これまでスムログに投稿した記事は25件。
25件の内訳は、シリーズものである「不都合な真実を解説(11件)」、「裏ワザ(5件)」、「動画(2件)」と、そのほかに7件。
今回は少し目先を変えて、マンションチラシで観測された「販促ワザ」シリーズの第1弾、「倍率優遇」について。
【もくじ】
◇湾岸エリアに建つ大規模超高層マンションの折り込みチラシで観測された事案
◇なぜ、売主は倍率の優遇対象に「第1期1次」を含めなかったのか?
◇マンションを選ぶ人にとっては意味を持たない「倍率優遇」
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湾岸エリアに建つ大規模超高層マンションの折り込みチラシで観測された事案
チラシ裏面には、イベントに参加することで、倍率が最大で4倍優遇される旨が記されている。早くよりご検討いただいている皆様には、次期販売での倍率優遇を実施いたします。
― 対象イベントにご参加いただくと、次期販売での倍率を優遇いたします。
― 対象イベントの参加回数により、適用される倍率が変動いたします(最大倍率4倍)。
具体的なイベントの日程は次のとおりだ。
[1] 事前アンケートのご提出(4月4日(土)以降)
[2] 各種セミナーヘのご参加(4月下旬以降予定)
[3] 第1期1次登録申込受付(6月上旬予定)が条件となります。
このマンションに興味のある人は、「最大倍率4倍」という言葉にひかれて、「とりあえずマンションギャラリーに行って、アンケートに答えておこう」ということになるのであろうか――。
ただ、次の注釈があることも認識しておく必要がある。
※第1期1次販売での優遇はございません。
このチラシは「第1期1次の予告広告」。
だから、マンションギャラリーに出向いて「事前アンケート」に答えようが、「各種セミナー」に参加しようが、はたまた「 第1期1次登録」しようが、倍率が優遇されるのは第1期2次以降。
すなわち、第1期1次の抽選に外れた場合にしか意味を持たないのである。
なぜ、売主は倍率の優遇対象に「第1期1次」を含めなかったのか?
考えられる理由は次の2つ。ひとつは、「最大倍率4倍」を喧伝することで、このマンションに興味を持った人をマンションギャラリーに集めやすくするため。
しかも2回の訪問(事前アンケート、各種セミナー)で、さほど買うつもりがなかった人まで営業トークで絡め取る可能性を高めることができる。
もちろん、第1期1次の競争倍率も高められるので、第1期2次の販売の際に、マンションギャラリーへの訪問者数の多さをPRすることができる。
二つ目の理由は、第1期1次の抽選で外れた人への効率的なフォローだ。
どういうことかというと、「3回もマンションギャラリーに通って、せっかく優先倍率4倍の権利を得たのだから、第1期2次に申し込まないともったいない」という第1期1次の抽選で外れた人の行動心理を活かして、第1期2次への登録率を高めることができる。
マンションを選ぶ人にとっては意味を持たない「倍率優遇」
「最大倍率4倍」は、このマンションを選ぶ人にとっては、ほとんど意味を持たない。なぜならば、このマンションを買おうとする人の多くは、マンションギャラリーに通って「最大倍率4倍」を得ようとするから、結果的に抽選倍率的には優位に立てないからだ。
以上のように「最大倍率4倍」は、売主にとって、とっても都合のいい販促ワードといえる。
優遇倍率の販促事案は、この物件に限らない。
次のように、これまでに何件か観測されている。
◇モデルルーム2度来場で「5倍の倍率優遇」の落とし穴
◇倍率優遇5倍の威力
おまけ
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