今後、中古マンションの価格はどうなるのか。的確に言い当てることは、株価と同様難しい。どうすれば中古マンションの買い時・売り時を把握できるのか。
ひょっとすると、中古マンションの成約単価と在庫件数の変化を観測することで、買い時・売り時のタイミングを知ることができるのではないか。
目次
23区の中古マンション市場(概況)
23区の新築マンションの発売価格は爆騰中。庶民には手が出ない。中古マンションも、新築マンション価格に引っ張られて高騰中(次図)。
最近の新築・中古マンションの単価差はザックリ40万円。70m2換算にするとその差2,800万円(=40万円×70m2)。
「新築vs中古! 23区のマンション単価推移を可視化」より
23区の地区別の中古マンションの成約単価は、アベノミクスがスタートした12年11月以降上昇傾向にあり、コロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。再び上昇傾向を見せている(次図)。
※上図は、公益財団法人 東日本不動産流通機構が毎月発表している「月例マーケットウオッチ・サマリーレポート」に掲載されたデータを元に作成した(以下の図も同じ)。
23区では、次の順に成約単価が高い傾向が見られる。
都心3区>城西>城南>城北>城東
- 都心3区:千代田、中央、港
- 城西地区:新宿、渋谷、杉並、中野
- 城南地区:品川、大田、目黒、世田谷
- 城北地区:文京、豊島、北、板橋、練馬
- 城東地区:台東、江東、江戸川、墨田、葛飾、足立、荒川
23区中古マンション、買い時・売り時
23区の中古マンションは高騰しているとはいえ、新築マンションよりは3千万円近く安いし、地区によっては庶民でも手が届くかもしれない。ただ、検討を始めてみると、いまが買い時なのか迷うのではないか。しかも、買い替えとなると現居が売り時なのかどうかも気にかけなければならない。
今後、中古マンションの価格はどうなるのか。的確に言い当てることは、株価と同様難しい。どうすれば中古マンションの買い時・売り時を把握できるのか。
ひょっとすると、中古マンションの成約単価と在庫件数の変化を観測することで、買い時・売り時のタイミングを知ることができるのではないか。そんな視点から23区の地区別の中古マンション市場を見える化してみた。
以下、中古マンションの成約価格水準が高い地区順。比較しやすいように、縦軸・横軸の尺度は揃えた。
都心3区(千代田、中央、港)
23区のなかでも成約単価はダントツ。コロナ第1波で20年4月に落ち込むが、その後異次元の上昇を見せている。最近は、成約単価の上昇にややブレーキが掛かる一方、在庫件数が減少から増加に転じそう。今は売りの時期。買い時はもう少し先ではないか。
城西(新宿、渋谷、杉並、中野)
成約単価はコロナ第1波で20年4月に落ち込むが、その後上昇傾向。最近は、成約単価は上昇し続けている一方、在庫件数は減少から増加に転じそう。今は売りの時期。買い時ではなさそうだ。
城南(品川、大田、目黒、世田谷)
成約単価はコロナ第1波で20年4月に落ち込み、その後上昇するも。21年5月がピーク。在庫件数は減少から増加に転じそう。今は売り時ではない。今後買い時が訪れるかも。
城北(文京、豊島、北、板橋、練馬)
成約単価はコロナ第1波で20年4月に落ち込むが、その後上昇傾向。成約単価は上昇し続けている一方、在庫件数が減少から増加に転じそう。今は売りの時期。買い時ではなさそうだ。
城東(台東、江東、江戸川、墨田、葛飾、足立、荒川)
成約単価はコロナ第1波で20年4月に落ち込み、その後上昇するも。今年に入って、やや足踏み状態。在庫件数は減少から増加に転じている。今は売り時ではない。今後買い時が訪れるかも。
※本資料の作成には慎重を期しているが、データの精度について保証するものではない。また、これらの情報をあなたが利用することによって生ずるいかなる損害に対しても一切責任を負うものではない。
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