このブログは原則として10日おき(5、15、25)の更新です。
このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論」を展開しております。
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日頃から現状の住まいに不満を持っている人は、何かのきっかけでマンションを購入することを考え始めます。そのとき、今が買い時かどうかに悩むことがあるはずです。低金利、税金の特例、いくつも買い時を誘う文句が踊っています。でも、冷静な人は、ちょっと立ち止まって「景気が悪いしなあ。返済していけるかなあ」などと考えるようです。
今日は、ご質問にお答えして「マンションの買い時に悩んだときの考え方」・・・その整理法をご紹介したいと思います。
① 社会情勢を見る
社会情勢とは、景気動向・経済情勢と言い換えてもよいでしょう。景気が悪い時は、浮揚のために必ずと言ってよいほど住宅の建設や購入を促進する政策が登場します。住宅ローンを利用する人に税額控除をしてくれますし、親から頭金の贈与を受ける人には贈与税が大幅に安くなる制度などもあります。
メリットが大きいのは住宅ローンの金利です。ただでさえ低い金利が政策によって、10年間も軽減されるので、毎月の負担は驚くほど軽いものになります。
これらは、どれも考えるまでもなくお得な制度で、思わず「買うなら今だ」と乗ってしまいそうです。
② マンション市場を見る
マンション市場がどうなっているかを見ることも大切です。完売に継ぐ完売と好調なときは、欲しい商品が抽選になったりして手に入らず、本意でない商品を買ってしまうことがありました。そういうときは、業者も強気で値段の相談を一切受け付けず、言いなりの条件で買うしかありません。
価格が上昇傾向にあるときも要注意です。まごまごしていると高くなってしまった物件を買うはめになるかもしれません。
しかし、慌てて契約したところ、その後しばらくして同じマンションの売れ残り分が値下げを始め、悔しい思いをすることもあります。値下げを知って、先に契約した人が文句を言いに行ったとしても後の祭りです。
供給状況を見ておくことも大事です。品数が豊富なときは見つけやすく、品数が少ないときは良い物を見つけることができないため、たまたま気に入った物件に巡り会ったとき、慌てて決めてしまうことになりがちです。それで後悔する人も多いので、市場動向に踊らされない冷静さが必要です。
こうした市況は、どうやって知ることができるかですが、新築に限れば「不動産経済研究所」という専門の調査機関が毎月定期的にデータを公表していますから、インターネットで調べてみるとよいでしょう。
筆者の見解を言えば、昨今の供給水準は低く、今後も当分、品薄感は続く見通しです。価格は一部で上昇傾向が続いていますが、全体的には「高止まり」のように見えます。
③ 景気動向とローン返済能力を考える
好景気のときは収入が増える期待が膨らみ、つい多額なローンを借りてしまう傾向が見られました。反対に、景気が悪いと、勤務先の将来、ひいては自分の将来にも漠然とした不安な気持ちが起こり、慎重な姿勢に転じます。景気が回復すれば、経済的不安が小さくなるのでしょうが、それもいっときのことです。最近20年を見れば、小さな景気、不景気を繰り返していますが、どちらかと言えばずっと悪い状態が続いているとも言えます。
今後も楽観的な状況、反対の悲観的な状況は来ないかもしれません。「まさか」が起きないとは言えませんが、極端な経済変動がない限り、あまり気にしないでもよいと言うこともできます。
ただし、無理なローンを組まない方が良いでしょう。先へ行って景気が良くなり収入が増えたら、月々のローン返済の負担感はとても軽いものになるでしょうから。
バブル期に背伸びして高額な買い物をした人が、その後苦労したことと真反対の状態になると言えます。
不景気な時の慎重な買い物は、先々も安心・・・このように言うこともできそうです。
④ ライフプランとすり合わせしてみる
「マイホームは、どうせ買うなら早いに越したことはない」や「子供ができたら買えなくなるから、共稼ぎしている間に買ってしまおう」という考え方もありますが、「子供をつくるのが先だ」というのもあるでしょう。また、「転勤が多いから、定年まで社宅住まいで」と割り切り、定年後に現金で購入する」という考え方もあります。他方、会社を辞めて起業するとき、直ぐにはローンが組めなくなるから在職中に買ってしまおうと勇気ある決断をした人もあります・・・これらは、人生設計と絡めたマイホーム計画と言えるでしょう。
どれが正しいかは難しいところです。そうかといって、何も考えずに行き当たりばったりの思い付きや衝動買いをするのも、いかがなものか。そのような疑問も起きます。
⑤偶然の出会いがマンション購入につながることも
ところで、モデルルームを見学に行く人にはどのような動機があるのでしょうか。結婚や転勤などの事情がある人も中にはありますが、ほとんどの人が今スグに買わなければならないという事情を抱えているわけではないようです。それでも、急いでいないと言いながらマンションを買ったりします。
「家賃が勿体ないから」とか、「現在の住まいが手狭なので」、「いつかはマイホームを持ちたいと思っているから」などと、やや漠然とした動機や背景があって行動を開始するのが普通です。
きっかけは、「近くにマンションができたから」、「友人から勧められて」、「転居して行ったお隣さんに刺激を受けて」といったものです。
「これらが衝動買いに繋がった」という例は少なくありません。
これは、夫婦の出会いに似ているとは言えないでしょうか。たまたま縁があって結婚したというのと同じで、「たまたま、縁があってマイホームを購入した」というケースが多いのです。
結論:「買いたい時が買い時」なのです
私たちの周囲を見てみると、「快適なマイホームライフを手にしている人たちの共通点は、いち早く購入している」にあると気づきます。既にローンを完済し、日々ゆとりある暮らしを送っていたり、終の棲家で優雅な老後を過ごしていたりします。よく、金利が安いから今が買いだとか、価格がまだ下がるから様子見が賢明だとかと、得意顔の専門家を見かけますが、それは、人生の中では一瞬のことに過ぎません。大事なことは、長期的な視点で判断することです。
金利の動きは誰にも読めません。毎月の返済額を減らそうと、これから時間をかけて頭金を増やして行っても、いざ借りるときに金利が上がっていたら、返済額が減るどころか増えてしまう可能性もあります。
今は低金利が続いているから、今後は金利が下がる余地よりも、上がる余地の方が大きいかもしれません。でも、ずっと横ばいという可能性だってあります。結局、欲しいと思える物件と出会って、余裕をもって返していける資金計画が立てられるなら、そのときが買い時とも言えます。
価格の変動でも同じことです。金利よりは読みやすいですが、それでも、予想は絶対ではありません。
金利にせよ、価格にせよ、その動向に一喜一憂しながらマイホームの買い時を探すという考え方は、本末転倒と言っても過言ではありません。
ですから、買い時はいつかと考えるのではなく、「買いたいと思ったときが買い時」・・・と考える方が良いのだと思います。
・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました・・・・・次は10日後の予定です。
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