マン点流!見える化(新築億ション、どのくらい増えているのか)

23区では1億円台の新築マンションは珍しくない。これからは2億円台の”2億ション”が話題になる時代なのか……。

首都圏新築マンション平均価格、バブル期超え6,360万円

不動産経済研究所が4月18日に発表した「首都圏マンション市場動向2021年度」では、首都圏の新築マンションの平均価格がバブル期超えの6,360万円であったことが話題になった。

アベノミクスによる非実需要増の影響などにより首都圏の新築マンションの平均価格は大幅に上昇し、供給戸数は減少傾向にある(次図)。

供給戸数と平均価格の推移
首都圏新築マンション市場動向(21年度)」より

21年度の23区の新築マンションの平均価格は8,449万円。1億円に届きそうな勢いで高騰していて、庶民には手が出ない状況が続いているのである。一方で富裕層向けの億ションの供給は増えている。いったいどのくらい増えているのか。

21年度23区新築の「億ション率」2割超

同研究所が毎月中旬に公表している「首都圏新築分譲マンション市場動向」のなかに「価格帯別戸数」の表データが掲載されている(次表)。

「価格帯別戸数」の表データ
(価格帯別戸数|首都圏新築分譲マンション市場動向)

過去に発表されたデータもひも解いて、23区で供給された新築億ションの戸数の推移を次図に示す。

新築億ション発売戸数の推移(23区)
上図によって、1億円台のマンションが多いことは分かるが、季節変動が激しくて、全体的な傾向が把握しにくい。そこで、年度毎に集計したのが次図。

1億円以上のいわゆる億ションが新築マンション全体に占める割合「億ション率」は、年々上昇し、21年度は2割を超えた。
  • 1億円台のマンション
    17~20年度にかけて毎年1,500戸前後供給され、21年度に急増し2,245戸に達した。
  • 2億円台のマンション
    200戸前後で推移したあと、21年度に急増し388戸。
  • 3億円台のマンション
    増減を繰り返していて、21年度に急増して139戸だが、まだまだ希少。
新築億ション発売戸数・率の推移(23区)
23区では1億円台の新築マンションは珍しくない。これからは2億円台の”2億ション”が話題になる時代なのか……。

販売予定の23区新築億ション

SUUMOで販売予定の23区新築億ション(竣工済みを除く)を検索すると11件ヒットした(4月24日現在)。

渋谷駅1km圏の閑静な邸宅街に建つ4階地下1階建の低層マンション「ザ・パークハウス グラン 神山町」の第3期の価格は1億4900万円台~4億2500万円台。4億ション!

※具体的な物件名と販売価格につき、総戸数の多い順に示す。
  •  物件名、価格、販売戸数/総戸数、期分け
  • HARUMI FLAG SUN VILLAGE
    5300万円台~1億400万円台、未定/1822戸、第2期
  • プラウドタワー芝浦
    9290万円~2億8000万円、21戸/421戸、先着順
  • Brillia Tower 浜離宮
    1億1890万円~2億9990万円、3戸/420戸、先着順
  • THE ASAKUSA RESIDENCE
    9600万円~1億400万円、3戸/113戸、先着順
  • プラウド神楽坂ヒルトップ
    9480万円~3億1780万円、13戸/75戸、先着順
  • アトラス青山レジデンシャル
    1億1398万円・1億7198万円、2戸/61戸、第1期2次
  • アトラス恵比寿景丘 8800万円台~1億5400万円台、未定/57戸、第1期2次
  • ザ・パークハウス グラン 神山町
    1億4900万円台~4億2500万円台、未定/55戸、第3期
  • クレヴィア三軒茶屋
    6000万円台~3億円台、未定/52戸、―
  • プレディア東中野
    7630万円~1億690万円、4戸/40戸、先着順
  • ピアース用賀
    4900万円台~1億1300万円台、未定/35戸、第一期
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