第295回「買った家の誤算と正解」

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このブログは10日おき(5、15、25)の更新です。

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論を展開しております。

一大決心して買ったマンション。住み始めたら想像と違ってガッカリ、そんなことにならないよう失敗例をチェックポイントの代わりとしてお伝えしましょう。

 

1)間取りの誤算と正解「3LDKか広い2LDKか」

家族が少ないので、3LDKを買ったが、一部屋減らして広いリビングダイニングを作ったーーーこれは正解か?というご質問がありました。

 

家族数が減っている日本、子供の数も年々少なくなっています。世帯当たりの子供の数は平均して2人もいない少子化時代になったのです。マンションを購入する人だけに目を向けても、2人家族と3人家族が過半を占めています。

 

そんな時代背景から、マンションの間取りも3LDKと2LDKが並んで選ばれている昨今です。もはや、4LDKなど間数の多い間取りは時代錯誤になったのかもしれません。

 

2)部屋数が多い間取りを選んだが・・・・

部屋数の多いマンションを買ったが、1部屋は物置になってしまったと語るオーナーも少なくないようです。4LDKを買っても、一部屋は遊んでいるなどとならないよう、慎重に考えましょうか?

 

たまたま広い部屋の間取りが4LDKだったら、改造を考えましょう。ただし、あまり特殊な形にするのは後年、問題が残ると知っておきたいものです。

 

3)主寝室のクローゼットが狭いと思った

ウォークイン・クローゼットがある間取りに惚れて買ったが、入居して分かったことは、もっと広くないと妻の洋服だけでいっぱいになってしまうことだった。

このような後悔をしないよう、クローゼットの大きさには注意したいものです。

 

4)リビングダイニングの「広さ10畳」は広くないと分かった

6畳しかないダイニングルームだった賃貸マンションと比べて、10畳もある分譲マンションを買って喜んだものの、家具配置を考えて行く過程になって期待していたほど余裕がないことに気付いた。このような声は少なくありません。

 

10畳の表示は、移動するための通路を含んだ広さです。通路を確保すれば、椅子やテーブルを置くスペースは存外狭いことに気付くのでしょう。間取りを見たら、必ず家具配置を考えましょう。

 

5)下足入れが大きいと思ったが・・・

玄関入ってスグの下足入れも、「ウオークイン・クローゼット」とか「シューズイン・クローク」などとネーミングされた大型もある反面、大きいとは言えないタイプのシューズボックスも多く見られます。

 

靴の数は、女性の多い家族に多いと言われます。男性なら2足か3足、多くても5足ですが、女性は10足を超え、様々な色・タイプの靴を揃えます。筆者宅も女ばかりだったので、ひと頃は「売るほどある」と感じたほどです。

 

6)子供が走り回るので1階を選んだが・・・

このような考えから1階を選ぶ人は少なくありません。

しかし、子供が室内を走りまわるのは限られた一時期です。その間は厚いカーペットを敷くなどの対策をして住めば、大きな問題にはなりません。

 

それでも心配性の親も多いようです。 そこで筆者が進言するのは、上下・両隣の隣人を訪問し、挨拶しておくことです。「よく言い聞かせますが、元気が良すぎて困ることもあるのです。どうかお許しを・・・」と。

 

7)1階は寒いらしい・・・・

1階住戸が寒いことをご存知ですか? 売主の担当者に尋ねると、もっともらしい説明が返ってきますが、まあ怪しい回答だと思った方がよいでしょう。

 

筆者の経験でも、1階は「やっぱり寒かった」のです。1階と2階以上の生活を同マンションの中で試しに暮らすようなことは困難なので、心配が消えないなら1階は避けた方がよいでしょう。

 

ご存知のとおり、マンションは上階ほど高値です。上階ほど人気があって高値でも売れるから高値を設定するのです。言い換えると、下層階、特に1階は不人気です。 そこで、1階住戸には上階にない付加価値として「専用庭」をつけたり、大きなテラスを設けたりするのです。

 

これらの広さや形状によっては確かに価値ある例もないことはないのですが、1階のデメリットも把握して検討を進めることが大事です。1階住戸の寒さもさることながら、隣地の建物や公道に接していれば、通行人の視線にも注意しなければなりません。

 

樹木によって視線を遮断している例もありますが、それが自然光まで遮断している例は少なくありません。

 

隣地の一戸建て住宅の窓から容易に覗かれてしまうような位置関係のマンションもあり、まあ、1階住戸で価値ある例は殆どないと言って過言ではありません。

 

8)設備の有無で誤算

安普請の賃貸マンションにしか住んだ経験がない人は、新築マンションの見学に行って舞い上がってしまうことがあると聞きます。売主デベロッパーは、たくさんの戸数を一定期間内に完売しなければなりませんから、商品をいかに美しく展示して購買意欲をかきたてるかに知恵を絞ります。

 

その販売テクニックに誘導され、つい細かな点を見過ごしたり、確認し忘れたりするのです。気づいて「・・・がない」と知っても後の祭りです。そんなことにならないよう自分なりのチェックリスト(メモ)を持参して見学することが肝腎です。

 

期待しても無理と言わざるを得ないことがあるのは「ディスポーザー」です。ディスポーザー設備は、地下に「微生物による処理層」を設置するとともに、各住戸からの排水管を連結する工事が必要になります。

 

このため、小型マンションでは1戸当たりの工事費が割高になることから採用を見送らざるを得ないからです。

 

買い手にとって、ディスポーザー設備は不可欠ではないものの、あると便利で人気の高い設備と聞きます。

 

バルコニーに設けられる「スロップシンク」もあると便利なものです。

 

9)どうせ使わないからと共用施設の少ないマンションを選択

「どうせ自分たちは使わないから興味がない」という声を何度か耳にしました。

 

分からないでもないのですが、あれば便利で、住み始めたら使う施設もあるかもしれません。

 

よしんば使うことがないとしても、他の居住者が喜んで使う施設なら、マンション全体の付加価値として評価され、売るときに評価されて高値になる可能性があるのです。

 

使わない施設だから無用と切り捨てるのではなく、使うことがあるかもしれないし、売るときの評価アップになると考えることが大事でです。それに、あればいつか使うことがあるかもしれない・・・そう考えてはどうでしょう。

 

エントランスホールと廊下、ラウンジしかないマンションでは、賃貸マンションと変わらないと言い放った人もいましたが、筆者も共用施設の存在には常に注視します。

 

10)道路騒音が計算違いだった

マンション建設のためには、例外なく広い道路に面している土地であることが不可欠です。幅員が比較的狭い道路に面しているマンションは、小規模で低層です。ある程度の規模を求めるならば、道路騒音の問題が付いて来ると思った方が早いのです。

 

ところが、完成したマンション、中古マンションを見学に行けば、道路騒音を自分の耳で確かめることができるはずですが、工事中のマンションの場合は、道路騒音を室内から確認することができません。ここが問題です。

 

道路の騒音が気なります。室内ではどうなのでしょうか・・・などと担当営業マンに聞くと、「窓を開ければ聞こえますが、閉めれば大丈夫です」とか「〇〇階なら大丈夫ですよ」などの曖昧な答えが返って来ます。

 

大丈夫かなと得心して購入したものの、完成して現地を見学したところ、聞いていた印象とは隔たりが大きく、窓を開けての生活は困難に感じた。「洗濯物も室内干しが増えそうだ」と語る買い手も少なくないのです。

 

11)幹線道路に面していないのに「うるさい夜」に閉口

住宅街の中に建つ中古マンションを買った知人が言いました。「この辺は静かすぎる街のせいか、夜バルコニーに出て煙草を吸いに出ると意外に大きな話し声が届く」というのです。

 

窓を閉めれば問題はないものの、季節の良い時期は窓を開けて暮らしたい別の知人は残念だと語ります。

 

12)バスがあるから不便はないと思ったが・・・

価格の安さから広い面積の住戸が選べると、積極的にバス便マンションを探した人がありました。

 

コロナ禍のせいで「週に2回程度の出勤でヨシ」とする最近の話です。ところが、、実際に住み始めると、近所のスーパーは品数が少ないとかで、バスに乗って駅の周辺に揃う商店街を回るという生活を強いられているといのです。

 

14)即入居可の物件を買ったが・・・

新築マンションは、竣工時までに全戸を完売させる目標で販売を開始するものですが、最近は目標未達の例が多く、竣工後も販売を続けているケースがたくさん見られます。

 

売れ残り住戸が多い場合は、その中に条件の良い物もありますが、多くは問題のある住戸です。「即入居」のキャッチフレーズに惹かれて見に行き、住戸内部も確認して購入の方向へ進んだものの、予算との兼ね合いから選んだ部屋は「もうひとつ」だったという声も多く聞かれます。

 

実物を確認できない恨みは残っても、分譲開始の初期段階の方が、選択できる住戸がたくさんある。その方が良いのでしょうか? 絶対とは言えないものの、選択肢が多い方が良いのは確かです。

 

15)駅から近いが商業施設が少なく不便

駅前マンションなら「さぞ便利だろう」と思うのは先入観であって、「さにあらず」の街もあるのです。とはいえ、これは例外的です。反対に、駅から遠い物件が近隣にスーパーマーケットを誘致して便利さをアピールしている例もあります。

 

このケースは、不便を解消する策であって、必要な対策ではあっても十分かどうか、よく考えることが必要です。

 

いずれにしても、駅付近、マンションの周囲などをよく確認してから購入するという姿勢が大事です。

 

・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました・・・・・次は10日後の予定です。

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