このブログは原則として10日おき(5、15、25)の更新です。
このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論」を展開しております。
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高値が続く中古マンション。私の家、今いくら? これに興味がない人はないはずです。 さて、これをどう考えるか、何もしないのがいいのか?・・・・今日は、そんなことを考えている読者にお届けしようと思います。
高くなった我が家。売ると多額のキャッシュが手に入る
ローンの残債を清算しても手元に何百万円も残る。これは魅力的なことです。しかしながら、そもそも売却の意図は、「広い家に住み替えたい」とか「転勤のため通勤の問題があるから」といったものが普通であって、特に不満があるわけではないという人は買い替えに動くことはないものです。ゆえに、今どれだけ儲かるかなんて考えもしない・・・そんな人も少なくないはずです。
ところが、たまたま友人の買い替えの話、たとえば「通勤が便利になった」「新しくなった」「広くなった」という感想に刺激を受け、「それじゃあ我が家も」と、欲求が芽生えるということはあるものです。
奥ゆかしい日本人のこと、売却で大いに儲かったなどという話はしないものですが、親しい間柄では「大きなキャッシュを手にした。売るなら今だ」という情報を耳にすることもあるのでしょう。
そんな友人の声を聞いた人は、情報サイトから我が家は今いくらになっているのだろうと調べます。ついでに「住宅ローンの償還表」を見て残高をチェックします。驚いたことに、1000万円も値上がりしていることが分かり、その値段で売れたら、手元には2000万円ものキャッシュが残ることを知ります。
購入時に支払った現金は200万円くらいだったことを思い出し、10倍に膨張したことに目を疑います。しかし、それは夢物語ではないのです。俄然売りたい衝動にかられます。
「10年ひと昔」というが・・・
1人あたり平均賃金は過去10年、ほとんど増えていないという統計データを見ますが、マンションを購入する世帯、しかも東京都心などで買おうとしている世帯などに限ると、統計数字とは大きなギャップがあります。共働き世帯の増加もあって、普通のサラリーマン世帯でも1000万円を超えることは珍しくないからです。
結婚した当初は年収600万円だったという男性が、結婚によって5年も経たないうちに1000万円世帯になるのは、妻の所得が加わるからでしょう。このような高所得世帯は結構多いようで、少なくとも筆者に届くマンション購入相談の依頼者は、大半が1000万円超の世帯なのです。
無論、妻の所得を別にして1000万円という人も少なくありません。
結婚年齢が毎年高くなっていることも一因でしょうが、1000万円という年収は昔なら「高額所得者名簿」(※)に掲載される特別な人だけで、一般会社員はいなかったので、それを思うと隔世の感すら覚えます。
(※今は、高額納税者名簿となっているらしい)
買い替え先が問題かも?
さて、自宅マンションを売ると多額の手取り現金が残るという冒頭の話は、調べてみると、希望的観測ではなく、現実だと確信するようになります。そうして、「売りたい」という欲望が熱くなって行きます。筆者にも経験がありますが、期待以上の高値売却に、ほくそ笑んだものです。しかし、問題はここからです。高値は地域相場の上昇という市場変化の恩恵によるのであって、同地域内のマンションは、どれもこれも高値になっています。
「中古も新築も高値」なのです。自宅が高値で売却できても、次の購入物件も高値なので、せっかく手にした現金を吐き出した上に、高額の住宅ローンを組みなおす必要があるかもしれないことを意味しています。
できることなら、手にした多額の清算金(売却後の手取り現金)には手をつけずに新たな買い物をしたいと考えるのが普通です。それこそが錬金術です。
そんなことは可能なのでしょうか? できたら、今の家より一部屋多い間数の住まいを欲しいとか、リビングルームを広くして優雅なものにしたいなどと夢見がちになります。
そして、これらの願望を手元資金に手を付けずにかなえたい・・・そう考える人も少なくありません。そんなことは可能なのでしょうか・・・答えは、物件次第と言えます。場所を思い切って移動するとか、古いものの程度の良いマンションにするといった方法です。
避けたい条件は?
しかしながら、最寄り駅から遠い物件だけは避けたいものです。特に、郊外マンションの中から選ぶなら、「その街一番」とか「その駅一番」の物件を選びたいものです。しかし、地域一番マンションといっても、街によって差があるものです。例えば、人気の恵比寿や人気の横浜の相場はとても高いのです。
そこで、探し方の手順ですが、まず予算をまず決め、その上で、次はどのエリアで購入可能かを研究しましょう。
新築志向の強い日本人は、中古を嫌う傾向があります。購入時に15年のマンションも、次に売るとき30年になってしまうと、敬遠される可能性が高くなる。その点も念頭に置かなければなりません。
無論、30年経過でも高値で取引される人気マンションもないわけではありません。ところが、そのような人気マンションの価格は、購入時も結構高いと思わなければなりません。安いマンションを探すことと、価値ある中古マンションを探すこととは二律背反的な目標とも言えるのです。
このため、うっかりすれば買ってはいけない条件の物件を選んでしまうという罠にはまってしまいます。
小型マンションは「より慎重に」
小型マンションと大型マンション、その区分は明確なものではありませんが、まあ少なくとも50戸、できたら100戸と線を引きたいものです。小型マンションは何が良くないのでしょうか? ひとつは「存在感の不足」です。商業地と住宅地では違って来ますが、周囲の建物との対比で目立つマンションなのか、目立たないマンションかという視点を持ちたいものです。
マンション購入者の多くは「どうだ、俺のマンションは」と思いたいはずで。林立するマンションやビルの谷間に埋没していないかどうかという視点を持つことが大事です。
裏道にあり、周囲のビルの陰に隠れるような目立たない姿の小型マンションも避けた方が無難です。
売った資金を使わずに優良マンションに買い替える?
売った自宅マンション。思いがけずに大きな資金を手にした、それに手を付けずに次のマンション、しかも価値あるマンションを買う・・・そんなことは本当にできるのでしょうか?ときどき、そんな疑問をぶつけて来る人があります。都心の高値の物件を売って、郊外のマンションを選択すれば悠々買えるかもしれないが、同じようなエリアでは「ランクアップの買い替え」はできないのではというのです。
理屈はその通り、好条件のマンションは中古でも結構高いからです。古過ぎるマンションはだめだ、駅から遠いマンションもだめだ、小型マンションはやめろ、などと言われたら選ぶことはできないではないか・・・・こう言いたいようです。
確かに一理はあります。しかし、最近1年か2年の中でも「ランクアップ買い替え」を実現させた人は数多くあるのも事実です。ある人は、売却資金の中から百万円だけ使ったと言いますし、別の人はリフォーム費用までローンに組み込んで買ったので、手元の預貯金には殆んど手をつけずに買ったと言います。
無論、買ったマンションもまずまずの好条件でした。広さも10㎡前後は広くなったようです。中には、新築を買った人もいるのです。
結婚によって世帯年収が増えたという人もいたり、転職で所得が増えたり、社内の職位が上がって増えたという人もあるようです。いずれにせよ、人さまざまのようで、ランクアップの買い替えはさほど難しくないのだなという現実を知ります。
筆者に届くお便りは、例外なく「前向きでプラス思考のご相談者ばかり」なので、反対の困窮者もいるとしても実感はありません。まあ、早い話が値上がりした自宅を売って得た代金は貯金してしまい、元手ゼロで買い替えるという芸当は難しくないのだと得心します。
選ぶものを間違わなければ、ランクアップ買い替えはいつでもできるのです。
優良中古は探すのが大変という人もあるが
ランクアップ買い替えを中古に絞って実現させようという人の多くが、中古は見つけるのが大変だとこぼします。たまに、良い物件に巡りあっても短時間で市場から消えてしまうというのです。確かに、優良な物件は足が速いので素早く結論を出す必要があるのでしょう。それだけに、価値判断、価格判断のスピードが求められます。しかし、売り手側の業者(新築なら売主。中古は仲介業者)は、都合の悪いことは教えてくれません。
このため、正しい判断がしにくいのです。そんなときは、PRめいて恐縮ですが筆者の「マンション評価サービス」をご利用なさればよろしいでしょう。
良い物件を見つけても、足が早くて振り出しに戻ってしまったときは、次のような策で臨むと良いでしょう。
- 大型マンションなら、年に何度も売り出し物件が出てくるので待っていても次々チャンスがある
- 小型マンションの売り物は年に1件あるかないかなので、候補マンションは数件マークしておく必要がある
- 信頼できそうな営業マンを自分担当として抱える(これを探し当てるのは厄介なので運次第。その場合は、信用できる人物から紹介してもらうなどの策を講じる)
・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました・・・・・次
は10日後の予定です。
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