このブログは原則として10日おき(5、15、25)の更新です。
このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論」を展開しております。
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マンション価格が高騰しています。それでも買いたい人、買わなければならない事情にある家庭にとっては悩ましいときです。高値掴みをしてしまうかもしれない、リセールのときに大きな損失を被るかもしれないと警戒する人。 他方、この物件なら高くても将来性が高いので、きっと良い値で売れるだろうと期待して買う人もいます。金利は史上最低の水準にある。しかし、上昇の気配もうかがえる。すぐに急上昇するとは思えないが、変動と固定の中間タイプを利用しようと考える人も増えているらしい。 こんな報道も見かけます。
低金利は多額の借り入れを可能にし、購買力を押し上げてくれる。高いものも手が届いてしまう。だけど、こんなに多額の借り入れをして本当に大丈夫だろうか等々。様々な思惑を持ちながら購入する人もある一方、計画が根底から覆ることもある。想定外のことが起きるかもしればいと心配する人もあるようです。
まさかが起きる。それが世の中だ
他国の異常な投資市場や景況などが国境を越えて我が国へ影響を及ぼすという構図を見ると、かつて「アメリカがくしゃみをすると日本が風邪をひく」と言われたことを思い出します。今、日本経済に影響を与えるのは米国だけでなく中国も、さらにはウクライナとロシアの戦争の問題も日本には無縁ではないようです。
少し前のことですが、2008年に起きたリーマンショックのときも、当初は日本への影響は小さいと言われていました。しかし、影響は世界中に広がり、世界金融危機、世界同時不況と言われる危機的な状況に発展、日本も例外ではなかったのです。
そのころ、マンション業界では中堅デベロッパーが経営破たんしました。10年余り前のことです。
今日の世界は国境があってないようなもの、私たちの知らない場所で起きた小さな事件が世界に飛び火し大火となる時代なのかもしれません。
「1990年代はまさかの時代だ」と語ったのは故・堺屋太一さんでした。ベルリンの壁が崩壊し、東西ドイツがひとつになったこと、冷戦が終わったことなどを指して表したのでした。
2000年代に入ってからも、全く予想もしなかった事件や経済変動が起こって世間にショックを与えて来ました。例を挙げればキリはないですが、銀行に預けた預金も安全ではなく、保障されるのは1000万円までとなりました。
護送船団と言われた銀行はつぶれないと言われていたのに、その安全神話は崩れ、日本中の銀行がたくさん破たんして行った過程で決められた制度です。
大手都市銀行さえも多数消滅し、生き残りのために合従連衡も続きました。東京三菱UFJ銀行(現在の三菱UFJ)という長い名のメガバンクは多数の合併の結果でした。
1980年代に起きたバブル経済の勃興と1990年代初めのバブル崩壊も、そのころは予想外のできごとでした。株価は1989年12月末に39,000円弱もの高値をつけ、これがピークでしたが、その後は急落し、2009年には7054円にまで下がったのです。
このような大変動を誰が予想できたでしょうか?
不動産価格の変動と土地神話の崩壊
不動産バブルにも目を向けてみましょう。かつて、土地を持っていれば必ず儲かると信じられていた時代がありました。これが土地神話でした。
企業においては、購入額が簿価として計上され、その後の値上がりによって「含み益」がもたらされ、価値が膨らんだ不動産を担保にすれば簡単に銀行融資を受けられる。つまり、土地は錬金術として欠かせない資産、いわば打ち出の小槌になり得ました。
景気が悪く売り上げが減ったとき、足りなくなる現金を借入金で賄うことが可能になるのは、土地のおかげであったのです。
企業は、いざというときは土地が会社を救ってくれるから、余力のあるときは土地を買っておこうと動きました。 買った土地には、本社社屋を建設したり、社宅を建てたりしました。
土地は買ったら持ち続け、簿価と時価との差が生み出す含み益を資金調達に活用することが可能で、錬金術とも言われました。
バブル期、余力が企業にもたらされ、土地の買い占めに拍車をかけました。そして、「買うから上がる、上がるから買う」という循環を生んだのです。
その後、政府は“狂騰”と表現された異常な地価の高騰を抑えるため、土地取引に届け出制もしくは許可制を導入しました。その効果はてきめんで、やがて地価は暴落し、バブルは崩壊しました。1990年初頭に土地神話は終焉したのです。
2020年頃から、再び同じ心配の声も出始めたようです。マンション価格に限ると、2005年頃から15年もの間、東京都心で値上がりが続いているからです。
マイホームの値上がり・値下がり
1988年以前に都区内でマンションを買った人の多くは、1990年代に大きな値上がりを体験しました。タイミングや購入した物件・場所によって差はあるものの、短期間に我が家が2倍、3倍になったことで驚いたものです。しかし、現に住んでいる家の値段が何倍になろうと、何の得もありませんでした。むしろ、固定資産税がアップしたことを苦々しく思った人もあったのです。
一方、売却した人は、高値に驚くとともに手にした金額に喜び一杯だったことでしょう。ただし、その資金でもっと良い住まいを手に入れようとすると、郊外のまだ値上がりの波が及んでいない街へ行くほかありませんでした。
売却した場所の近くは同じように値上がりしていたため、売却して得た金銭に(新たな借り入れなどで)資金をプラスしなければランクアップした家は買えなかったからです。
反対に、バブル期に高額な住まいを購入した人は、その後の極端な値下がりを体験し、失望することとなりました。
何かの事情で売りたいとなったとき、現実の厳しさにぶつかりました。売却して得る金銭では住宅ローンの残債を清算できないことを知ったからです。いわゆる追い銭が必須でした。結局、売るに売れず、持ち続けるしかなかったのです。
値下がりしても売らなければ損失はない?
このような体験談を親世帯から聞くなどして知った人は、高値が続く最近のマンションを購入することにためらいを覚えるようです。とりわけ、防衛反応の鋭い女性に多いと感じます。さて、1990年代以降のポストバブル期に売却を断念した人は、含み損を抱えてしまったものの、損失が確定しないで済んだとことを意味します。つまり、値下がりしても、売却しなければ損は表面化しないことになるのです。
本ブログで度々述べて来たのは、「高値掴みに注意」です。しかし、今は大なり小なり、どれを買っても高値掴みにの懸念があるのです。特に東京都心のマンションは例外を探す方が難しいほどです。
結果的に「高値掴み」をしてしまったら、どう考えたらいいのでしょうか?
もうお分かりのように、個人の場合、売却しなければ損も得もないのです。値下がりしても気にすることない。そう割り切れれば気楽なものです。金利変動リスクだけに対処し、あるいは分不相応な多額の借り入れをしなければ問題はありません。
住み替えの必要が生じたときも、転居先では賃貸マンションでしばらく我慢し、自宅を賃貸して保有をし続ければいいのです。こんなふうに割り切れば怖くないのです。
購入物件の選択が課題
しかし、売れない自宅マンションを賃貸すると言っても、物件の立地条件が問題です。駅から遠いマンションの借り手を探すのは簡単ではありません。借り手を見つけても、賃料は安いのです。郊外の、人口の少ない街では借り手の数も少なく、家賃の相場も低水準です。とすると、住宅ローンの返済原資に足りないかもしれません。反対に、郊外は、購入価格も安いので、賃料が安いとしてもバランスするかもしれません。
いずれにしても、賃借人が入れ替わったとき、借り手が間断なく決まるかどうかの疑念は残るのです。
以上の意味で、郊外マンションを買うときは、より慎重に物件を選択しなければなりません。コロナ禍が都心・準都心から郊外移住を促進させているといえども、そのボリュームは話題に上るイメージほどには大きくないのです。
郊外に限らず、これから購入するマンションは、それぞれのエリアで高い人気度を誇れる物件としなければなりません。中でも、郊外は同駅圏でナンバーワンと言えるくらいのものを選ぶようにしなければならないでしょう。
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