)の間だけ通り抜けが出来ます。(なお、大晦日・年明け三ヶ日は休園)この件について、芝浦中央公園の管理事務所に直接問い合わせをしましたところ、グローバルゲートウェイ品川がオープンした際、今と同じく開園時間が設定されているのか(つまり夜間は閉門されるのか)、常時通行できるようにするのかは、まだ議論中であり決まっていないとの回答を得ました。
ただし、高輪ゲートウェイ駅から芝浦中央公園を抜けることができる利便性は区もよく理解しており、常時通行の可能性を決して否定するわけではなく前向きに議論しているとのことです。
不動産表記上の徒歩分数
モデルルームの販売員に聞いた話で、連絡通路の開通後に、公園の開園時間があっても不動産表記上の徒歩分数として出せるか確認したところ、「注記あり」で出せるとのことでした。リセールを考えますと、少しでも短いに越したことはありません。公園が常時通行できるようになると注記も必要なくなりますので、区には何とか良い判断をしていただきたいところです。
何分歩く?
現在公開されている情報を元に、ざっくりですがプラウドタワー芝浦現地から高輪ゲートウェイまでの距離を調べてみましたところ、約1120m(= 徒歩14分)でした。なお高輪ゲートウェイ駅の現在の改札は1箇所のみですが、これとは別に2025年3月までに南改札が増設される予定だそうで、今回の測定は南改札を想定して距離を取りました。南改札も泉岳寺側(西側)を向くそうで、少し回り込むことになりますので徒歩15分表示が現実的かも知れません。芝浦中央公園の現況
実際に芝浦中央公園をお散歩して参りました。最後に、芝浦中央公園から北西側を見た写真と、再開発完成イメージ図を並べます。写真(上)にある矢印のビルとすぐ右隣に見えるビルの形が、イメージ図(下)の白抜きのビルの形と非常に近く、見る方向は大きくズレていないと思いますが、ここにどデカい街が出来上がって周辺の雰囲気が一変することを心待ちにしています。
本物件の資産性
さて、なぜ本記事はプラウドタワー芝浦の物件レビューなのに、再開発の話でこんなに長い紙面を使ったのか?ぜんぜん違げぇじゃねぇか!タイトル変えろ!ゴルァ!という読者さまの心の声が聞こえてきた気がします。いえいえ、それは本物件からわずか1km圏内にこれだけの大規模再開発があることだけで、もうメシ何杯でもいけるからです。
あくまで不動産としての「資産性」「リセール」「お金」の文脈として捉えて欲しいのですが、(本物件に限った話でなく)ここを押さえておけば大方OKというポイントとでも言いましょうか、出来るだけ絞ってシンプルに表現すると、私が思うに2点あります。
利回りの高さ
お買い得物件を探すということは多くの場合、安くミスプライシングされている状態を発見する作業です。1万円札が、1万1000円で売られていたら買わないけど、9000円で売られていたら買うじゃないですか。この判断が出来るのは、私達が1万円札は1万円の価値があると認識しているからです。
百戦錬磨のマンマニ先生がブログで「おすすめです!」とやるのは、今でも地道で緻密なフィールドワークがあるからこそミスプライシングをミスプライシングだと認識できる、という解釈をしています。
不動産は、1万円札が1万1000円で売られているのか、9000円で売られているのか分かりにくいですが、その認識を助けるものさしが利回りです。
本物件の新築時の想定賃料について販売の方に確認したところスーペリアフロアにおいて表面利回りは4.5%前後で悪くない水準だと思います。
ちなみに前編でご紹介した周辺中古タワマン(芝浦アイランド ケープタワー、キャピタルマークタワー)の2021年の賃料利回りを調べてみたのですが、3.9~4.1%くらいでした。新築と中古の利回り逆転はだいぶ違和感あります。(それ以外の物件は事例が少なくスキップ)
額面通りに受け取ると本物件は新築にも関わらず高い利回りとなりますが、本物件の想定が高く見積もられていて、周辺中古タワマンは築年数を鑑みると利回りの実態が低い印象で、つまりは利回りを4.5%より控えめに想定していた方が宜しいかと思います。
減価しにくさ
利回りが高くとも値下がりが早ければ困るわけで、減価のしにくさ、つまり「都心」「駅近」「再開発」など立地・外部要因によるもの、「大規模」「タワマン」「高級感」「豊富な共用施設」などハード・内部要因によるものがよく言われます。再開発エリアにおいては、まだ誰も見ていない未来と、今現在との「サヤ取り」になるわけで、減価しにくいどころかうまく行けば増価を見込めます。これは賃料利回りにも影響します。
グローバルゲートウェイ品川 再開発事業は、都内でも有数・希少な主要駅において大規模かつ広域に渡るもので、これを無視して本物件を評価するのはもったいないと思います。
芝浦・港南エリアの大規模タワマンの坪単価を見ていますと、なんだかんだ主要駅(田町駅、品川駅)の駅力と物件規模で評価されているように見えます。
本物件は、将来的なグローバルゲートウェイ品川および高輪ゲートウェイの駅力向上によって、少なからず評価が変わってくるであろうと思います。(もちろん周辺エリアの新築・中古物件も同様です)
管理修繕費について
プラウドタワー芝浦の資産性に影響するかなと思いましてもう1つ共有させて頂きます。本物件は、管理費@479円、修繕費@151円、合計で平米単価@630円です。
また修繕費が上がる想定もわりと激しくて、以下は少し数字にズレがあるかも知れませんがヒアリングした内容ですとこのようになります。
(例)住戸数の多い72.58平米タイプ修繕費(想定)
- 当初 10,960円(@151円)
- 5年後 19,600円(@270円)
- 10年後 29,400円(@405円)
- 15年後 40,500円(@558円)
- 20年後 46,000円(@633円)
修繕積立金の長期シミュレーションでは潤沢に積立ができている計画のようですが、この管理費の初期設定に加えて、この修繕費の上げ幅をかぶせるのか、、と思っちゃいます。実際に管理組合でどう運用されるかは別の話ですが。
なお管理修繕費は毎月口座から引かれていくお金でリアルに懐が痛むので判定がシビアになりがちですが、現実的には住戸価格の減価が大きい方がよほどダメージになり、フォーカスすべきは資産性を減価させない管理ということになります。
例えば1億円の物件が1年で2%減価したとしたら200万円(= 月16.6万円)のダメージです。それを減価しにくくするためきちんと管理・修繕されていることが大切で、安けりゃ良いってものでもありませんが、それにしても本物件の設定は高いと言わざるを得ません。
これはただの数字のお遊びですが、周辺ライバル物件があったとして、本物件の管理修繕費が月3万円高いと仮定しますと、住宅ローン換算(金利1.2%、35年、元利均等)で逆算して約1,000万円の差が出ます。長期で見ますとそういったビハインドが出る可能性についても言及させて頂きます。
まとめ
良い点も、悪い点も理解して消化した上で購入検討されるのが良いと思いますので、思うところを書いてみました。今や湾岸東エリアの大規模タワマンばかりが注目されがちではありますが、本物件の立地はすでに住環境として仕上がっている上に将来的に再開発による強力な恩恵も受けられます。
再開発はJR東日本の資料にもあるように「国際水準の居住施設」「国際水準の宿泊施設」「外国人ビジネス交流」「インターナショナルスクール」などオラオラなパワーワードが散らばっており、ここに集まる人のエリート感が半端ないです。端的に言いますと “カネのにおい” がします。将来的に賃貸需要という点でも期待できるのではないでしょうか。
生活環境としてはスーパー(ハナマサ)、商業施設(msb田町)、行政(芝浦港南地区総合支所)、同建物内にあるスポーツセンター、お子さんいる方は愛育病院、芝浦小学校も近いですし、良い立地だと思いますね。目の前のバス停から品川駅まで直行できるのも、仕事で新幹線や飛行機を利用されるビジネスマンにとって便利です。そういった点と駅距離と価格、あとは高い管理修繕費のバランスをどう捉えるかがポイントになりそうですね。
以上となります!
(前編はこちら)
おまけの話
msb田町に焼き肉のトラジが入居しているのですが、トラジのランチはお得ですね~。下手にステーキをいきなり食べるより断然コスパいいので、近くにお立ち寄りの際は行ってみてください。(1)サラダ&焼肉ランチ [平日限定] 1,600円、(2)焼肉御膳 2,100円、(3)トラジ御膳 2,600円スムログ記事
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