若いうちはマンション、歳を取ったら郊外戸建てに住み替える、という流説に疑問を持たれている還暦の方からのご質問。
読者からの質問
誰に答えて欲しいですか?
- 全員
いつも楽しく拝見しています。
名古屋の近郊ベットタウンに暮らすもう少しで還暦のおじさんです。
マンション居住者の意見で少し違和感を感じることがありお便りします。
「若いうちは利便性の良いマンションだけど、歳を取ったら郊外の一戸建てに住み替える」といったお考えを割と良く見かけます。
確かに一戸建ては庭いじり・家庭菜園など楽しみも多いのですが、ご近所付き合いや買い物にクルマが必須など意外と大変な部分も多いです。
私自身も両親がクルマに乗れなくなってからは代わりに買い物に行ってました。
そんな経験も踏まえて今回 一戸建てから利便性の良いマンションに住み替えることを決めました。
教えていただきたいのは
- ①高齢者にはマンションが向いていない部分があるか
(歳を取ったら郊外で一戸建てと考える理由) - ②高齢者がマンション暮らしする場合の注意点
宜しくお願いします。
高齢者にマンションが向いていない部分
現役を退いたら通勤から完全開放されるので、物価の高い都会ではなく、地方に移住し、広い戸建てに住んで晴耕雨読にいそしめる。そのような夢を描いて地方に移住する高齢者もいるのであろう。でも、高齢者から超高齢者になって、車での買出しもままならなくなったら生活していけないのでは。高齢者の地方(郊外)移住は、消滅都市の回避と都市部の介護施設不足の解消を狙った施策のひとつである、と筆者は思う。
高齢者には戸建てよりもマンションをおススメしたいし、筆者の先輩にも現役引退後、郊外の戸建てを売って都市部のマンションに住み替えた人が何人もいる。
そのうえで、高齢者にとってマンションが向いていない(戸建てが向いている)理由を<あえて>掲げるとすれば、思い当たるのは三つ。
ひとつは、ご近所さんとの関係性が希薄なこと。近隣との深い付き合いを期待する人にとっては、このマンションの特性がマイナスになる。
二つ目は、マンション管理規約に縛られること。
三つ目は、広い庭で、花きや野菜などを栽培できないこと。
高齢者がマンション暮らしする場合の注意点
マンション住まいの高齢者が注意すべき点は、安全性と快適性。まず、安全性について2点。
1点目はバリアフリーとしての段差。いまどきの新築マンションでは、床面に段差がある物件は少ないし、低床型バスタブを採用していない物件も少ないだろう。もしそうでなければ、あるいは中古マンションでそのような物件に当たった場合には、元気なうちにリフォームしよう。
2点目は、ガス台。認知機能が衰えてくると、換気扇を回さずにガスを使う可能性がある。元気なうちに、オール電化に変えるか、さもなければ、換気扇とガスコンロ連動に変えたい。
次に、快適性(室内の温度差)について。
安全性とも多少関係するのだが、室内の温度差には気を付けたい。特に冬場の室内での急激な寒暖の差は、高齢者にとって命取りになる。窓の断熱性能が低い場合にはマンション室内全体の室温が下がってしまうので、窓の断熱性能を上げるべく、元気なうちに二重窓にリフォームしておきたい。
あわせて読みたい
- 『おひとりさまの老後対策』
- 浴槽から立ち上がれない!『老いのゆくえ』
- 『ひとり老後、賢く楽しむ』高い天井と角住戸、老後は欠点に
- 老化への誤解と偏見を解く良書!『老いと記憶』
- 『臨終、ここだけの話』1人暮らしの老人の最後
回答ありがとうございます。
元気なうちに高齢の備えをしておきます。