このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介しています・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。
本来、建物は完成したときから老朽化が始まるのですから、経過年数によって価値が下がるのは当たり前とも言えます。
しかし、現実には買い値を上回る値段で売却に成功する例も多数あります。
同じ中古マンションでも、値上がりするマンションと値下がりするマンション。この差は、どこから来るものでしょうか?
それは、需要の多寡によって生まれる結果です。東京の人気住宅地では、マンション開発が難しく、新築マンションは滅多に販売されません。いきおい、そこに住みたい人は中古へ向かうしかないわけです。その結果、人気住宅地の中古マンションは値が下がらないという傾向が続きます。
一方、首都圏でも10年で新築時の半分に下がってしまう極端な例が多数あります。これは、その地域における需要と供給の関係が大きいのですが、それだけでもありません。地域の中でも条件が特に良くない物件だからです。
何がよくないかは様々なケースがあり、一言でくくることはできませんが、物件固有の条件によることだけは確かです。
需要の少ないエリアでは価格は下がりやすく、需要の多いエリアであっても、固有の条件によっては、下がる物件もあります。
どのような地域にせよ、少しでも高く売れそうな物件を選びたいものです。
とはいえ、条件が全部揃うマンションは中々ないものです。従って、あちら立てればこちらが立たずと悩み・迷う。これが現実です。
そこで、優先順位を設けて後順位の枝葉末節は切り捨てるような選択態度が望まれます。
それでも簡単ではない現実があるようです。
今日は、そんな買い手心理に迫ってみたいと思います。
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高値買いになるかもしれないと思ったら
僅か3年前は5000万円で買えたのに、今日は6000万円だって。金利が下がったので買えないこともないが、こんな高い時に買ったら、いずれは値下がりして損をするに違いない。
こんなふうに悩む人もたくさんあるように感じます。
このような場合、次のような心の持ちようをなさったらいかがでしょうか?
①売却や賃貸は、20年くらいも先のこと。そこまで予想するのはそもそも難しいことである
②20年住んだ後に売却するとき、値下がりは間違いないだろう。でも、下がり方が極端でなければいい。その許容範囲は、どのくらいだろう。家賃を払い続けるよりは買った方が得になるはずだ
その損得計算の方法ですが、今回は一例だけご紹介します。
<計算前の仮説>
20年後に購入価格の半分になったとする。しかし、住宅ローンは半分以上返済が進んでいるので、銀行の清算をしてもいくらかの手残りがある。少なくとも頭金以上の金額が残る。これなら損はない。仮に、売却せず賃貸したら、駅前物件ほど高くは貸せないが、ローン返済に充当できるくらいの額は取れそうだ。とすると、最終的にはローンなしの物件が残る。そのときに売れば、更に売値が安くなっても手残りは大きいに違いない。
<計算例>
仮に4000万円の借り入れをした場合、20年後に残金はいくらになっているかの調べてみると、35年、1.2%の固定金利の残債は1900万円である。仮に頭金500万円で4500万円のマンションを購入した場合、20年後に半値の2250万円になってしまったら、ローン残債を清算すると手残りは僅か350万円だ。頭金500万円と登記料などのイニシャルコストの合計が700万円だったら半分しか戻らない計算になる。
これでは、賃貸マンションに住んでいたのと変わらないではないかと、本当にそうなったとき、きっと暗澹たる気持ちになることでしょう。それでも、そのままローンが終わるまで保有したとき、半値をさらに下回って1500万円くらいで売れそうだったらと考えて行くと希望が湧いて来ます。
この計算は最悪の場合です。物件選択を誤らなければ、20年後に半値になってしまう可能性は低いのです。35年後も3分の1になってしまうとは限りません。
※この続きは別の機会にお話しすることになると思いますが、別サイトのブログ「マンション購入を考える」の中から近いもの発見できるかもしれません。
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住まいはどうあるべきかの原点に立ち返ってみては?
人間には欲が付きものですから、居住性も高く、且つ将来の資産価値も高い物件を望みがちです。しかしながら、それには予算を大幅に上げなければならない場合も多いことでしょう。
それが可能な人はいいとして、簡単に行かない人はどうしたらよいのでしょうか?
その場合は、次のように方針を整理して探すというのはいかがでしょうか?
◆そもそも家を買うのは何のため? 老後のことを考えたら賃貸マンションで良いわけがない。それに家賃が勿体ない。だから家は買う。この考えをしっかり固めておく。
◆マイホームは、日常生活がしやすいこと、快適な暮らしが基本。通勤・通学の便が良いこと、子供のいる家庭では子育てがしやすい環境にあること等が大事である。
◆住宅ローンに追われるようなストレスもない方がよい。つまり、無理な資金計画のもとに買ってはいけない。
◆年齢的に永住の住まいを決めるのは早過ぎる。いずれ売却するときがある。そう決めて「売りやすい」物件を選ぶことにしよう。
◆駅近で、かつ広い住戸を求めても無理と分かったら、広さは諦めて駅近を選択する。我慢の範囲は、現状の住まいにプラス10㎡(例)などと定め、欲張らない・高望みしないこととする。
◆売却の時期は10年以内を目安とし、その間の暮らしに支障がない広さでいい、次にランクアップすればいいと割り切ればいいのだから。高みを目指すと、働き甲斐が生まれたり、日々の暮らしに張りが出たりするに違いない。
――――以上のような考え方に立ってみてはいかがでしょうか? それでも迷いが断ち切れないときは? それも簡単なことです。客観的な意見を求めて第三者に悩みをぶつけてみるのです。
第三者の一人である筆者にも、きっとお役に立てることが少なくないと思います。どうぞ、お気軽にご相談・ご質問をお寄せ下さい。
・・・・・・・・今日はここまでです。
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