このブログは原則として10日おき(5、15、25)の更新です。
このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論」を展開しております。
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住宅資金の贈与に特例ができ、贈与税が大幅に軽減されるようになって以来、親や祖父母などから多額の資金贈与を受けて住宅を購入する若い世代が増えました。その中には、結婚と同時に購入する人も目立っています。今日は、新婚さんのマンション選びについてお伝えします。贈与を受けていない新婚さんも含めて、「結婚と同時の住まいは賃貸がいいか購入がいいか」の判断材料になれば幸甚です。
低金利のおかげでローン返済の負担は少ないが
史上、稀に見る低金利のおかげで、住宅ローンの返済負担が大きく軽減され、若い世代のマイホームの購買意欲を刺激しています。一方、家賃は金利低下の影響を受けにくいので、大きく下落することなく推移しています。このため、家賃と住宅ローンの返済額に急接近しました。分譲と同じレベルの賃貸マンションなら、むしろ分譲の方が負担は軽いというケースも増えたのです。こうして、迷わずマンションや建売住宅を購入する新婚カップルを多数誕生させています。
ただし、新婚カップルが注意しておかなければならないことがあります。もし、早い時期に子供を設ける予定があるなら、当面の都合で選ばず、将来の子育て環境も選択条件の一つに入れておくことが大事です。
この点を考えずに買ってしまうと、数年後、子育てにふさわしい環境の場所に買い替えを考えたとき、首尾よく売却ができればいいですが、買い値を大きく下回る値段になってしまったら困るからです。
築後5~6年の中古マンションが、新築時を上回る値段が付いている物件も現実に存在しますが、希少価値の高い、ごく限られたマンションの場合です。
そうしたマンションを見つけることは、目利きのプロでも簡単ではありません。ゆえに、買い値を下回る値段になることを覚悟しておく必要があります。
売却する際、買い値を下回る値段で構わないとしても、住宅ローンの清算金を上回る値段になることが必須です。ローン残債は、短期間の経過では、ほとんど減っていないことを忘れてはなりません。
ということは、購入の際に十分な頭金を入れておくか、売却時の清算のために不足する資金を用意することが必要になります。
頭金を2割払って買った場合は、概ね足りるかもしれませんが、それでは売却後の手取りは殆んどゼロにかもしれません。
こうした計算をすると、結局10年程度は住むつもりの選択が必須となるのです。10年経過なら、概ね20%以上は借り入れ残高が減っているからです。
共働きすると思いがけないほどの高額マンションが買える今だが
夫婦とも仕事をしていれば、頭金が少なくても2人の所得合算によって住宅ローン驚くほど多額に組めますから、若いうちから立派なマイホームを持つことが可能です。しかし、子供を作る予定があれば、遠くない将来、夫の収入だけで生活を維持していけるかを考慮しなければならないかもしれません。その場合には、妻の借り入れ分を短期で完済し、全体の住宅ローンを減らすというような計画、もしくは妻の職場復帰までの数年は返済原資を別途用意しておくことが必要です。
また、例えば「当初は都心の利便性優先のマンションに住み、子供ができたら郊外の自然環境に恵まれた場所の安い物件に買い替える」ことを考えてもいいのかもしれません。
しかし、そう都合よく行くかは分かりません。計画より早くに買い替えの必要が発生するかもしれませんし、住宅市況が悪化して、売却がうまく行かないかもしれません。
そうであれば、子供ができても当分の間は転居しないですむ広さと環境を初めから条件に掲げて選ぶという方針が望ましいということになります。
昨今、コンパクトマンションと定義される専有面積30㎡~50㎡台の都心型マンションが流行していますが、選ぶ際には是非とも近い将来を見据えて選ぶようにしたいものです。
シングル・DINKS需要はますます増大するものの・・・
コンパクトマンションに限りませんが、買うときは将来の売却において高値が付く物件を選ぶことが大事です。古くなればマンションは「経年劣化」し、見た目の印象も悪くなって市場価値は低くなるからです。古くても新築並みの価格で取引されている物件もないことはないのですが、実例は極めて少なく、例外中の例外というほかありません。しかも、いずれの物件もワンルーム住戸の混在しない高級マンションと言えるタイプです。
今後、東京は以前にも増してコンパクトマンション需要が伸びるはずです。なぜなら、単身者の増加と、結婚しても子供を設けないDINKSが増える傾向が続くからです。
しかしながら、コンパクトマンション需要が増えるからといって、すべてのコンパクトマンションが一律に価格上昇の恩恵を得るわけではありません。「優勝劣敗」というキーワードを忘れてはならないのです。
そこで、次はどんなコンパクトマンション(ワンルーム・1DKなど)を選んだらいいかについて述べることにします。
ワンルームだけのマンションは避けたい
値下がり率の低いマンションを選びたければ、「全戸ワンルーム」物件は避けなければなりません。理由は、第一に「管理が悪くなる危険が高い」ことが挙げられます。全戸ワンルームマンションは大半が管理人のいない「巡回管理」だからです。
どんなタイプのマンションでも、購入の際、管理が良いかどうかの視点は必須です。とりわけ、ワンルーム主体のマンションの場合、管理人不在マンションは避けておきたいものです。
小型マンションの場合、管理人の人件費まで賄いきれないため、「巡回」で済ませるものが多いのですが、これでは良好な管理を長く続けることは困難です。
小型マンションほど、1住戸当たりの管理費が高くなってしまうため、管理人不在の「巡回式」にしてしまうのです。つまり、良い管理を望むなら、小型マンションは避けなければなりません。
もっとも、10年ほど住んで売却する場合なら、管理の悪さは大きく影響を与えない場合もあります。とはいえ、やはり管理人不在マンションは避けておきたいものです。
避けたいマンションの第二は、小規模で風格に欠ける建物を挙げなければなりません。マンション業者は、用地難の中でビジネスチャンスを掴むために小規模敷地でもビジネスになると踏んで、ワンルームマンションの計画に取り組むことがあります。
ワンルームマンションは、多少のことなら高くてもビジネスになることを彼らは知っています。「高くても」の意味は。販売単価のことで、そもそもコンパクト住戸は1戸あたりにすれば安いだけに着手しやすいのでしょう。
買い手の立場では、割高なマンションを買わされることになります。小型で付加価値のない、駅に近いだけのコンパクトマンションを買いますか?筆者はそう投げかけたい衝動に駆られるのです。
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中古マンションの方が新築より安いのは当然としても、物件によって差があります。古い割に高い人気マンションもあれば、反対に格安の中古マンションもあるのです。コンパクトマンションも同様、古くなればなるほど価格が下がってしまうものですが、物件によって差があります。安くなってしまうのは、立地(駅からの距離・環境など)条件がもうひとつで、建物価値(規模・風格など)も劣るからにほかなりません。
また、安値の中古ワンルームの中には「賃貸中」という事例が多く含まれます。賃貸中ということは、買っても住むことはできないことになります。法規制では、賃貸契約の期限が到来しても賃借人を退去させることはできないからです。
従って、購入できる人は、賃貸目的の投資家だけということになります。最近は「定期借家契約」という例も増えているようですが、そうではない「普通借家契約」が多いのが実情です。
結局、ワンルームを自己居住用に買いたい人には検討対象外の物件ということになってしまいます。ワンルームの賃借人は居住期間が比較的短いようですが、退去してくれるかどうかは保証の限りではないのです。
購入しても、空室になるまで待つという策も検討課題にはなるかもしれませんが、初期の目的を考えたらお勧めできる策ではありません。
外から見て格好いいものを
先述の「ワンルームだけの物件は避けたい」の中で述べた二つの条件(管理とスケール)以外に、将来の売却を念頭に価値あるマンションを購入したい人は、以下に述べる条件を肝に銘じておきましょう。第三の条件として最寄り駅から徒歩5分以内の立地とするべきです。 まあ、ワンルームマンションの大半はこの条件を満たすので、選ぶのにさほど苦労は要らないはずです。
第四に、「体格と体型」が大事です。大きなもの、格好いいものという意味です。管理が良いマンションは、規模も大きいものですが、少なくともファミリータイプ換算で100戸以上のマンション、すなわち総戸数150戸以上の物件を選びたいものです。
安い物件を探そうとしないことが肝心
これはコンパクトマンションに限らない助言です。安いマンションは立地条件が劣るか、建物価値が普通以下である例が多いからです。新築も中古も同様です。安い物件は「なぜ安いのか」と疑ってみることが必須で、市場価値が高いマンションは売値も高いのが当たり前なのです。安いマンションを探すのではなく、価値あるマンションを探すという姿勢が重要です。
・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました・・・・・次は10日後の予定です。
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