このブログは原則として10日おき(5、15、25)の更新です。
このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論」を展開しております。
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問えば答えるが、問われなければ説明を省く。都合の悪いことは黙っている。これは、業界を問わず営業マンの習性とも言えるものです。そうであれば、トコトン質問をして物件を深く知るか、何を質問すれば分からない人の場合は、事前の学習で自衛するしかありません。
気づきにくい事柄や忘れがちなチェックポイントのうち、最低限を箇条書きします。ご検討のツールになれば幸甚です。
建設地について
■駅からの距離について
・・・質問例:「本当に7分ですか?」「駅のどこから計っているのですか?」(1分を80メートルと換算するのがルールです。駅舎の入り口までの距離で表示するのですが、駅の入り口からか、改札口からでは3分くらい違う例もあります)
■液状化の心配
・・・質問例:「この地域は液状化の心配はありませんか?」(この説明はされないのが普通です)
■水没の危険度
・・・質問例:「この地域は水害の危険はないですか?」(同上)
※なお、子育て世代の買い手は走り回る元気な子供にために下の階に迷惑をかけるからと1階を選ぶ傾向がありますが、これはお勧めできません。1階住戸は売りにくいのです。売りにくい住戸は安くなると承知しておく必要があります。将来の売却を考えて選ぶなら、1階は避けておきたいものです。
■隣地の再建築について
・・・質問例:「隣のビルが建て替えされるとしたら、何階の建物ができますか?」(将来のことは全く分からないものの、想定できる範囲を知っておきたい。これが購入者心理です。しかし、目の前が駐車場など危険とすぐに気づく場合以外、想定できる建物の規模・高さなどを主体的に説明してくれることはありません)
建物構造に関して
■耐震性
・・・質問例:「耐震性のレベルは何等級ですか?」(耐震性能の最低ランク「等級1」のマンションの場合、ことさら説明はしません。等級1でも耐震性に問題があるわけではないからです)
■直床構造
・・・質問例:「二重床ですね?」(二重床の場合は、そのメリットを説明してくれることはありますが、直床=じかゆか構造の場合は説明をしないものです。直床だから大きな問題があるというわけではないものの、高級マンションに直床はないこと、将来の間仕切り変更が成約を受けることがあることが問題)
■個室の窓が斜めであること
・・・質問例:「どうして斜めにしてあるのですか?」(玄関側の個室の窓は廊下に対して平行に設けられるのが普通ですが、ときどき斜めになっている間取りを見かけます。わざわざ曲げているのは採光を遮蔽する何かがあるためですが、その説明をしてくれることはありません。暗い部屋かもしれないと覚悟しておく必要があります)
■天井高のこと
・・・質問例:「リビングルームの天井高はどのくらいですか?」(2500ミリが基準値と覚えておくといいでしょう。2400ミリも少なくないのです)
■下がり天井のこと
・・・質問例:「天井の低い部分がありますが、圧迫感があるのでは?」(下がり天井はほぼ全部のマンションに誕生します。しかし、それが目立たないケースと強い圧迫感をもたらすケースがあります)
その位置を図面上に、点線で天井高(CH)=2000などと表記してありますが、そのことに気付かない買い手も多く、完成後の内覧会で落胆する人も少なくありません。事前の説明は一切してくれないからです。小さな文字で「下がり天井」とある部分に注意しましょう。
■畳数表示について
・・・質問例:「この数字はどこからどこまでの面積なのですか?(畳数計算は壁芯計算が許されています。内法計算ではないのです。柱が大きく張り出している個室などは、実質的に半畳ほどマイナスしてイメージしておきたいところです。また、リビングダイニングの計算は通路部分も含まれているので、10畳とあっても、家具の配置と動線を考慮すると9畳もないケースや使いづらい間取りが少なくないことに注意したいものです)
■エレベーターの数
・・・質問例:「1台では少ないのでは?」(盲点のひとつです。コストダウンのために十分とは言えない台数で抑えている物件は、それに関して何も語られないのが常です。10階建て以上の高層マンションの場合は70戸か80戸あたり1台が必要と覚えておかれるといいでしょう)
設備・仕様に関して
■ディスポーザー
・・・質問例:「ディスポーザーはありますか?」「窓はペアガラスですか?」(室内設備で最もカットされてしまうのがディスポーザーです。安くない設備なので、小型マンションでは実装されないことが多いのです)
(暖気・寒気を大幅にカットしてくれるペアガラスですが、その性能も差があるようです。最近の新築マンションではペアガラス不採用の例はほとんどないと聞きますが、ゼロではないのです)
■洗濯機置き場
・・・質問例:「洗濯機置き場に扉はつかないのですか?」「扉はなくても両脇に袖壁のある洗濯機置き場とするのが最低限の設計処理です。できれば扉も欲しいもの)
販売や管理について
■売主について
・・・質問例:「●●社さんはいつごろから始めたのですか?」「どのくらいの実績があるのですか?」(聞かなくてもHP上に実績を紹介している企業があります。実績不足、知名度不足を疑われるからでしょう。大手はしないものです。何年前から何物件と具体的に把握しておきたいところです。10件や20件程度の実績では経験豊富な企業とは言えません)
■売り出し戸数
・・・質問例:「●●戸しか売り出さないのはなぜですか?」「よく売れている物件なら良いものに違いない」と思いたがるのが買い手心理です。買い手は販売状況を知りたいのですが、売れ行きが「並み」の物件は、それを売主は隠すと思った方がよいのです。少戸数の売り出しは、一気に売り出しても売れないことの証と思った方が良いでしょう)
聞けば、「おかげさまで順調です」くらいの答えは返って来ますが、そう語っていた物件が竣工後1年経って多数の売れ残りを抱えているなどという実例はたくさんあります)
■価格について
・・・質問例:「お高くないですか?」「お買い得な物件なのでしょうか?」(マンション業者は、高値と知りながら商品化しているのと見た方が良いようです。高くないと強弁するなら、その根拠を聞きましょう)
■値引き販売の有無について
・・・質問例:「少しはお値引きしていただけますよね?」(新築マンションの場合は値引きはないと思うべきですが、中には販売促進のために値引きしている例があります。しかし、それを公言することはないのです。例外的に値引きがあるとするなら、それを始めるのは建物竣工時期、もしくは決算直前期などに限られます)
■値引き提示の理由
・・・質問例:「売れ行きはイマイチなのですね?」「まだ、多数の残りがあるのでしょうか?」など(買い手から要求をしたわけでもないのに、営業マンの側から「今週中に結論を下さるなら〇〇〇万円お引きします」などと提示して来ることがあります。
「決算期なので」が最もポピュラーな値引き理由ですが、本当の理由は単に販売促進のためです。計画通りに販売が進んでいない証拠ですが、「売れないから」とは言うはずもありません。
■管理費・修繕積立金が高いこと
・・・質問例:「この管理費・修繕積立金は高くないですか?」「管理費が高いと思うのですが、理由は何ですか?」など。(管理費等が高いか否かは、基準を知らない買い手にとって判断しにくいものですが、1㎡当たり250~300円程度と覚えておくといいでしょう。規模や高さによって管理費は変動するのですが、数字を提示するだけで、「割高なマンションではございますが・・・」などとは決して言いません)
(修繕積立金は高ければ高いほど増額ピッチが緩やかなものです。安ければよいわけではないのです。長期計画を尋ねましょう)
・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました・・・・・次は10日後の予定です。
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