第319回「マイホーム投資という視点での選択」

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このブログは原則として10日おき(5、15、25)の更新です。

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論を展開しております。

今日は、マイホーム購入に当たって「投資」の概念を持つことの意味について語ろうと思います。

 

住宅購入は資産を増やすことだが・・・

一戸建てにせよマンションにせよ、マイホーム購入に当たっては、投資的な感覚で買うことが大事だと考えます。

 

住んでいる自宅が値上がりしようが値下がりしようが、住んでいる者にとって何ら損得を実感できるものではありませんが、それでも自宅マンションの資産価値に着眼するのは大切です。

 

 

住んでいるうちは、自宅の価値が上がろうと下がろうと、プラスもマイナスもないかもしれませんが、転売のときに喜びを感じたり、反対に落胆したりします。

 

地方都市と異なり、面的な広がりが大きい東京圏で仕事をしていると、転勤や転職などで自宅の場所が不都合になってしまうことがあります。自分だけなら何とかなっても、配偶者の仕事の関係や子供の学校の関係などから、通勤・通学に不便という場合があるからです。

 

筆者の提供する「マンション評価サービス」と「将来価格の予測サービス」のご依頼者は、例外なく「転勤・転職の可能性がある」と依頼の理由を添え書きして来ます。

 

可能性が低いとしたご依頼者も、「将来、何が起こるか分からないから」と依頼理由を書いてきます。そして、「将来の価値を想定しておきたい」と続けて来られます。

 

いざというときの価値はどうなるか、その点に非常に関心が強いことを示す証左ですが、マイホームは財産であり、その価値が将来どのようになるのか、そこに関心を持つのは自然なこととも言えます。

 

将来、自宅マンション、もしくは一戸建てが価値あるものであり続けるのか、それとも二束三文に成り下がってしまうのか、下手な買い物をしたばかりにマイナスの財産となってしまうのか、このことに関心を持たない人はないはずです。

 

高額のローンを利用して購入した資産。それがマイナスの資産になってしまうのか、それともプラスの資産になってくれるのか、この点に興味がない人はないはずです。

 

いざ売るというときの価格が問題だ!

マンションにせよ一戸建てにせよ、広い東京圏ではひとつ所に永住することは考えづらいものです。仕事を何十年も同じ場所で続けられる人は、開業医その他の自営業者を除けば少ないはずです。

 

転勤の心配がない企業に勤務する人もあるでしょうが、大企業に勤務する人は勤務地が変わるという想定が必要なはずです。

 

そのときに自宅を売却する必要が起こるかかどうか、起こると仮定したら、その売却価格を想定しておかなければなりません。正確に予測することは不可能でも、おおよその売却可能額を知っておくことは重要です。

 

売却するとき、その額が住宅ローンの残債以下になってしまうのか、残債を超える価格で売れて、手元にいくらかのキャッシュが残るのか、それが100万円なのか500万円か、それとも1000万円なのか、こうした計算はしておく必要があるのです。

 

住宅ローンの残債が、まだ5000万円もあるのに、売れそうな値段が4000万円では困るからです。

 

将来の資産価値という視点

以上の意味で、自宅マンションの将来価値を購入時から関心を持つ、もしくは想定しておくことは非常に重要です。

 

建物は古くなると減価するが、土地は腐らないというものの、土地の価値も立地によっては減価するのです。街が形成されて人口が増えれば、生活物資を扱う店舗やその他の商業施設も増えて、街全体の価値も上がり、我が家の価値も評価が上がっていくはずです。

 

古くなって減価する建物価値を、街の価値の向上、言い換えれば土地の価値の向上によって補い、トータル価値は購入時の価値と変わらないか、むしろ値上がりするといった結果を期待できるからです。

 

首都圏では、どこに買っても、値上がりの恩恵を受けられる、そんな期待を持てた時代もありました。しかし、高度成長は終焉し、人口は減少時代に移りました。戦後の復興をなし、経済成長を遂げて世界第2位の経済大国にのし上がった日本も、今や中国の後塵を拝し、年率2%の成長もおぼつかないのです。

 

人口は減り、結婚しない非婚時代となって、先行きは暗いデータしか見られなくなっています。人口だけでなく経済も縮む日本ですが、ましなのは首都圏や7大都市などだけです。その7大都市も決して安閑としてはいられないのです。

 

今、マンション選びは慎重の上に慎重を期し、厳選することが求められる時代になっています。

 

一生独身を貫く人も増えて、資産形成に強い関心を持つようになっている

非婚時代と表現しましたが、一生独身を貫く男女が年々増えてきました。統計を見ても、信じられないほど単身生活者が多いのです。

結婚しない男女に聞いてみても、結婚願望それ自体がないという人も多く、筆者などには理解不能です。

 

しかし、裏腹に資産形成には関心が強いようです。東京圏は家賃が高いからでもあるのですが、「買ってしまった方が得だ」という考えなのでしょう。

また、賃貸住宅は高齢になると確保しづらいという事情を知っているからかもしれません。

 

豊かな老後とは?

ところで、老後の心配が要らないという状態を作るにはどんな準備をして行ったらいいのでしょうか。言うまでもなく、借金がなく、貯金が潤沢に持つことで、優雅な老後を送れるようにしていかなければなりませんが、そのための策はいかに? 30代以上の人なら、これを考えない人はいないはずです。

 

老後2千万円問題がひところマスコミを賑わせたことがありましたが、本当に2千万円で足りるのでしょうか?寿命が延びたら2千万では済まないのでは?年金も生活ができるほど受給できる保証もないと聞くし、まあ当てにはできないね・・・こう語る人ばかりです。

 

対策の柱を先ずは考えてみましょう。以下の3本です。

1)貯める?

2)退職金に期待する?

3)2つの家を買って、ひとつは賃貸用にする?

 

自宅マンションのローンは早めに完済しておこう

老後の生活費に困らないようにするには、住居費、すなわち住宅ローンを完済しておくことが重要です。そうしておけば、生活にゆとりが生まれ、不安はなくなります。

定年延長が期待できるとしても、60歳までには完済したほうが良いでしょう。

 

貯金も必要です。退職金に期待できないとするなら、若いうちから貯蓄に励むことが必須です。その一方で、貯蓄に代わる利殖、例えばマンション投資を考えてもいいでしょう。

 

自宅以外のマンションを購入し、これが定年後の副収入源となってくれるなら、悪くない策だからです。ただし、物件の選定が問題です。ここでは詳細を述べませんが、20㎡前後の超コンパクトマンションは止めた方がよいでしょう。

 

子を持たない夫婦が一段と増えて2LDKが標準に!

さて、自用のマンションを買っておけば、とりあえず将来の住まいの心配はしなくてよいはずですが、どんなマンションでも安心とは言えません。

 

当分は一人暮らしが続く。こう仮定すれば、1LDKでもよいかもしれませんが、一生独身で通すと決めていない限り、いつか売却して広いマンションに住み替える必要が生じるかもしれません。

 

そのとき必要な間取りは2寝室、すなわち2LDKで足りるでしょうから、最初から2LDKを買っておいた方が良いでしょう。2LDKなら、一人目の子供ができても十分でしょうし、子供を設けないカップルなら、1LDKあればよいかもしれません。

 

まあ、昨今の在宅ワーク主体の勤務を想定するなら2LDKがベターでしょうか。

 

このように考えて来ると、3LDKが標準タイプという常識は過去のものになったようです。

 

残してあげたい兄弟姉妹、甥、姪も・・・

独身を通してしまった人は、没後、兄弟姉妹に迷惑をかけないようにしたいものです。少なくとも「こんな物は要らない」と言われるマンションではなりません。

 

相続人が一人でない場合、マンションなどの不動産は、売却して現金化するしかありませんが、換金しやすい立地のマンションであれば良いものの、立地が悪いとか品質が低すぎるなどの理由で換金が容易でない物件では、相続する兄弟姉妹も「ありがた迷惑」ということになります。

 

相続相手の兄弟姉妹が近くに住んでいない可能性もあります。賃貸できないような物件は維持管理が大変だから「もらいたくない」と思われるかもしれません。

賃貸がしにくいうえ、修理費がかかり過ぎる木造住宅などは論外だ、マンションでも駅から遠い物件は困る・・・このように言われるのが落ちです。

 

換金処分が困難な物件などは、もはや論外なのです。

 

まあ、首都圏で立地の良い物件なら換金処分が困難ということはないかもしれませんが、立地条件が良いと思える街・マンションも30年先の評価は変わるはずです。人口減少時代という観点を念頭に置いておかなければならないからです。

 

先々も価値が大きく下落しないような物件を選択しておく必要がありますし、購入後に世間(市場)の評価が低下しそうに思えたら、好立地の物件に買い替えるなどの策を講じる必要があるかもしれません。

 

このようにして、残す相手に喜んでもらえるように方策を講じておくことも大切です。「虎は死して皮を残す」ではありませんが、死後に迷惑をかけないようにするためにも、良い不動産、良い相続財産を残すことも念頭に置いておかなければなりません。

 

この話は、その時が来たら考えるのではなく、若い時から先を見て講じるべき策として述べました。

 

・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました・・・・・次は10日後の予定です。

 

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