第341回「マンション業者のことを知る」

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このブログは原則として10日おき(5、15、25)の更新です。

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論を展開しております。

今日は、マンションデベロッパー(新築マンションの売主)について語ろうと思います。

 

売主が信用できる業者なのかどうか、買い手にとっては気になる問題です。

この業者から買って大丈夫なのか? 買い手にとって当然の心配事です。宣伝文句は、美辞麗句で包まれていて、すべてを語っているわけではないので、本当はどうなのか?買い手は知りたいはずです。

 

各社のホームページを見れば、当然ですが、弱点や短所について自ら告げる例は皆無です。 では、買い手はどこから情報を入手したらいいのでしょうか? ネット上にあふれる「口コミ」を読んでも本当なのか疑わしいものも少なくありませんし、悪意の書き込みも見られます。

 

マンションデベロッパーに在籍していた筆者は、退職後もデベロッパー相手のビジネスを展開していたことがあるので、知ろうとしなくても知ってしまう立場にありました。

そのキャリアから、買い手に伝えておきたいことも少なくありません。

 

「設計から販売、管理まで一貫しているから」・・・に騙されないで

管理はともかくも、売主と施工が同じ企業というマンションは要注意――まずは、この話からです。

 

施主と施工会社と設計事務所との関係は、通常次のようになっています。

 

施主(発注者のことで、事業主、デベロッパーとも言われます。売買契約における売主でもある)は、土地を取得し、ゼネコンに工事を発注して、購入者に販売します。大きな利益を得ますが、その反面マンション事業に関して全リスクを負担します。

万一、建物の不具合があったときなどにも速やかに対応しなければなりません。買い手の立場では、速やかで手厚いサービス・対応力があり、資金力のある売主を選ぶべきと言えます。

 

施工会社(ゼネコン)は、デベロッパーから建築工事を受注します。ゼネコンは、下請け会社を管理監督しながら、工事請負の全責任を果たします。

 

契約書記載事項の履行責任、アフターサービスや欠陥などの不具合について責任を負うのはすべて売主ということですが、実質は請け負ったゼネコンが引き受けるので、ゼネコンが倒産したりすると、デベロッパーのアフターサービスの質も低下する危険が増します。

経営不安のあるゼネコンの施工物件は避けなければなりません。

 

設計事務所は、建物の基本計画から基本設計図面、実施設計図面などを作成します。建築確認の申請、さらに工事が始まれば監理業務(監督・管理すること)を行ないます。

 

大手ゼネコンの場合は設計部門が工事と一緒に行なう場合も少なくありません。ここは気になる問題です。

工事を発注する者(施主という。マンションの事業者)と工事を請け負う者とでは利益は相反します。

本来は発注者が工事をチェックするのですが、両者が同じ会社の場合は利益確保が優先され、行き過ぎたコスト削減や手抜き工事を引き起こす危険があるのです。

 

また、ゼネコンが設計・施工を一緒に請け負っている場合も危険があります。1人の目より2人の目、違った立場から監理(監督と管理の意)をすることで、より良い建築物を生むことになるのですから、同一の場合は、社内体制までチェックすることが必要とも言えます。

 

ところが、中小ゼネコンの場合は、工事監理は現場の所長任せで、殆んど行なっていないと言えなくもないのです。

 

尚、1社で一貫している場合は、その会社が倒産したら、その時点で関係者がいなくなります。それぞれの専門会社が分かれていれば、1社が倒産しても他に関係者は存在します。

 

無名ゼネコンが売主の物件は、気を付ける必要が多分にあると言えます。

 

大手デベか中小デベか?

新築マンションの分譲を手掛ける企業(デベロッパー)は、大小たくさんありますし、有名・無名、歴史の長い・短い、実績・経験の差異などを勘案すれば、筆者の独断による評価といえども、参考になるはずです。

 

ここでは具体的なコメントは致しかねますが、問題企業もあるのです。また、有名企業の物件だから大丈夫であるとは言えないこともありますし、価格がリーズナブルとは言えないこともあります。

 

言い換えると、大手のほうが安心と言えるとしても、物件価値の割には価格が高いという判定になることもありますし、反対に、価格は一見すると安いと見えても無名企業の物件としては高いと判定せざるを得ないこともあるのです。

 

最近の変化・・・修繕積立基金(一時金)が高くなった

新築マンションを購入するとき、住宅ローン関係費用、名義を購入者にしてもらうための登記料、住宅ローンを利用する場合は銀行の抵当権設定登記料のほか、修繕積立基金を求められます。

 

修繕積立金の月額は、管理費の半額程度でスタートしますが、5年ごと、7年ごとなどに増額されます。さらに、基金として1回、または2~3回に分けて大きな金額を収めるのが一般化しています。(最近は初回のみというケースが多いようです)

 

毎月の積立金が7000円であるとき、初回の基金は70万円とか80万円に設定、つまり毎月の積立金の100倍とか120倍などと設定されるケースが増えています。

5年ほど前には50倍から80万円だったので、最近は大きく増やしているのです。

 

毎月のランニングコストが高いことには抵抗があるものの、購入時のイニシャル費用に加えてしまうと抵抗感は和らぐ印象があること、反面、後年の増額に抵抗感があることなどからの措置と分析できます。

 

販売センターに掲げた売約済みの印は嘘っぱちか?

新築マンションのモデルルーム見学に行くと、接客ルームに大きな価格表が掲げてあり、そこにバラの花をピン留めする方法で売約済みと販売中の住戸を明示している例が少なくありません。

この表示に疑念があるという話をします。

 

実際の売約状況より売れているように見せかけているのです。これは、よく売れていることを誇大表示し、購買意欲を煽る目的で作られているもので、大手・中小の別なく実施しています。

 

販売テクニックのひとつで、似たようなことはどの業界でも行われていますが、よく売れていると聞かされると、その商品は良い物と思う心理が働きますから、それを利用した販売テクニックなのです。

 

ただ、殆んど完売に近い状況と思っていたのに、入居してみたら30%も売れていなかったというような極端なことをする業者もあります。 注意したいものです。

 

とはいえ、売れているから買う、売れていないから買わないという態度ではなく、冷静に物件の良し悪しを判断して決めることが大切です。

 

尚、売約済みのバラの花がいつの間にか移動することもありますが、その場合は必ずしも業者の不正でないこともあることを付言しておきます。

それは、本当にキャンセルが出ることがあるからです。 住宅ローンの関係と、買い替えの場合には、持ち家が売れずに解約ということがあるためです。

 

結論を急がせる販売員

営業という仕事の特質でしょうか。良い人、真っ正直、お人好しでだけでは務まらないものです。

 

業績の良い営業マンほど、うそがうまいとも言えるかもしれません。 許されるウソもあるとはいえ、罪なウソも少なくないのです。

そのウソを見破るのは簡単ではありませんが、代表的なウソは 「検討客がほかにもありますので、できましたら、週半ばにはお答えを出していただきたい」です。

 

これは、結論を急がせるための常套句です。検討物件を大いに気に入った客には「グサリ」とささる言葉です。 しかし、本当なのかを確かめるすべはありません。

 

説明を受けて、十分に検討し、納得できれ速やかに購入申込書を提出してもいいでしょうが、いったんはその場を辞去して後日にしたほうがベターです。理由は、こうです。

 

買いたい気持ちが高揚している人も、いったん家に帰って冷静になると、様々な疑念がわいてくるものです。 何より、熱い感情に囚われていると見えるものも見えなくなるのです。

そこで、別の物件はダメかとスタート地点に戻ってみるとか、参考までに近隣の物件を関学に行って、そこで「●●マンションも検討してみようと思いますが、あちらはどうなんでしょうか?」と投げかけてみることを提案します。

 

ライバル視している物件の担当者なら、欠点・弱点をあげつらうはずです。

それを聞いて、別の見方もあることを知るに違いありません。そして、冷静な自分を取り戻すことができるに違いありません。

 

 

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・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました・・・・・次は10日後の予定です。
 

 

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