のらえもんさんにお題を出したら速攻ブログにしてくれたのがもう10日近く前。その後もずっと何も書かないでいたらはるぶーさんスムログ除名されたの?とまで言われたので関連ネタです。
坪4万円/年だと、毎月1平米1000円値段は下がる
のらえもんさんのブログ『坪4万円/年の減価魔法は湾岸タワーにもかかっているのか?』
はこちら ⇒ https://www.sumu-log.com/archives/3775
ブログにでてくるように、年坪4万円減価というのは、沖有人さんの提唱されたマンションの減価スピードです。自身のポータルサイトのコラムを代表例としてざっくりと言い切り口調の彼らしく、割と”どこでも成り立つ法則”として彼の本にでてきます。
一方で、直近の湾岸物件で実際に成約情報を追ってみると必ずしもそれにはのってないねというのがのらえもんさんの結論。
- 建築コストの高騰による上げ相場
– 湾岸の人気の急上昇
という特殊要因があるので、中古の成約価格もむしろ上昇しているマンションの例が沢山でてきます。
全く同じ条件(ま、ありえないが)のマンションが隣り合って建っていて、片方が新築で片方が5年落ちだったら、同じ値段では絶対買ってもらえないですから「そこに立つ新築マンションの価格に比較して、古くなった分価値が目減りする」という数字の目途としてはまぁ妥当なんではないかと私は思うわけです。
相場変動や、再開発立地の人気化などで、その地区の新築マンションの相場が切りあがってきていると、当然築浅の中古も値段は上がっているわけで、ある新築マンションがいくらなら妥当(早期に完売可能という意味とする)かを見るには、築浅の中古成約相場に経年補正分を割り戻したほうが精度はでやすい。
例えば、ゴジラも高そうでもったいないとかでタワーを壊さず通り過ぎる武蔵小杉。築7-8年のマンションが平米90万以上とかで取引されていますから坪ざっくり300万。似た条件の新築が立ったとして、坪300万円下で買えるわけはないことは誰にでも容易にわかります。
”沖式”経年補正をかければ今売っているようなマンションとは、竣工時に10年ほど築年数に差ができますから、それが新築なら、300+4*10=340万、最初にたった三井のは一番便利な場所にあるから、その分ちょっと引き算してこの新築は@330万くらいかな(ちなみに首都圏だと徒歩1分あたりでやはり4万円位です)…でその値段だとしっかり完売ペース。さすがに坪400なら苦戦するだろうな・・・とかこう使うのなら結構妥当なんでないかなと思っているわけです。
これは別のブログで検証していくことにして、坪年4万円というのは、よく管理費計算などで使う1月1㎡あたりに換算すると1000円/㎡/月くらいになります。
6畳の寝室10平米分で毎月1万円下がっていくんだなってのは、案外直観よりは大きいのではないでしょうか。
ポイント1:マンションが経年によって値下がりするスピードは意外に大きい
古びていて、中古で売れないと次の内覧客には・・・
さて自分のマンションの部屋を売るとして、売りだしてずっと売れなければ、段々に正札を値下げしていくか、相手の値引き交渉に応じるしか方法がありません。あちこちで、マンションを売り出してからの期間と、売り出し価格からの成約値引き率の関連をみますが、概ね1月あたり3%程度の値下げがなされているというのが平均的な数字です。つまり中古マンションの値段は実際には”時価”のようなもので、売り出してから売れ残りとして市場にさらされ続ける10日ごとに1% 値下がりしているということになります。無論何か月も頑張って値下げなしに売れることもあるでしょうからあくまでも平均値ですが。
仲介物件を内覧にくる人の確認ポイントは「どの程度新築よりくたびれているか、それに自分は耐えられるか」です。専有部は、水回りを綺麗にしたり、壁紙くらいは総張替するのは売主の基本としても共有部分や敷地・外構部分がくたびれているのは、売主個人にはいかんともしがたい。売ってみればわかりますが、普通のファミリーマンションにそんなに沢山内見の予約が入るものではありません。1人逃すごとに1%引きだなくらいに思うべきです。
ポイント2:「くたびれていていけてないマンションだ」と購入検討者に思われると、実際には10日ごとに1% 値下がりしている
管理費の初期設定の基準は、年間マンション価格の1/250
一方で、マンションの管理費は、1㎡あたりの単価が、そのマンションの坪単価と同じくらいに設定されるという経験則があります。つまり坪300万円のマンションの管理費は、300円/㎡/月くらいに初期設定されることが多い。この数字が同じである場合、新築マンションのお値段は、マンションによらず管理費の250年分ということになります。坪単価が高めのマンションは、当然に買う人の懐具合も豊かです。1平米100万円を超えるようなマンションであれば、住民の人は、カウンターにはコンシェルジュ常駐は当たり前と思うわけですし、相応の共用施設も提供しなければより安いマンションとの差別化ができません。比例関係があるのは当然かな。
サービス水準を保ったまんまでは、実は管理費にはそれほど大きな削減余地があるわけではありません。管理会社に泣いてもらったりして、相当あちこちガリガリ攻めて”一般会計支出の削減”(”委託経費の削減”ではないです;電気代とかなかなか切り代はない)は25%程度がせいぜいではないでしょうか。
つまり管理費の切り代って、せいぜいが1年あたりそのマンションの新築時価格の1/1000しかないことになります。
うちでいうと駐車場収入こみで1.2億円ほどで全額確定的な支出先があったのを、収支改善できた割合は3000万程度でまさに1/4程度。600万円分だけ実際に管理費を下げて還元しましたが、今の組合の管理費会計の余裕はせいぜいが年2000万程度で、これは、全戸の専有面積で割り算すると、1㎡あたり月40円ちょっとにしかなりません。
よくメガマンションで、俺様は何千万円収支改善したぞーとか威張っている理事長さんを理事長の会でもみかけます。無論やらないよりはいいのですが、マンションそのものの値段に比べれば微々たるもので、管理費支出を削減したからといって、それでマンションの値段が変わるというものではないわけです。
ポイント3:頑張って管理費削減しても、年間に新築時価格の1/1000程度
値落ちを加速はしないように管理せよ
理事会が頑張って管理費を削減しても得られるコスト削減効果は、10年で新築時価格の1%分くらいに過ぎません。一方で、削減はいいですがケチりすぎて、植栽が傷んだまま放置されているとか、外構部など全ての購入検討者の目につく部分がへたっていれば、その10年分でその部屋が得たはずのお金が、10日間仲介物件が成約しないための値下げで飛んでしまうこともあるわけです。オーナーとしては、管理費削減もよいですが、より大事なのは減価を変に加速はしないように管理してくれと理事会に注文をつけるべきではないでしょうか?
この話まだ続きあり。
!! 重要 !!
本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、勤務先、RJC48も含めその他所属する一切の団体の意見、方針を示すものではありません。
はるぶーさん
ご指摘ありがとうございました。寡聞にして知らなかっただけの話で汗顔の至りです。小型のこんな並みの物件で高い積立金で販売は大丈夫かなと思った次第で、つい書いてしまったのですが、考えてみると、こんな記事は何の価値もないなと思い直し、早速削除しました。 三井
”オハナ” シリーズが、マンションブランド全体に積立金の均等割りを設定している
極めて珍しい例外で、私はほかには知りません。
野村も”プラウド”ほげほげでは採用していませんから、あんまり会社としておおいばり
して宣伝もできないので、知らない方のほうが多いのではと思います。
三井様のブログは、私のとは違ってヲタク的ではなく、わかりやすいので社会的要請も
あると思います。何も消されなくてもよろしかったのに・・・
指摘のコメントが厳しくとられてしまったのであれば、申し訳ありませんでした
はるぶー拝