★このブログは、マンション購入と売却、どちらにも役立つ知識・情報を提供するものです。
居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から「マンションの資産価値論」を展開しております。
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マンションを購入する際に気を付けたいことは多々あり、これだけは外せない重要なポイントも何点かあります。そのひとつが、「適正な管理費と修繕積立金が設定されているか」です。
今日な、管理費と修繕積立金について述べます。
管理費の標準
東京の場合、マンションの管理費の平均は、専有面積1㎡当たり約230円、70㎡なら1万5000円です。 建物の規模によって差があり、50戸未満の小型はやや高くて300円、100~200戸台は230円、300戸以上の大型は高くて250円といったデータがあります。この差は、管理体制・サービス内容の違いによります。 大型マンションは、近年コンシェルジュサービスやら、24時間有人管理といった管理サービスを度移入する傾向が強まって高くなっています。
一方、小型マンションは、管理人の人件費が高くつくことが影響しています。 100戸程度のマンションでも、30戸のマンションでも管理人は1人です。仮に管理人の平均月収を30万円としたら、100戸のマンションでは1世帯あたり3千円の負担ですみますが、30戸のマンションでは、7000円も多い1万円の負担となってしまうからです。
買い手の負担が大きいと売りにくいから、管理費を安くしようと販売サイドは考えます。 結果として、管理人を置かない巡回方式にしたり、置いても週に2日だけであったり、言ってみれば手抜き管理で出発することになります。
この傾向は、小型のマンションほど高まります。
また、修繕費用が充分に積み立てられない危険も小型マンションには多いようです。 割高になりがちな管理費を削ることと併せて、修繕積立金の額も抑え気味にして販売してしまうからです。
こうしたマンションは、老朽化が早まる危険を抱えることになります。
実は、小型マンションの場合は、管理費が毎月5万円でもおかしくないのです。
東京は世田谷区の、とある高級住宅地に、ひっそりと建つ23戸の高級マンションA。専有面積が大きいこともあって、管理費は5万円以上、一番広いタイプは10万円もします。管理人は日勤の8時間勤務です。
このマンションは、築後30年を経過していますが、その長さを感じさせない管理の良さが自慢のひとつのようです。
特別な管理をしているわけではないと聞きますが、専有面積を70㎡換算すると、3万5千円くらいになりました。 つまり、50戸未満の小型マンションでは、そのくらいの管理費になっても不思議ではないことをAマンションは示しているのです。
マンションの管理の良し悪しを測るのは、管理人が常駐していればよいという単純なものではないのですが、少なくとも管理人が毎日目を光らせておくことは必須条件と考えた方が良いのです。
修繕積立金の標準
管理人の目が光っていない上に、修繕積立金も少なく、そのために適切な修繕が行われないマンションの将来はどうなってしまうのでしょうか?例えば屋上の防水工事は15年に1回の割合で周期的に修繕する必要があると聞きますが、それをしなければ漏水して各居室に湿気がこもり危険があるのです。
外壁のクラック(ひび割れ)も同様。また、排水管にコレステロールが溜まり、流れが悪くなるという現象も。
こうした結果を招けば、日常生活において不便を感じる、不快感が募る、従って、ストレスが溜まるということになるでしょう。
管理組合では、修繕費の臨時徴収などが議論されます。しかし、一時金の支払いを嫌がる所有者もあって、修繕が先送りされ、時が経過します。すると、ますます居住性が悪化します。やがて、らちが開かないと見た入居者は、売却して転居する道を選択します。
このようなマンションは一段と老朽化が進行し、売却も困難になって行きます。仕方なく賃貸に回して転居する所有者も現われます。
大規模修繕推進派は減り、賃貸マンション化が進んで、修繕に関する意識が更に低下して行きます。
こうして、満身創痍の老朽マンションとして、さらに寿命は短くなってしまいます。しかし、既に半数以上の所有者が転居しており、大規模修繕の声すら上がりません。こうなると、スラム一歩手前の状態です。
毎月のランニングコストが大きいと購入しづらくなる買い手に配慮し、新築マンションの販売時は、「修繕積立基金」という名の一時金を取るケースが常態かしています。20万円とか、50万円といった額です。これによって不足を補うわけです。
こちらの方が買い手の抵抗は小さいようです。 買い手から見れば、購入時には登記料など諸経費を予定しているので、そこが少し膨らむ程度という印象なのでしょう。
管理費が比較的低く設定できる中規模以上のマンションでも、価格の安さを「売り」にして企画したと考えられる物件では、管理費も意図的に抑えているケースがあります。こうしたマンションは要注意です。
決断する前に、「管理業務仕様書」を見せてもらうか、少なくとも管理人の勤務体制だけは確認しましょう。そして、常駐(日勤)しないマンションは、できたら購入を避けたほうが無難と覚えておきましょう。
修繕計画書を確認しましょう
30年先までの長期修繕計画書は、大抵のマンションに販売時点で既に用意されています。エレベーターは何年で取り替えるのか、屋上の防水加工は何年周期かといったことが、細かく計画されているのが普通です。そして、その費用がいくら位か、それを賄うための積み立て計画も明示されています。積立額は、途中で増額する計画になっているものですが、どのくらい上がるのかをよく見ておくことが必要です。
ただし、そのとき、途中の増額があまりにも頻繁に行われるような物件、金額が大きく跳ね上がるような物件は避けるほうがよいかもしれません。
管理費も修繕積立金も割高な物件をどう見るか?
首都圏の管理費は、国交省の調査によれば、平均@252円/㎡です。例えば、管理費@352円のマンションを買うとしたら、100円の高さをどう見ればいいでしょうか?70㎡の住戸なら7000円高ですから、1年では8万4000円、10年で84万円の多さとなります。その程度なら問題なさそうと思う人が多いことでしょう。
問題は修繕積立金のほうです。 最近の新築マンションは、基金として80~120か月分相当の一時金を求めます。さらに、毎月の積立金を管理費の30%程度と高めに設定している例が多いようです。
管理費が2万円なら6000円ということになりますが、この額が段階的に上がって行きます。何年か先には、管理費と同額程度になる例もある一方、1万円程度で留まっている例もあります。
仮に、管理費と同額程度になってしまう物件を検討するとき、そこに抵抗を感じる人も少なくないのですが、これについて、筆者は次のように助言しています。
「比較して月に1万円高い物件だとしても、年間に12万円、10年で120万円多いだけです。東京都心の物件などなら、この程度の差は問題ならないでしょう。なぜなら、転管理の良いマンションなら、転売時に上乗せして回収できるからです」と。
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マンションの管理の良し悪しは、管理人が常駐していればよいという単純なものではないのですが、少なくとも管理人が毎日目を光らせておくことは必須です。
管理費が比較的低く設定できる中・大規模マンションでも、分譲価格の安さを「売り」にして企画したと考えられる物件では、管理費も意図的に抑えているケースがあります。こうしたマンションも要注意です。
ただし、そのとき、途中の増額があまりにも頻繁に行われるような物、金額が大きく跳ね上がるような物は避けるほうがよいのかもしれません。
・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました・・・・・次は5日後の予定です。
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