このブログは10日おき(5、15、25)の更新です。
このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論」を展開しております。
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まとまったお金ができたら「繰り上げ返済しておくべきだ」という意見がありますが、筆者はこの意見に与しない立場を取っています。手許に預貯金を残す方を勧めるのです。不動産の欠点は「換金スピードが遅い」ことです。手元に現金があった方がいざというときの安心感が大きいからです。
今日は、住宅ローンについての考え方と「住まい」についての考え方を整理してみることにします。
繰り上げ返済の意味を考えてみる
筆者は、何度かマンションを買い、売却しては買い替えました。また、付き合いの関係から賃貸用のワンルームマンションを買い、従業員を抱えていたので、リゾートマンションを買ったりもしました。妻の両親のために一戸建て住宅の建て替えも経験しました。海外不動産だけは手を出しませんでしたが、国内の不動産では一通りのメニューの売買を体験しました。
すべてを借金して買ったのですが、今では自宅を残し、すべて売り払い換金しました。老後に備えようとしたのです。
売却時に改めて思いました。ローンの清算をすると手元にほとんど残らなかった物件もあれば、期待以上に残った物件もあって、大きな利益をもたらしてくれた物件と期待外れの物件の差を実感できたからです。
金利の高い時期に借りたローンは、償還が進んでいたものの、思いのほか残債務の大きいことを知らされ、立地条件の良いタワーマンションの場合では、買って間がないにも関わらず大儲けできたことに驚き、喜んだりしました。
「人生の店仕舞い」が近づきつつある筆者は、借金の全てを清算し、身ぎれいにしておこうと考え、1年余りかけて自宅以外の不動産を整理しましたが、おかげで麻生大臣の語った「老後2000万円問題」も何とかなりそうだなと安寧の心持で日々を過ごしています。
自宅の一戸建てもローンを完済してしまったので、あとは可能な限り社会貢献をして生きていければいいなと思ったりしているところです。
住宅ローンの繰り上げ返済は、人生の第4コーナーを回るときにすればいい。最悪でも死亡時には「生命保険付きローン」なのだから、家族に迷惑をかけることもない。このように割り切れば、繰り上げ返済をしなくてもよかったのかもしれません。
ただし、財産整理は定年退職を受け入れなければならない人は別のはずです。所得がなくなってしまえば、生活費を少なく抑えなければならないからです。その意味では、「住宅ローンの繰り上げ返済」も選択肢に置かなければなりません。
35年償還で住宅ローンを組むのが一般的ですが、定年時に償還期間が5年も残るような人は、その時点の残金を調べておいて返済の準備をすればよいでしょう。ちなみに、5千万円の住宅ローンを借りて返済期限まで5年時点の残金は、平均金利を1.5%で試算すると、800万円ほどです。
不動産の短所は換金のスピードが遅いことだが・・・
さて、いざというときの頼みの綱は換金スピードの早い「現金」です。自宅を売ってしまうわけに行かないとするなら、不動産は換金スピードが速いものでなければなりません。しかし、賃貸用マンション、例えばワンルームは転売が難しいものです。安値になることも分かっています。投資家は利回りの良い、すなわち割安なものしか手を出さないからです。
ファミリータイプの場合でも、賃貸中であれば右から左というわけには行かないでしょう。「定期借家契約」にしておけば、期限の到来によって売却が可能になりますが、急を要するときは間に合いません。
いざというとき、つまり緊急のとき慌てなくてすむのは、やはり現預金が一番なのです。若いうちは気にしなくても大丈夫ですが、まあ50歳を過ぎたら不動産は売却して現金化しておくようにした方が良いかもしれません。
賃料という収入源を持つというのはよさそうに思うものの・・
老後の収入源として「ワンルームマンション投資」が盛んに行われていますが、35年もの長い時間をかけて返済が終わったとき、毎月の家賃収入はいくらなのでしょうか。ここで具体の数字を挙げることはできませんが、筆者は「35年の成果としては少なすぎる」と思っています。購入時が新築でも、35年先には築35年の中古マンションになっているのです。古いマンションの賃料は当然に安く、5室も10室も持っていればまだしも、1室や2室では大きな力にはなりません。
建物は老化するものです。維持管理も適切に行われているワンルームマンションは少ないのです。期待は裏切られることでしょう。少なくとも、筆者は魅力を感じられなくなって手放したのです。
******売却のご相談もどうぞ*****
ダウンサイジングできるのは30年後かもしれない
筆者は、終の棲家と決めて一戸建てに住みかえましたが、夫婦二人だけになったので、ダウンサイジングして最後の買い替えをしようかと考え始めています。ところが、我が家の売却には高い壁があることを知る羽目になったのです。結論だけを言えば、思いのほか安値になってしまいそうだからです。個人差のあることなので、ズバリ結論を述べることはできませんが、「一戸建てよりマンションのほうが、買い替えによって都合の良い家の買い替えが軽快にできる」と言えそうです。
筆者は、転勤や子供の進学などの都合からマンションの買い替えを経験してきましたが、先に触れたとおり、物件の条件によって売却のスピードには差があることを知りました。
経験と研究の結果から、マンションを買うなら換金価値の高いものを選ぶべきと主張し続けています。換金価値の高いマンション、言い換えれば人気マンションのことです。
可能な限り、初期の段階から条件の良い物件を選ぶようにしたいものです。
売却したい時が最適な市況とは限らない
売りたい時の市場が活況とは限りません。売りたいものはあるが、買い手がいない・現れないという時期があるのです。筆者も子供の進学時期に合わせて買い替えを図ったことがありますが、おりしも新築価格の高騰期であったため、サイズアップもあって、予算を大幅に超える買い物をしなければなりませんでした。一方、自宅の売却価格も驚くほど高いレベルでした。
取引銀行が融資に応じてくれたので、結局は買い替えに踏み切りましたが、多額の負債を背負い込むことになったのです。
住み替えの時期は市場変動と無関係にやって来る
この経験から、売りたいときの市況が最適とは限らないことを知ったのです。価格高騰期に自宅マンション売って手元に多額の資金を残し、しばらく賃貸マンションで慎ましく暮らす。その後、相場の低下傾向を見て次のマンションを買う―――こんな芸当を簡単にできるはずがありません。
市況の悪いとき、すなわち、どれもこれも売れずに価格が低下傾向にあるときに買い出動するということですが、そのタイミングを計るなどという芸当はプロでも無理があるからです。
そこから、「どんな時でも有利な条件で売却が可能な価値あるマンションを持つこと」が王道と結論づけられます。
住宅ローン債務が少なければ・・・・
住宅ローンの残債務があるから、高く売ることが必要になるのです。繰り上げ返済して債務を減らしておけば売却もしやすいのでは・・・このように尋ねられたことがありました。筆者は答えました。それは「本末転倒です」と。
債務残高より高く売れるマンションを選択しておけば、市況の悪い時でも買い手はすぐ現れるものだと付け加えました。ちなみに、買ってから10年経過していればローンは約25%減っていますよ。なので、自宅が25%以上も値下がりしていなければ問題は起きないのだと。
・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました・・・・・次は10日後の予定です。
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