買い手にとって信頼できる営業マンとは? 筆者が考えるタイプについて整理してみました。
良い営業マンとは?
成り行き任せにしない営業マン
商談というものは、買い手と売り手のキャッチボールなので、ときとして思いがけない方向へ進んでしまうものです。客もいろいろで、一方的に商談を進めたがる人もいます。聞きたいことを聞いたら、それじゃあサヨナラと、マイペースの客もあります。
また、質問をして来る人の中には細かな点ばかりの人もいます。その答えに追われて肝腎な営業マンとしての仕事ができないままに時間切れになってしまうという例もあるようです。
質問に答えることも大事な接客態度ですが、優先するべきは、商品説明以外の部分を的確に伝えることなのです。商品説明は、パンフレットやモデルルームなどに任せても十分です・・・営業マンの役割は、商品の説明係ではないのです。
その意味から、「大事なことはここです」という前置きするような態度が求められるのです。言い換えれば、「マンション選びで大事な点はここです」から始めて、「その点から当マンションを見ますと、立地はご覧いただいた通り、駅から徒歩7分、環境も利便性も良い部類と言えます。
建物に関しては、中規模ですが、デザイン性に注力して個性的なものに。設備に関しては他社さんと大きく異なる点はないのですが、足りないものはないくらいに装備しております。こちらの一覧表をご覧ください。
▲▼がないだけで、区内のⅮのマンションにも負けないレベルと言えます。
・・・・以上のような「他社との違い」を分かりやすくまとめた一覧表などを用意してい例です。
昨今、近隣に競合する物件がないので、範囲を広げて「●●沿線の新築マンション一覧」といった資料を用意し顧客対応をしているようです。
来場者のニーズを先取りしてサービスに徹している営業態度と言えましょう。
論旨軽快な説明ができる営業マン
「なくて七癖」と言いますが、営業マンも説明の下手な人と上手な人がありますし、脱線ばかりの人、何を言いたいのか分からない説明下手な人があるのも現実です。そんな中、信頼できる営業マンは、ときどき脱線しても本線から大きく離脱せずに、買い手に鮮烈な印象を残そうとします。何より、商品の良し悪しを判断してもらうための要素を整理して話す態度であるものです。
無論、営業マンは評論家ではないので、担当マンションの利点・長所を強調しようとします。
自分のためだけに働いてくれる営業マン
顧客にとってありがたいのは、機械的な接客態度やマニュアル化された説明・案内の態度ではなく、自分だけの担当であるかのような錯覚に陥らせる営業マンです。お座なりの説明、型通りの説明、売り手からのメッセージに終始するような営業マンではなく、質問しては買い手の言葉に向き合う聞き上手の営業マンが最高です。
無論、買い手が欲しい資料、欲しい説明を過不足なく、的確に発信してくれる営業マンが望ましいと言えます。
「プロの助言」を添えてくれる営業マン
商品説明が営業マンの仕事ではありません。パンフレットに書いていないような説明、商品(物件)以前の大切な知識を取捨選択して伝えてくれることこそが営業マンの値打ちなのです。インターネットで探索すれば、大概のことは分かってしまう現代、求められるサービスは情報を取捨選択する技術なのです。
検討したいマンションの情報は、インターネットの中に入り込めば大概手に入ります。問題は、何を選び、何を捨てるかにあります。
人は整理が得意な人と不得手な人がいます。片付け上手な人と散らかしたままの人に分かれます。
マンションの検討段階においては、情報と知識を収集するものの、その整理が下手で、重要でないものをたくさん貯め込んでしまう人もあります。
それゆえに、「ご存知とは思いますが」と前置きしつつ、「マンション選びで大事な点は・・・」と、必要情報の重要部分を整理して伝えてくれる営業マンが望まれるのです。
結論を導く手順を示唆する営業マン
初回の商談では、結論に近い段階までは進まないものなので、2回目の商談のときかもしれませんが、他社物件との比較で迷われる点についてのお話をさせていただきます」・・・こんなふうに語る営業マンは滅多にいません。営業マンの多くは、「ご検討ください」とか、「またのご来場をお待ちします」などと言います。「検討してみて、良ければ、また来てください」と、客任せの態度なのです。
言い方はともかく、買い手の立場に立って、検討手順を示唆する、もしくは助言する、そんな営業マンに出会えたら幸運です。それが期待できないとするなら、買い手としては営業マンに対し「今後の検討手順を教えてください。他に検討するべきマンションはありますか」などと迫ってみることが大事です。
信頼できる営業マンは、検討手順を示してくれます。腕利きの営業マンと言うべきかもしれません。
当物件の短所はここですーを語る営業マン
営業マンは「そこは触れてほしくない」と願うクセを持っているものです。マンションという商品に完璧なものはないからです。「あちら立てればこちらが立たず」で、長所もあるが短所もあるからです。
優秀な営業マンは、自社商品の欠点・弱点を指摘されるのは当然と考えています。そこで、スタート時点でそれを克服しておこうとします。筆者のよく知る営業マンS氏は、「このマンションの短所は・・・です」から始めるというのです。
堂々と、「このマンションは、●●が足りないのです」とか、「これがないのが残念な物件ですが・・・」と語り始めるようです。この手法は、顧客の信頼を勝ち取る方法でもあると某心理学者は解説しています。
しかし、このような営業マンに出会えることは少ないので、買い手の側から「このマンションの短所は何処ですか?欠点はどこですか?」と切り出してみるのが筆者のお勧めです。
駄目な営業マンとは
次は信頼感を持てない営業マンのタイプについて説明します。気付いてくれるなと願う営業マン
営業マンの多くは、欠点・弱点に気付かないでほしいと願っているようです。確かに「あばたも笑窪状態になってしまい、欠点・弱点・短所に気付かないまま買ってしまう買い手はいます。
しかし、客は利口でもあるのです。気付かず買ってくれる人だけを待っていたのでは、チーム内で優秀な成績を収めることなどできないはずです。しかし、可能なら気付かず通り過ぎて欲しいと願ってしまう営業マンが多いのも確かのようです。
心配はあるかと聞くダメ営業マン
「何かご不安はありますか?」と問う営業マンが業界を問わずいるものです。この聞き方は最悪です。問いかたで適切なのは、「Aがいいですか。Bがいいですか」と、二者択一の問いかけです。
結論を急がせる営業マン
ダメ営業マンの典型は、機が熟していない段階で「答えをください」とやってしまうタイプです。「ほかのお客様もあるので、早く決めてくれ」と迫ってしまうのです。答えは買い手が出すものではあっても、優秀な営業マンは答えを導く技術を持っています。結論に至る過程でネックになっている問題点の解決に力を貸そうとするものです。
その義務を負おうともせず、「結論をくれ」とやってしまう営業マン。これは願い下げです。
新築担当の営業マンのクセ
マンション業者の大半は物件ごとに営業担当を決めています。そして、専属となった営業マンは、担当物件を売るための準備から始めて実務に当たります。物件の長所、短所はもとより、表面的なことから気付きにくい裏面も含めて担当物件に精通しています。しかし、顧客を前にすると、短所や欠点には触れて欲しくないと願っているのです。
中古担当の営業マンのクセ
中古マンションを取り扱う仲介業者は、物件ごとに担当者を配置しているわけではありません。複数の物件を担当させているのです。顧客ごとに、物件を検索して「これなどはいかがですか」などとセールスを続けます。顧客のニーズを確認してから欲しい品を倉庫から探してきて、店頭に並べるようなものです。
従って、紹介する物件に関する知識・情報の深さは、買い手のレベルと変わらないと言っても過言ではありません。買い手が前向きに検討したいと言ってくれたときから、深いところの情報をかき集める「後出しスタイル」も少なくないのです。
無論、現地も室内も全く見ていないことも多いのです。現地案内日を決めた後で、前日までに下調べするのです。あらかじめ詳しい調査をしてセールスポイントと問題点などを整理・把握しておく新築マンションの営業マンとは仕事の進め方が正反対と言って過言ではありません。
貴方のためだけに働いてくれる営業マンの見つけ方
友人・知人が仲介店と担当者を紹介してくれたとしても、それが仇となるものです。紹介してくれた知人・友人から見れば安心できる営業マンなのでしょうし、信頼も置けるに違いありません。しかし、その「いい人が貴方のマンション探しの障害になってしまう」ことがあるのです。
営業マンは、ノルマがあったり、契約件数や手数料収益高などによって社内評価が行われたりするものです。そのために、客にとっては望ましくない物件を紹介することもあるのです。
ゆえに、顧客にとって良い人が腕のいい営業マンと同義ではないのです。
貴方のために働いてくれる営業マン、そして腕のいい営業マンを見つけるのは至難の業と言って過言ではありません。
(蛇足;あなたのためだけに働いてくれる営業マンをご紹介します。どうぞお気軽にお申しつけください)
・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました・・・・・次は10日後の予定です。
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