このブログは10日おき(5、15、25)の更新です。
このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論」を展開しております。
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コロナの流行はマンション選びにも少なからず影響を与えているようです。通勤便を以前ほどは重視しなくても良いと考える人を増やしているのだとか。その選び方、本当にそれでいいのか、改めて考えてみましょう。コロナ禍とマンションニーズの変化
テレワークの普及と在宅ワークが変化を呼んでいるが、狭い賃貸マンションでは在宅ワークが困難とする家庭も多いようです。そんな傾向が広まる中、広い家(賃貸マンション)を探すと、東京圏の賃料は高過ぎるが、低金利のおかげで、買った方が得策と考える人も増えているのです。コロナ前にも、住み替えに当たって家賃の高さを再確認するとともに、購入のメリットに気付いて行動を変化させる人があったのですが、コロナ後は何がどう変化したのでしょうか?
コロナ前でも、狭い賃貸マンションを脱出して分譲マンションを購入するときは、「より広いマンション」という志向があったはずです。何が違うのでしょうか。その答えは、「専用の仕事部屋」か、「広めの主寝室」があるマンションということなのでしょう。
その方針・希望条件で探すと、予算の兼ね合いから「バス便もやむなし」という選択条件になるのでしょうか? 駅近に越したことはないが、駅近で希望条件を満たす物件が見当たらないため、予算との兼ね合いもあって、最後は「バス便でもよし」としているのでしょうか?
すぐ入居できるからと「売れ残りの完成マンション」も人気に
以前は、バス便マンションは不人気で、価格を抑えて販売を開始しても中々進捗しないのが実態でした。それがコロナ禍のおかげで売れ行き好転となった例も少なくないと聞きます。ご存知のように、新築マンションは工事完成の前から売り出すもので、工期の長い高層マンションは完成時期の2年も前に分譲開始いう例は少なくありません。このため、契約してから1年後、長いものでは2年後の入居となる例も少なくないのです。
建物が完成していて、契約後2か月もしないうちに入居が可能な物件は売れ残りマンションということになります。売れない理由は様々ですが、要するに不人気であることを意味します。
最近は価格高騰のため、どこも売れ行きは悪く、建物竣工時に完売したいデベロッパーの目標を大きく下回る物件も少なくありませんが、特に不人気なのが「バス便マンション」や「遠隔地のマンション」です。
ところが、予期しないコロナの慈雨?が降って来てきて、急に売れ行きを伸ばしたバス便マンション・郊外マンションもあるようです。
目先の判断と長期展望による判断
買い手の立場に戻って、話を進めましょう。マンション選びで肝心なのは、「いつか売るときが来るから、そのときに売りやすい物、もっと言えば、大損しない物を買っておく」ということが軽視できないテーマです。その観点から言えば、バス便マンションは避けるべきなのです。週に2日か3日の出勤だから、バス便でも問題ないと考えるのは危険だと筆者は言いたいわけです。
バス便のマンションと駅近のマンション、どちらが良いかはいうまでもありませんし、通勤時間を心配しなくていいという状態が一般化していくとは限らないのです。あなたがよくても、困る人も多いのです。
職種の関係で、在宅ワークが不都合ではないという人も少なくないのは確かですが、マイホーム購入は夫だけの都合で選ぶものではないはずですし、仮に妻子に通勤・通学の問題がないとしても、将来は分かりません。特に、転職や子供の希望校への通学が問題になる可能性があるはずです。
このようなことを考え合わせると、マンションを買うなら10年程度で売却する可能性が高いという前提を置かなければならないはずです。
バス便のマンションを志向する人が増えない限り、その物件の将来価値は駅近マンションに比べると期待が持てないものです。バス便マンションは安いのが魅力ですが、売却時は一段と安くなる危険があると覚悟しておかなければなりません。
高くて住めない都心とはいえ
価格が高い都心・準都心マンションですが、それに手が届く買い手も多く、購入が可能なら、郊外マンションより有利であることを知っておかなければなりません。高い買いものであっても、売却時に期待以上で買い手が付くことが多いからです。コロナ後も、この傾向は続きます。なぜなら、都心・準都心は高いから郊外の物件を買うことに方針転換した人より、依然として高い都心・準都心の物件にしたという人が多いのです。もともと都心・準都心の賃貸マンションに住んでいる人は、その賃料の高さも勤務先の家賃補助などによって軽減されているほか、所得の高い階層が多く、共働き世帯も多いので、いざ購入というときの予算も高い階層が多いからです。
最近5年程度を振り返ると、金利の低下で購買力が押し上げられて予算を増やせる人も多く、「自分がこんな高額なマンションに手が届くとは思わなかった」と述懐する人も少なくありません。
金利低下によって自動的に予算が底上げされたことに気付いた人は、都心・準都心マンションに手が届くなら、郊外に移住することはないと思い直すようです。
郊外で選ぶなら
マンション検討者の勤務地、勤務先の事情や所得、何より予算は様々ですから、ひとくくりに説明することはできませんが、郊外で選ぶことを選択する人も少なくはありません。そのような人向けに筆者の助言を最後にお伝えしましょう。先ず、選ぶなら地域一番の物件を選ぶようにしたいですね、地域一番とは、どのような物かと言えば、何より駅に近いこと、徒歩3分、4分、遠くても5分が条件です。
駅に近ければ何でも良いわけではありません。次は、スケール感が大事です。30戸、50戸では駄目で、100戸以上の大型マンションがよいのです。大型マンションは、その存在感が違います。それこそ、駅に到着したら、目の前にそびえているといった物が望ましいのです。
また、駅そのものの価値も忘れるわけに行きません。急行が止まる大きな駅がよく、各駅停車だけの駅でないほうが良いのです。大きな駅とは駅舎の問題ではなく、駅の周りにたくさんの商業施設が集積しており、買い物客でにぎわっている駅・街のことです。
郊外の駅ほど、スーパーマーケットが1軒あるかなしといった寂しい駅も多いのです。生活に支障がないという程度では多くの支持を集めることができません。東京近郊の駅は千差万別で、賑わいがある、活気があるという駅と、人出が少なく賑わいからは遠く、寂しい駅も少なくありません。ご存知の通りです。
街の人気は、その賑わいが決めると言って過言ではないのです。その昔は街を「働く街」と「住まう街」とに区分することが普通でしたが、近年は「働く・学ぶ・住まう」がひとつになり、老若が混在する街を志向する傾向が強まっています。
クルマがないと生活ができない街より、徒歩で何でもできる・何でもそろう街を志向する人が増えているのです。賃貸マンションなら移転も容易ですが、持ち家となると、移住は簡単ではないのですから、不便な家はできるだけ避けたいものです。
コロナ禍がもたらした郊外マンション選択も、よく考えてみることが大事です。賃貸マンションのように簡単に移住はできないのですから。将来、売る必要が生まれたとき、その売値の低さに驚くことになるはずだからです。
物件によっては、買い値の半値でも希望者が現われないという現実に落胆することになるでしょう。それだけに、郊外マンションを選ぶなら、その駅一番の物件と自慢できるくらいの価値ある物を選んでおきたいものです。
・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました・・・・・次は10日後の予定です。
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