このブログは原則として10日おき(5、15、25)の更新です。
このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論」を展開しております。
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中古マンションの魅力は、何と言っても価格の安さです。住宅ローンを組んでも、低金利のおかげで思いのほか負担の軽さに驚き、安心するとともに、それまでの賃貸住宅より広くなることに舞い上がり、あっさりと決断してしまう人が多いようです。しかし、住んでしばらくすると使い勝手の悪さに不満が出てきたり、最初の見学時に気付かなかった騒音などによってストレスを抱えたりと、後悔している人も少なくありません。中古マンションを購入する際に気を付けたいことは多々ありますが、これだけは外せない最も重要な4つのポイント。これをご紹介したいと思います。
その前にひと言・・・・・・
・・・中古マンションを探す過程ではまりがちな罠・・・
※仲介業者の手練手管にはまるな・・・営業マンの手腕やクセなどを研究すると、いろいろな問題に気づきます。短く表すと、「買い手は冷徹さを失い、営業マンの誘導に我を忘れてしまいがち」という点です。案内されたマンションの良し悪し、その判断基準を持たない人は、うっかりすれば、買ってはいけない買い物をしてしまうようです。客観的な立場から見ると、「えっ、それ買ってしまったの?」と言わざるを得ない人に遭遇することが少なくないのです。
個人によって判断基準には幅があり、生活体験の違いもあるからでしょうか。
どんなマンションでも、買った後に壊れてしまうなどということはないものの、住み続けるにしたがって不具合が目立つようになり、住み心地が悪くなります。それだけが理由ではありませんが、やがて転居を望むときがやってきます。
転勤や転職などの関係からも、転居の必要が発生するはずです。転勤のない企業や職種の人でも、ひとつの家で一生を終わることは考えにくいものです。
最近のご相談者に目立つのは、「高齢になったとき自宅を売って高齢者施設に移住する際、自宅を売却して残る金銭の額が心配だ」という声です。
下手な買い物をすれば、売却事態が困難になるとか、買い手が何とか見つかったとしても売値は二束三文だったなどということもあり得るのです。それでもローンの完済後であれば、いくらかの現金を手にすることができるかもしれませんが、全く買い手がつかないなどという可能性はゼロではないのです。
最近、コロナ禍の影響で郊外に移住する人も増えているようですが、郊外や地方都市に行くほど中古住宅の市場は小さいため、買い手が全く現れないなどということもある・・・この事実を知っておかなければなりません。
首都圏でお買いになる場合でも、地域によって売買価格には大きな差異があるのです。その意味から、価値ある物件の選択というテーマは重要です。
では本題に移り、「中古マンションの選び方の重要ポイント」について解説します。
1)築年数に気を付ける
耐震性は人命に関わる重要な問題ですから、イの一番にチェックしたい項目です。耐震基準が厳しくなる前の建物がすべて倒壊してしまうわけではないものの、より安全な基準で建てられた建物を選んでおかなければなりません。具体的には1981年の建築基準改正以降の新基準で建築確認されたものということになりますが、このときに駆け込み申請された旧基準の確認建築物もありますし、マンションの工事は完成まで1年以上を要するので、これらを考慮すれば、3年程度の余裕を見ておく必要があります。
つまり、1984年より後に竣工したマンション、2022年現在では築38年未満のマンションが安全ということになります。
2)リフォーム費用を計算にいれておく
購入する時点で、リフォーム費用を正確に見込むのは難しい場合があります。壁紙や床の張り替え程度であれば、割合簡単に見積もりが出るものですが、大掛かりな間取り変更やシステムキッチンの更新まで行なうようなケースになると、図面を検討し、設備機器を選んで仕様を決めなければ、見積もり金額は出て来ないからです。
新築マンションのモデルルームと比較すれば一目瞭然なのですが、年代によってマンションの設備は随分違うものです。特に、システムキッチンや洗面化粧台などは大きく進化しているため、比較的新しい賃貸マンションに住んでいる人は、分譲マンションでも15年以上の中古になると、見劣りするタイプがあることに気付くはずです。
調理台の下部収納は、奥に物をしまうと取り出しが面倒な旧式、壁面がタイルのため目地の掃除が大変、ワークトップは汚れがこびりついたステンレス製といったあたりが直ぐに気付く部分でしょうか。
一番気になるのは、間取りです。これは年数に関係ないのですが、使い勝手の悪いものがあります。
例えば、脱衣所を経由するトイレ(普通は廊下からの動線)であったり、収納庫が必要な場所から遠いところに配置されていたりします。また、室内に段差があって、つまずきやすいといったことも目立ちます。
こうしたことに不満が高じてストレスが溜まると、何のためにマンションを買ったのか分からないことになります。
仲介業者は、契約を急がせようとしますが、リフォーム費用の見積もりを大雑把にでも考慮してから購入した方が賢明と言えるでしょう。
(筆者のHPに参考資料のご用意があります)
3)立地条件を優先に選択する
マンション購入の決め手と言って過言でないのは、立地条件の良さを条件の一番にすることです。これは、新築でも同じですが、中古マンションの場合には、絶対条件と言ってもよいほど重要なものです。
マンションの価値が高いかどうかの判断基準の一つは、生活に便利がよいかどうかです。どんなに自然環境が良く、空気が美味しい場所でも、霞を食べて生きて行くことはできませんから、例えば通勤・通学に便利、買い物や医療施設が近いといった場所が望まれます。
都会に居れば、大体どこに住んでも便利に思えるようなものですが、実際には、不便な生活を強いられている人は少なくないのです。
職場が変わったり、子供が成長して、高校に進学したが、とても遠いところにあるので大変だったりとか、また、病気にかかり、長い間通院することになりそうだが、病院までのアクセスが悪いなどといったことも起こるからです。
このように、生活をしていくうちに事情が変わって、引っ越し、すなわち売却を考えることが必要になります。その際に、首尾よく売れるかどうか、もっと言えば有利に売れるかどうか。ここが重要です。
立地条件、すなわち利便性の高さは次の買い手にとっても大事な条件になりますね。とりわけ中古の中古、つまり築年数が長い中古マンションはそれだけでハンディになって来ますから、何より立地条件の良さが決め手になってくるのです。
4)修繕積立金の額や大規模修繕計画をチェックする
マンションにも寿命があります。構造上100年は持つコンクリート住宅ですが、手入れを怠れば短命になるのです。クラック(ひび割れ)から雨水が染み込み、内部の鉄筋が錆びると、鉄筋は膨張しコンクリートを破壊してしまいます。
屋上の防水加工が経年変化し、目に見えない雨漏りが起きると、室内に湿気がこもって不快になることがあります。
また、25年も経てばエレベーターも交換が必要になります。更には、排水管にコレステロールが溜まり、流れが悪くなるという状態も長い間には起きるでしょう。水道水が濁ってくることもあります。
こうした問題を避けるために、マンションの大規模な修繕を周期的に行う必要があるわけですが、当然その費用はすべて所有者負担です。その財源は、ご存知の「修繕積立金」です。
しかし、その額は管理組合によってマチマチです。足りない場合は、一時金の徴収ということになります。もし、徴収に応じられない居住者(所有者)が多ければ、修繕計画は暗礁に乗り上げます。そして、工事が遅れ、マンションの寿命は短くなります。
購入を検討するマンションの修繕積立金が十分なのか、また、修繕計画はどうなっているのか、この点を確かめておくことは、中古マンション購入の際、とても重要になるのです。
・・・オトクな中古マンションの探し方・・・
中古マンションの購入者がジワリと増えているようです。新築マンションの供給が少なくなったためです。なかんずく、首都圏では、低価格帯のシェアが低くなっています。先行指標になる「新規着工戸数」のデータを分析すると、供給戸数の水準はとても低く、今後も、新築マンションが多数供給される見込みはないのです。そこで、中古マンションに狙いをつけることが必要になります。
中古マンションを購入する際の、オトクな方法をご紹介しましょう。
東京圏に限れば、中古なのに周辺の分譲中新築マンションより高値が付くものが結構あります。規模もグレードも、分譲主や施工会社の信用度も、また立地条件も全く同程度なら、そのような逆転現象は起こらないはずですが・・・
現実は違います。同時期に販売されている新築物件より、その中古物件の立地条件は格別に良く、その他の条件も総合的に優れているからです。
しかも、築後20年以内までなら、設備的にも遜色がないため、新築に劣るものは何もない。むしろ、時間の経過によって敷地内の樹木が大きく育ち、見事な景観になっていたりします。
室内が少し汚れ、傷ついたりしていますが、大してリフォーム費用はかからない物件もあります。ただし、仲介手数料が必要です。登録免許税や固定資産税の軽減措置が受けられないなどの計算まですると、築浅の中古マンションは、新築より高くつくこともあります。
そこで、築15年を超える物件に目を向けることをお勧めします。 すると、平均値では、新築価格の半値くらいで購入することができることに気づくでしょう。むろん、例外もありますが・・・
東京都内の中古と新築とのデータを比較すると、中古マンションの価格水準(新築価格との乖離率)は、新築価格を100としたとき、築5年以内は93,築6~10年は80、築11年~20年が67、20~30年で53、築31年以上55というデータがあります。
あくまで平均ですから、少し上のグレードを望んだ場合は、20年もので新築の6掛けくらいでしょうか。つまり、新築マンション70㎡が5千万円の相場の地域なら、3千万円の千の予算で手に入る可能性があるという理屈になります。
首都圏の外周部や地方都市では、もっと乖離が広がっていますから、半値以下で手に入るでしょう。
築20年を超えると、設備は旧式である可能性もありますし、室内の汚れもあって、気に入ったものに遭遇する確率は低いかもしれません。そこで、それらを思いきって全部交換するくらいのプランにしたらどうでしょうか。
そうなれば、程度問題ではありますが、5百万円以上の追加費用が掛かってきます。
こうした点を事前に十分チェックしながら進めるとして、リフォーム後の出来上がりは、自分好みで満足度の高い新居となるはずです。予算が余ることも多く、オトク感が大きいでしょう。
ところで、築20年の物件の寿命はどうなのか、そんなに古い物件を買って大丈夫かという疑問が湧くことでしょう。しかし、あと何年住みますか?30年も住むつもりですか? 若い人は、長くとも15年か20年でしょう。ならば、その前に、次の手を考えておいたらいいのです。
ご年配の方は、リタイア後から死ぬまでそこで暮らすのでしょうか。
55歳で購入したら90歳まで35年もありますね。築20年のマンションは、90歳時には築55年です。理論上は、まだ居住可能です。
しかし、存命中に解体・再建築の必要な寿命に達してしまう建物かもしれません。
これまでの建て替え事例を見れば、築30年~40年で建て替えられたマンションが多いのは事実です。
しかし、メンテナンスに対する意識改革が深まった現在ならどうでしょうか。国も老朽化対策に乗り出しています。今後は、適切なメンテナンスが行われるマンションが増加し、寿命は伸びていくのではないでしょうか。
ただし、大規模修繕がいつ来るかをチェックしてから購入することが重要です。中古マンションで一番気をつけなくてはいけない部分、それは、大規模修繕が周期的に行なわれて来たか、今後も必要なときに行えるメド(積立金の額)があるかにかかってくるからです。
入居して1年も経たないうちに、修繕費の追加徴収が管理組合で討議されるようでは困ります。そこで、修繕計画を尋ねることが必須になります。
費用の積立額と、修繕の経緯や今後の計画の有無に関しては、正確な返答を求め、不安を感じたら、購入を見送りましょう。
・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました・・・・・次は10日後の予定です。
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